1-4.マナー・作法【参列者】

2025.12.31

お葬式のマナーはこれで完璧!押さえるべき7つのポイントと礼儀作法

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お葬式はマナーが大切な行事ですが、聞き慣れない言葉や難しい知識が多く、具体的にどのようなことに注意するべきなのか、よく分からない方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実は、ポイントさえ押さえれば、比較的簡単にマナー違反を防いで、スムーズに参列することができます。

そこで本記事では、お葬式のマナーとして押さえるべきポイントと礼儀作法について、分かりやすく解説します。

お葬式のマナーに関して、間違いやすいマナーやよくある質問まで、まとめてご紹介していますので、遺族・親族から参列者の方まで、どうぞ参考になさってください。

お葬式の基礎知識

お葬式

お葬式のマナーの理解を深めるにあたって、あらかじめ知っておきたいお葬式の基礎知識について、ポイントを押さえて解説します。

  • お葬式とは何か?
  • お葬式は基本的にお通夜と葬儀・告別式の2日間の日程で行う
  • 亡くなってからお葬式までの平均日数は2〜5日
  • お葬式は葬儀形式によって日数や参列者の人数が異なる
  • お葬式では初七日法要を行うのが一般的
  • お葬式は地域の風習などによって内容や流れに違いがある

お葬式とは何か?

お葬式とは、亡くなった人の死を悼み、故人や遺族と縁のある方々が集い、最後のお別れをする葬送のことをいいます。

  • 社会的に故人の死を知らせる
  • 故人へ生前にお世話になった感謝の気持ちを伝えて最後のお別れをする
  • 故人の安らかな眠りを祈って宗教儀式を行う
  • 大切な人を失った遺族にお悔やみの言葉を伝える
  • 遺族が故人に代わって生前にお世話になったお礼を伝える

お葬式には、上記のような目的と役割があり、故人の人生を締めくくる大切なセレモニーとなります。

お葬式は基本的にお通夜と葬儀・告別式の2日間の日程で行う

日程 仏式 神式 キリスト教式

カトリック/プロテスタント

1日目 お通夜 前夜祭 通夜/前夜祭
2日目 葬儀・告別式 神葬祭 葬儀ミサ/葬儀式

お葬式はどのような宗教の場合でも、基本的にお通夜と葬儀・告別式の2日間の日程で執り行われます。お通夜と葬儀・告別式の意味は次のとおりです。

お通夜とは?

お通夜とは、葬儀の前日に故人と過ごす最後の夜のことをいいます。一般参列者は、お通夜と葬儀・告別式のどちらかの日程に参列する場合、このお通夜の日を選ぶのが一般的です。

昔は、家族や親族が夜通し「寝ずの番」をして故人を見守っていましたが、近年は当日のうちに解散する「半通夜」が増えています。

葬儀とは?

葬儀とは、僧侶や神職、神父・牧師などの宗教者を招いて、故人のために行う宗教的儀式のことをいい、宗教によって次のような目的のために祈りを捧げます。

宗教 葬儀の目的
仏教 極楽浄土にたどり着けるよう冥福を祈る(浄土真宗は阿弥陀如来へ感謝して故人への想いを馳せる)
神道 家の守り神になってもらえるように祈る
キリスト教 神のもとへ召されるように祈る

なお、日本でのお葬式は約9割が仏式と言われています。

告別式とは?

告別式とは、葬儀の延長で行われる宗教色のないお別れの式のことをいい、弔辞や弔電の紹介、棺への花入れなどによって、故人と最後のお別れを行います。

お葬式の流れによっても異なりますが、告別式を経て、火葬場へ向かう出棺となるのが一般的です。

亡くなってからお葬式までの平均日数は2〜5日

亡くなってからお葬式までの平均日数は2〜5日と言われており、次のような地域性や状況に合わせて日程調整が行われます。

  • 火葬場の事前予約が必要で、待機日数が生じる場合がある。
  • 斎場の空き状況に合わせて日程調整が必要な場合がある。
  • 家族や親族、お付き合いをしている菩提寺の都合により、日程調整が必要な場合がある。
  • 友引の日は火葬を避ける風習がある(火葬場が休業している)。

