1-4.マナー・作法【参列者】

2025.05.29

お葬式に最適な髪型は?男女別や子どもの身だしなみとマナーや注意点

facebook

twitter

line

お通夜や葬儀・告別式へ参列するとき、髪型はどのようにしたらいいのか、戸惑う方もいらっしゃるでしょう。

お葬式は亡くなった方の最後のお別れの儀式のため、髪型や身だしなみにマナーがあり、急な訃報で美容院や床屋に行く時間のない場合でも周囲に迷惑をかけてはいけません。

そこで、お葬式の髪型のマナーについてポイントや注意点を解説のうえ、男女や子ども別と髪の長さに合わせた最適な自分でセットできるヘアスタイルの具体例をご紹介します。

ヘアアクセサリーや服装など、身だしなみに関するマナーや、お葬式の髪型でよくある質問についてもご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。

お葬式の髪型における4つのマナー

遺族と参列者

お葬式の髪型には、次の4つのマナーがあるため、理由について詳しく解説します。

  • 清潔感と清楚感を重視した髪型にする
  • お洒落をせずシンプルなヘアスタイルにする
  • 葬儀中に乱れにくく気にならない髪型にする
  • 遺族やほかの参列者へ不快感を与えない

清潔感と清楚感を重視した髪型にする

お葬式の髪型や身だしなみでは、何よりも清潔感と清楚感を重視することが大切なため、ほかの参列者へ不潔な印象を与えることは避けましょう。

とくに喪主や遺族は葬儀の中心の存在になるため、服装においても一般参列者より上質な喪服を着用する必要があり、髪型もしっかりと整えることが求められます。

お洒落をせずシンプルなヘアスタイルにする

お葬式は結婚式とは違い、身だしなみにお洒落は不要で、髪型や服装は目立つことのないようシンプルさが求められます

とくにロングヘアの方はどのようなアレンジにしようかと考えがちですが、お葬式の場面で華美なヘアスタイルは厳禁のため、質素さを意識しましょう。

葬儀中に乱れにくく気にならない髪型にする

お葬式では、お辞儀をする機会が多くあるため、髪が乱れたり、葬儀中に髪を気にしたりすることのないように髪型をヘアアレンジしましょう。

ただし、ヘアアレンジする際は注意点がいくつかあるため、後述にて解説しますので、よく読んでマナーを守りましょう。

遺族やほかの参列者へ不快感を与えない

葬儀は故人を供養する大切な儀式のため、遺族や親族、故人の友人や知人など、周囲へ迷惑や不快感を与えないことが大切です。

葬儀場や火葬場によっては、ほかの葬儀の利用者も多くの方が集うケースがあるほか、お葬式は密室で執り行われるため、見た目だけではなく、臭いにも気をつける必要があります。

お葬式の髪型で気をつけるべき5つの注意点

葬儀のお辞儀

お葬式の髪型では、気をつけるべき5つの注意点があるため、次の事項を理解してマナー違反にならないようにしましょう。

  1. 髪色は黒髪や自然のままの色でなければならない
  2. お焼香や合掌のお辞儀で髪が乱れないようにする
  3. 長い髪は耳より下の低い位置で一つ結びにする
  4. ヘアアクセサリーは黒い無地のシンプルなものを使用する
  5. 整髪料は無香料を利用してツヤが出ないようにする

①髪色は黒髪や自然のままの色でなければならない

ヘアカラー

お葬式での髪色は黒や自然のままの色が基本で、黒に近い暗いトーンの茶髪なら問題ありませんが、明るい茶髪や金髪や目立つヘアカラーは黒髪に戻す必要があります。

お通夜や葬儀・告別式の日だけ対策できるよう、シャンプーで落とせる黒髪もどしのスプレーが市販されているため、インナーカラーの方もきちんと対処した方が礼儀として安心です。

②お焼香や合掌やお辞儀で髪が乱れないようにする

お焼香

お葬式では、遺族や参列者との挨拶やお焼香や合掌など、お辞儀をする機会が多いため、髪が乱れないようにするには、ヘアアクセサリーや整髪料を利用した髪型にするのが最良です。

髪のまとめ方やヘアアクセサリーや整髪料には注意点があるため、次項以降の注意点もよく読んでマナーを守りましょう。

③長い髪は耳より下の低い位置で一つ結びにする

一つ結び

ロングヘアなどの髪の長い方は、首の後ろで耳より下の低い位置で一つ結びにするのが基本マナーです。

ポニーテールのような高い位置でのまとめ髪はカジュアルに見えてしまい、お葬式には不適切とされているため避けるようにしてください。

④ヘアアクセサリーは黒い無地のシンプルなものを使用する

ヘアアクセサリー

お葬式では、次のようなヘアアクセサリーが使用できますが、基本的に色は黒で、光沢のないマットな素材やシンプルな見た目であることが大切です。

  • ヘアゴム
  • ヘアピン
  • バレッタ
  • シニヨンネット・シニヨンカバー
  • ヘアクリップ・バナナクリップ

女性の場合、タレの短いリボンなら使用しても問題ないため、一つ結びならリボンの付いたバレッタ、お団子ヘアならリボンの付いたシニヨンネットやシニヨンカバーがおすすめです。