日本には「死後24時間を経過しなければ、火葬・埋葬を行ってはいけない」という法律があるため、亡くなった日に火葬をしてお葬式を済ませることはできません。

参考:墓地、埋葬等に関する法律(厚生労働省)

お葬式は葬儀形式によって日数や参列者の人数が異なる

葬儀形式

お葬式には4つの種類があり、葬儀形式によって、日数や参列者の人数が異なります。

葬儀形式 日数 人数目安 通夜 葬儀・告別式 火葬 シェア率
一般葬 2日間 30名以上 30.1%
家族葬 2日間 30名以下 50.0%
一日葬 1日 30名以下 10.2%
直葬・火葬式 1日 数名 9.6%

昔ながらの不特定多数の会葬者が集う「一般葬」以外のお葬式では、葬儀へ参列できない可能性があるため、不明な場合は遺族や葬儀社へ確認しましょう。

最新の調査によると、最も多く行われている葬儀形式は「家族葬」で、お葬式全体の約7割が家族・親族のみなど、少人数のお葬式となっています。

出典:【第6回】お葬式に関する全国調査(いい葬儀)

訃報連絡の「身内のみで葬儀を執り行います」という文言は、家族葬や一日葬、直葬・火葬式に該当するため、喪主や遺族からお葬式へ誘われていない方は、参列しないのがマナーです。

一般葬とは?

一般葬とは、参列者の人数が多いことが特徴で、友人・知人、職場や取引先の関係者、近所の方など、故人や遺族と繋がりのある方なら、基本的にどなたでも参列できます。

マナーを踏まえれば、仕事帰りや代理人による参列も可能で、香典を渡してお焼香だけを行う会葬でも問題ありません。

家族葬とは?

家族葬とは、少人数によるお葬式で、アットホームな雰囲気が特徴です。参列できる人数は斎場や葬儀プランによって異なり、故人の親しい友人などが参列するケースもあります。

家族葬の場合、遺族(喪主)は、事前に参列者を把握する必要があるため、お葬式の案内がきたら速やかに出欠・欠席の意向を連絡するようにしましょう。

一日葬とは?

一日葬とは、お通夜を省略することが大きな特徴で、1日で葬儀・告別式や火葬を行うシンプルなお葬式です。

基本的に家族葬と同様、事前に参列者を決定しておく必要があるため、遺族に迷惑をかけないよう、マナーとして参列の可否は早めに連絡をしましょう。

直葬・火葬式とは?

直葬・火葬式とは、基本的に火葬のみを行う葬儀形式で、お通夜や葬儀・告別式といった一連の儀式を行わないことが最大の特徴です。

火葬に立ち会えるのは数名のみに限られることと、葬儀をしない場合でも、火葬場はほかの利用者が喪服で訪れる場所であることに注意しましょう。

お葬式では初七日法要を行うのが一般的

お葬式では、日程を繰り上げて、葬儀・告別式の延長で初七日法要を営むのが一般的となっています。

流れとしては、葬儀の読経の延長で行う場合と、火葬後に行う場合とがあり、初七日法要後には精進落としの会食をする場合もあります。

お葬式は地域の風習などによって内容や流れに違いがある

お葬式は、地域の風習や事情によって、一般的に紹介されている内容や流れと異なる場合があります

  • 葬儀の前に火葬を行う場合がある。
  • 友引でも火葬を行う場合がある。
  • 通夜振る舞いは、参列者全員を対象とする地域と、家族・親族のみで会食する場合がある。
  • 香典金額は地域によって異なり、少ない香典金額で香典返しをしない地域もある。
  • 香典返しには、当日に渡す即返しと四十九日法要後に贈る後返しがある。さらに、同じ金額の返礼品を贈る一律返しと香典の1/3〜1/2の金額の品物を贈る半返しとがある。
  • 香典返しとは別に、参列者へ会葬御礼品を参列者全員に渡す場合がある。

たとえば北海道のお葬式では、香典に対して領収書を発行したり、家族や親族と集合写真を撮影するなど、地域特有の工程が多くあります。

お葬式の流れと時間の目安

お葬式のタイムスケジュール

初めて参列する方でも安心できるよう、一般的なお葬式の流れと時間の目安についてご紹介します。あらかじめ流れを把握しておくことで不安を解消できるため、目を通しておきましょう。

お通夜の流れと時間の目安

1日目のお通夜の流れと時間の目安は、次のとおりです。

  • 16:00頃 親族集合
  • 17:00頃 受付開始
  • 18:00頃 通夜式
  • 19:00頃 通夜振る舞い
  • 21:00頃 解散

お通夜は、一般的に夕方18時頃から開始となり、式自体は1時間から1時間半程度で終わります。通夜振る舞いへ参加する場合は、さらに1〜2時間程度を要するのが一般的です。

式場によっては、そのまま斎場へ宿泊でき、遺族や親族が故人と最後の夜を過ごすケースも多くあります。

葬儀・告別式の流れと時間の目安

2日目の葬儀・告別式の流れと時間の目安は次のとおりです。

  • 09:00頃 親族集合
  • 09:30頃 受付開始
  • 10:00頃 葬儀・告別式
  • 11:00頃 出棺
  • 12:00頃 火葬・拾骨
  • 13:30頃 初七日法要
  • 14:00頃 精進落とし
  • 15:00頃 解散

葬儀・告別式は、10時頃から開始されるのが一般的で、一般参列者は火葬場へ向かう出棺のタイミングでお開きにすることが多い傾向にあります。

遺族や親族は、火葬場へ向かい、火葬と遺骨を拾骨します。初七日法要と精進落としまで済ませると、15〜16時頃になることが一般的です。

お葬式のマナーにおける7つのポイント

お葬式のポイント

お葬式のマナーにおいては、失敗や後悔を防ぐために、押さえるべき7つのポイントがあるため、分かりやすくまとめて解説します。

  1. 訃報連絡・葬儀案内と返信は速やかに行う
  2. お葬式の服装は喪服の着用が基本マナー
  3. お葬式の髪型や身だしなみはお洒落ではなく清潔感と質素感を重視する
  4. お葬式のコートや靴・バッグはNG素材を避ける
  5. お葬式に必要な持ち物を揃える
  6. お葬式では数珠を用意し、香典・お布施は袱紗に包んで持参する
  7. お葬式では携帯電話の電源を切って私語を慎む

①訃報連絡・葬儀案内と返信は速やかに行う

訃報連絡の方法

お葬式に際して、喪主や遺族は速やかに訃報案内や葬儀案内を行い、連絡を受けた参列者もスピーディーにお悔やみの言葉や出席・欠席の意向を伝えましょう

訃報連絡やお悔やみの伝え方については、以下のページで具体的な例文をご紹介しています。コピペして使える便利な文例集のため、ぜひご活用ください。

②お葬式の服装は喪服の着用が基本マナー

喪服

お葬式の服装は、遺族側も参列者側も喪服を着用するのが基本マナーです。男性は喪服に白のワイシャツと黒のネクタイ・ベルト・靴下・靴、女性は喪服に黒のストッキング・靴を合わせます。

仕事帰りなどにお通夜へ参列する場合は、黒・紺・グレーのビジネススーツなど、略喪服でも構いませんが、色合いとして茶系は避け、モノトーン系の服装でコーディネートしましょう。

夏場は半袖のワイシャツでも構いませんが、葬儀中は上着を着用し、女性はひじ・ひざが隠れる着丈がマナーです。

喪服がない方や、子供の服装については、以下の参考記事で対処法を解説していますので、どうぞご覧ください。

③お葬式の髪型や身だしなみはお洒落ではなく清潔感と質素感を重視する

お葬式の髪型のマナー

お葬式では、髪型や爪など、身だしなみを清潔に整えるのがマナーです。お洒落な髪型や身だしなみはタブーにとなるため、質素な印象になることを意識しましょう。

長い髪は、耳より下の低い位置で黒いゴムを使用して、一つ結び・お団子結びにするのがベストです。短い髪でも、お辞儀やお焼香で髪が乱れる場合は、黒いヘアピンで留めます。