急なお葬式への参列で準備ができない場合や子どもの場合でも、ヘアゴムは黒以外なら紺色や焦げ茶色の暗いトーンの色合いを選んでください。

⑤整髪料は無香料を利用してツヤが出ないようにする

整髪料は無香料

整髪料には、ワックスやジェルやムースなど、目的に応じてさまざまなタイプがありますが、お葬式では無香料タイプを利用しましょう。

ヘアオイルやウェット感を出すスタイリング剤は避け、ツヤが出ないように少量のみ使用するのがお葬式にふさわしい髪型のポイントです。

お葬式の男性の髪型の具体例

男性の髪型

お葬式の男性の髪型について、髪の長さ別に最適なヘアスタイルをご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。

ロングヘアの場面

男性のロングヘアのヘアスタイル

お葬式では、結べるぐらい長髪のロングヘアの男性の場合、首の後ろで黒いヘアゴムで一つ結びにするのが最良です。

後れ毛が出ないように、整髪料を使用してまとめるとスッキリと一つに束ねることができますが、黒いヘアピンを使用しても問題ありません。

ぎりぎり結べる髪の長さの方やパーマヘアの方は、耳の後ろ側をヘアピンで留めるとキレイにまとまりやすくなります。

ショートヘア・ミディアムヘアの場合

男性のショートヘアの髪型

男性で短髪な方は、そのままお葬式へ参列しても問題ありませんので、清潔感を重視して寝癖などのないようにきちんとブラッシングして整えます。

前髪が長い方はヘアワックスやジェルなどの整髪料を利用して、オールバックや七三分けにすると髪が乱れにくく、清潔感のある髪型に整えやすいためおすすめです。

ただし、葬儀では光るようなツヤがふさわしくないため、なるべくウェット感を抑えるようにして、髪を逆立てたり、毛先を遊ばせたりしないようにセットしましょう。

お葬式の女性の髪型の具体例

女性の髪型

お葬式の女性の髪型について、髪の長さ別に最適なヘアスタイルをご紹介しますので、ヘアアレンジにお困りの方はどうぞ参考になさってください。

ロングヘアやミディアムヘアの場合

 

女性の髪型_ロングヘア

ロングヘアや肩に髪が付くミディアムヘアの長さの女性は、シンプルに黒いヘアゴムで耳より下の位置で首の後ろで一つ結びや、お団子結びにまとめるのがマナーです。

お団子結びにする場合は毛先までしっかりとまとめますが、シニヨンカバーやネット付きのバレッタなどを使用すると、簡単にまとめられます。

なお、毛先を散らしたまとめ髪、夜会巻きやフィッシュボーンや編み込みなどの手の込んだヘアアレンジや、ハーフアップは華やかに見えるためお葬式向きではありません。

毛先を巻くような髪型にはせず、パーマヘアもそのままだと華美に見えてしまうため、お団子ヘアにしてできるたけ隠すようにしましょう。

ショートヘアやボブヘアの場合

女性のボブヘア・ショートヘアの髪型

髪が結べないショートヘアやボブヘアの女性は、清潔感があれば無理に一つ結びにしなくても、そのままお葬式へ参列して問題ありません

ただし、お焼香や合掌でお辞儀をした際に乱れやすい方は、髪を耳にかけてヘアピンで留めたり、前髪をピン留めして乱れにくいようにするのがおすすめです。

なお、毛先を外ハネなどにしてカジュアルな印象を与えるのはタブーのため、ヘアブローする際は、毛先までしっかりと内巻きに整えましょう。

お葬式の子どもの髪型の具体例

お葬式の子どもの髪型は、基本的に大人の髪型のマナーと同じように、清潔感や清楚感を重視して、葬儀中に乱れにくいように整えます。

男の子の場合

男の子の髪型

男の子はお葬式で邪魔にならないよう、前髪が目元にかかっている場合は短くカットして、耳が隠れている場合は髪を耳にかけて、軽くワックスやジェルなどでセットしてあげましょう。

本人が嫌がらないようなら、正装らしくセンター分けや七三分けなどにヘアアレンジしても問題ありませんが、お洒落感を出しすぎないように整髪料は控えめに使用してください。

女の子の場合

女の子の髪型

女の子の場合、ロングヘアなら大人の女性と同じように耳より下の位置で一つ結びにまとめますが、キャラクターなどの絵柄や華美な装飾の付いたヘアアクセサリーは避けましょう。