使用しても問題ないヘアアクセサリーもあるため、特に女性は以下の参考記事をご覧になり、最適な髪型やネイルについて確認してください。

男女別や子供の髪型や身だしなみについて、当ページの最後で、ポイントをまとめた記事をご紹介していますので、どうぞお目通しください。

④お葬式のコートや靴・バッグはNG素材を避ける

セレモニーバッグ

お葬式では、コートや靴、バッグなどの素材に注意しなければならず、「色が黒なら何でもよい」と思っている方は気をつけましょう。

サテン・エナメルなどの光沢のある材質や、動物の殺生を想像させる毛皮・ファー・スウェードなどの皮革は避けなければなりません。

合成皮革などの場合でも、クロコダイルの型押しなど、動物をイメージする製品は利用しないのがマナーといえます。

アイテムごとの選び方や注意点は、以下の参考記事にまとめていますので、気になる場合は事前にチェックして、マナー違反を防ぎましょう。

⑤お葬式に必要な持ち物を揃える

お葬式の持ち物

お葬式では、次の持ち物が必要となるため、事前に準備して、忘れ物をしないよう外出前にも再チェックしましょう。

  • 数珠:仏式の場合
  • 香典(喪主はお布施):袱紗(ふくさ)に入れて持参
  • ハンカチ:無地の白または黒
  • ポケットティッシュ:マスクが必要な場合は予備の分も用意
  • 財布:交通費や飲食の現金を持参しておく
  • 携帯電話:緊急用として葬儀社の連絡先を登録しておく
  • セレモニーバッグ:女性のみ(男性は手ぶらでもよい)
  • 雨具:折り畳み傘など
  • 季節用品:ひざ掛け・カイロ・扇子など

【香典やお布施のマナー】

項目 香典 お布施
筆記用具 薄墨 濃墨
表書き 御霊前 など 御布施 など
お札 きれいな古札 新札
入れ方(外袋の表面から見た肖像画) 裏側・下側 表側・上側
包み方 左→右→下→上

香典やお布施のマナーについては、当ページの最後に参考記事を掲載しています。相場金額や袋の書き方・包み方・渡し方まで、詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

⑥お葬式では数珠を用意し、香典・お布施は袱紗に包んで持参する

袱紗

お葬式の持ち物にはマナーがあり、仏式の葬儀では式場に入室するタイミングで数珠を握っておきます香典やお布施は、自宅から袱紗(ふくさ)に包んで持参しましょう。

数珠は自分専用のものでなければならず、用意できないからといって貸し借りは厳禁です。詳しくは、次の参考記事で解説していますので、どうぞご覧ください。

数珠や袱紗を購入する場合の選び方については、ポイントや注意点を以下の記事で解説していますので、ぜひ参考になさってください。

⑦お葬式では携帯電話の電源を切って私語を慎む

携帯電話・スマートフォン

お葬式では、遺族やほかの参列者が不快に感じないよう、あらかじめ携帯電話の電源を切って、私語を慎むのがマナーです。

斎場や火葬場は、大切な方を亡くした方が集う場所のため、待機中も周囲に迷惑をかけないよう、立ち居振る舞いに気をつけましょう。

お葬式のマナーとして覚えておくべき3つの礼儀作法

お葬式のマナーとして、覚えておくべき3つの礼儀作法について解説します。マナー違反をしないよう、事前に習得しておきましょう。

  • 受付の手順とマナー
  • お焼香の手順とマナー
  • 言葉遣いのマナー

受付の手順とマナー

葬儀の受付

お葬式の受付の手順とマナーは、次のとおりです。お葬式へ参列する際は、最初に受付で香典を渡して記帳しましょう。

  1. 受付へ並んで順番を待つ
  2. 受付で「この度はご愁傷様です(お悔やみ申し上げます)」と挨拶をする
  3. 袱紗からお香典を取り出して相手から文字が読める方向に正す
  4. 香典を両手で持って「どうぞお納めください」と差し出す
  5. 芳名帳(芳名カード)の全項目に漏れなく記帳する
  6. 返礼品や引換券(帰りに返礼品と交換)を受け取る
  7. クロークがある場合はコートやお葬式で不要な荷物を預ける

ただし、受付の流れやマナーは地域によって異なり、北海道では基本的に参列者自身が芳名帳へ記帳することはありません。

お焼香の手順とマナー

お焼香のマナー

お焼香の手順とマナーは、次のとおりです。

  1. お焼香の順番を待つ
  2. 焼香台に向かって歩く
  3. 遺族の手前で立ち止まって一礼する
  4. 焼香台の一歩手前まで歩み寄って遺影へ一礼する
  5. 一歩前に出て、親指・人差し指・中指の3本指で抹香を摘まむ
  6. 抹香を摘まんだ指を額の高さに上げて隣の香炉へ抹香を移す
  7. 故人を想いながら合掌する
  8. 祭壇側を見たまま後ろへ下がって遺影へ一礼する
  9. 遺族へ一礼して席へ戻る

ただし、お焼香の作法は、宗派によって次のように異なります。参列者が多い場合は1回とアナウンスされるケースもあるため、案内に従って行いましょう。

宗派 お焼香の回数と作法
真言宗 3回
天台宗 1回または3回
浄土宗 1~3回
臨済宗 1回または3回
曹洞宗 2回(2回目は押しいただかない)
日蓮宗 1回
真宗大谷派 2回(押しいただかない)
浄土真宗本願寺派 1回(押しいただかない)

遺族の宗派が不明の場合、自分の宗派に則っても問題ありませんが、迷う場合は「額へ押しいただきながら3回」行うと、丁寧で真心が伝わりやすいでしょう。

言葉遣いのマナー

言葉遣い

お葬式では言葉遣いにマナーがあり、「忌み言葉」や「宗教用語」に注意が必要です。訃報連絡やその返信、遺族へのお悔やみの挨拶では、次のような言葉遣いを避けましょう。

  • 死や不吉なことを連想させる言葉
    別れる・終わる・消える・去る・切れる など
  • 不幸が続くことを連想させる言葉
    重ね重ね・度々・くれぐれも・次々・再び など
  • 宗教用語
    「冥福を祈る」:浄土真宗を除く仏教のみ
    「往生」「極楽浄土」:仏教のみ
    「天国」:キリスト教のみ

間違いやすいお葬式のマナー

間違いやすいマナー

お葬式のマナーとして、間違いやすい3つのポイントについて解説しますので、マナー違反にならないように気をつけましょう。

  • 平服とは略喪服のことをいい普段着ではない
  • 香典辞退のお葬式では香典を渡さない
  • 家族葬と密葬は意味が異なる

平服とは略喪服のことをいい普段着ではない

平服とは略喪服のことをいい、普段着ではないことに注意しましょう。遺族から「平服でお越しください」と葬儀案内を受け取った場合は、ダークスーツなどを着用します。

  • 正喪服:喪主や3親等以内の親族が着用する黒紋付の和装やモーニングコート、女性は刺繍やフリルなどの装飾が付いた上質な仕立ての喪服。
  • 準喪服:参列者のほか、近年は喪主や親族の着用も主流となっているオーソドックスな漆黒の喪服。
  • 略喪服(平服):黒・紺・グレーなどのダークスーツやワンピース・アンサンブルスーツなどのことをいい、女性のパンツスーツも平服に含まれる。

喪服には上記の3つの種類があり、立場として故人に近い遺族から順に良質な喪服を着用するのがマナーとなっています。

遺族が平服を希望する場合は、理想のお葬式のイメージがあるなど、何らかの理由があるため、基本的に喪服を着用しないのがマナーです。

ただし、略喪服の場合でも、男性は白い無地のワイシャツと光沢のない黒いネクタイ(目立たない織柄なら可)、女性は黒いストッキングを合わせて肌の露出を控えましょう。

香典辞退のお葬式では香典を渡さない

香典辞退のお葬式では、香典を渡さないのがマナーのため、遺族に対して自分の気持ちを押し付けないようにしましょう。

家族葬では、遺族が香典辞退をするケースが増えており、香典以外にも弔電・供花・供物・弔問などをお断りする場合があります。

辞退するのには理由があり、故人の遺志である場合や、遺族にとってお返し物の手配やお礼回りの手間を省きたいという思いがあるためです。

故人への想いやお悔やみの気持ちをどうしても形にしたい場合は、納骨後にお墓参りをするなど、遺族の心情を察して迷惑をかけないようにしましょう。

家族葬と密葬は意味が異なる

家族葬と密葬は、いずれも少人数のお葬式を表現しますが、意味は異なるため注意しましょう。

密葬とは、参列者を招いて本葬を行う前に、身内だけなど少人数で行うお葬式のことをいいます。

お葬式のマナーについてよくある質問

よくある質問

お葬式のマナーについてよくある質問をご紹介しますので、失敗や後悔を防げるよう、気になる項目をチェックしておきましょう。

香典の金額はいくら包むのがマナー?

故人との関係 香典金額
両親 3〜10万円
祖父母 1〜5万円
兄弟姉妹 3〜5万円
おじ・おば 1〜3万円
友人・知人 5,000〜1万円
職場関係 3,000〜1万円
取引先関係 5,000〜1万円
社長・役員 3〜5万円
近所の方 3,000〜5,000円

香典は故人との関係によって、上記のような相場があるため、遺族へ失礼にならないよう、マナーとして適切な金額を用意しましょう。

供花の送り方とマナーとは?

供花は、祭壇や式場全体のイメージやコーディネートを乱さないよう、お葬式をする葬儀社へ申し込みましょう。供花の相場費用は、次のとおりです。

  • 1基の相場費用:約1~2万円
  • 2基(1対)の相場費用:約1万5,000~3万円

家族や親族の供花は、喪主がまとめて手配することが多いため、遺族へ確認します。費用を立て替えてもらっている場合は、「御花代」の表書きの封筒へお金を封入して精算するのが正しいマナーです。

遺族が手配していない場合や一般参列者は、葬儀社へ連絡のうえ、次の項目を伝えて、金額と支払い方法を確認のうえ申し込みましょう。

  • 斎場名
  • 喪家名
  • 葬儀の日時
  • 故人との関係(親族・友人・会社関係など)
  • 基数
  • 札名の表示名

喪主や遺族のマナーとは?

喪主や遺族は、お葬式を円滑に進め、参列者へ感謝の気持ちを伝えるために、マナーとして事前準備を万全に行うことが大切です。

遺族にとって役立つ参考記事を厳選してご紹介しますので、ぜひご覧ください。

まとめ:お葬式のマナーは事前に7つのポイントと3つの礼儀作法を把握しましょう!

葬儀のマナーポイント

お葬式のマナーについて、知っておくべきポイントや礼儀作法を解説しましたが、まとめると次のとおりです。

  • お葬式は、基本的にお通夜と葬儀・告別式の2日間の日程で行われるが、葬儀形式によって日数や参列者の人数が異なる。お葬式では初七日法要を行うのが一般的で、地域の風習などによって、内容や流れに違いがある。
  • お葬式のマナーは、次の7つがポイント。①訃報連絡・葬儀案内と返信は速やかに行う ②服装は喪服が基本 ③髪型や身だしなみはお洒落ではなく清潔感と質素感を重視する ④コートや靴・バッグはNG素材を避ける ⑤必要な持ち物を揃える ⑥数珠を用意し、香典・お布施は袱紗に包む ⑦携帯電話の電源を切って私語を慎む
  • お葬式でマナー違反にならないために、「受付の手順」「お焼香の手順」「言葉遣い」の3つの礼儀作法をあらかじめ習得しておく。
  • 間違いやすいお葬式のマナーとして、平服とは普段着ではないことや、香典辞退のお葬式では香典を渡さないこと、家族葬と密葬は意味が異なることを知っておくとよい。

お葬式は、亡くなった方にとって人生最後の大切なセレモニーのため、マナー違反は厳禁です。不明点があったら、事前に地域の葬儀社へ相談して対策をしましょう。

北のお葬式は、北海道の葬儀社として、地域の皆様のご相談や資料請求を無料で承っています。お困りごとがございましたら、いつでもお気軽にお問い合せください。

この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

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