ショートヘアなど短い髪型でも、前髪や耳かけした髪をヘアピンで留めてあげると、葬儀の最中に髪が邪魔にならずに安心です。

お葬式・葬儀の服装は喪服が基本マナー

喪主の選び方

お葬式の服装は、急な葬儀で仕事帰りに参列する場合などを除いて喪服がマナーで、近年は喪主側も参列者側も準喪服と呼ばれる漆黒のブラックスーツを着用するのが一般的です。

種類 対象
正喪服 喪主や遺族など3親等以内の親族
準喪服 親族や一般参列者・喪主や遺族の着用も多い
略喪服 基本的に一般参列者のみ

正喪服

正喪服

正喪服とは、最も格式の高い喪服の種類のことをいい、洋装は男性ならモーニングスーツ、女性なら刺繍などが施された高品質なワンピースやアンサンブルのブラックフォーマルです。

和装の場合、男性なら紋付羽織袴、女性なら五つ紋付きの黒い無地の着物となり、一般的には洋装を着用することの方が多いです。

喪主や遺族が準喪服を着用するのは問題ありませんが、一般参列者が正喪服を着用するのは、遺族や親族に対して失礼にあたるため、気をつけましょう。

準服装

準喪服

準喪服は最もポピュラーな喪服で、男性なら光沢のない漆黒のブラックスーツ、女性なら漆黒で無地や地味な織り柄のワンピースやスーツ、アンサンブルなどのことをいいます。

かつては喪主や遺族は正喪服が通例でしたが、身内だけの家族葬をはじめ、近年は遺族も準喪服を着用することが多いため、新たに喪服を用意するなら準喪服を選ぶと重宝するでしょう。

男性は織柄のない白い無地のワイシャツと黒いネクタイ、黒い無地の靴下やベルトと靴、女性は夏場でも肘が隠れる五分袖・七分袖とし、黒いストッキングとパンプスを合わせます。

略喪服(平服)

略喪服

略喪服とは平服とも呼ばれ、仕事帰りなどにお通夜へ参列しなければならない一般参列者向けの服装のことをいい、基本的に黒・紺・グレーなどのダークスーツのことをいいます。

男性の場合は、目立ちにくいピンストライプスーツなどのビジネススーツでも構いませんが、白いワイシャツと黒や紺色系の地味なネクタイや靴下とし、赤みのある茶系は避けましょう。

女性は肌の露出を抑えることが基本のため、夏場でもノースリーブや透け感のあるシースルーの服装は避け、モノトーン系のカーディガンと黒いストッキングを着用してください。

子どもの服装

子どもの服装

子どもの場合、必ずしも喪服を用意する必要はなく、遺族側も参列側も子どもの成長に合わせて、幼稚園や学校の制服を着用するのがおすすめです。

制服がない場合は、白いワイシャツやブラウスと、黒・紺・グレーといったモノトーン系のカーディガンやパンツ・スカートでコーディネートしますが、小さな子どもならポロシャツでも構いません。

お葬式・葬儀の身だしなみのマナー

葬儀の身だしなみ

お葬式では髪型や服装以外にも身だしなみで注意するべきマナーがあるため、ポイントを押さえて解説します。

メイク

片化粧・薄化粧

お葬式にあたって、女性は片化粧と呼ばれる薄化粧をするのがマナーで、マット感のある薄付きのファンデーションがおすすめで、チークやハイライトは使用しません。

パールやラメの入った化粧品は使用せず、口紅は利用しないのが基本ですが、顔色が悪く見えてしまう場合は、ピンクベージュなどのベージュ系など落ち着いた色合いを選びましょう。

アイメイクはしないのが基本ですが、どうしても必要な方は涙に強いウォータープルーフタイプのアイラインやマスカラを控えめに使用し、アイシャドウはベージュやブラウン系のみとします。

髭剃り

男性は、きちんと髭を剃っておくのが基本マナーです。

髭を伸ばしていて剃りたくない方の場合は、清潔感を感じられるように整えてください。

アクセサリー

真珠のアクセサリー

お葬式で使用するアクセサリーは基本的に結婚指輪のみとし、女性は涙の象徴として哀悼の意味を表す一連パール(真珠)のネックレスやピアス・イヤリングを装着すると良いでしょう。

男性はネクタイピンやカフスを使用せず、金色などの華美ではないシンプルな時計なら、装着していても問題ありません。

お葬式・葬儀の髪型でよくある質問

よくある質問

お葬式の髪型でよくある質問についてご紹介しますので、気になる項目があればチェックしておきましょう。

家族葬なら髪型は気にしなくてもいい?

家族や親族だけなどの少人数の家族葬であっても、葬儀場や火葬場にはほかの葬儀の遺族や利用者もいるため、お葬式での髪型のマナーは家族葬も一般葬と同じです。

身だしなみにおいても喪主や遺族・親族は喪服を着用し、略喪服の平服の着用は一般参列者のみとすることが一般的となっています。

髪型や髪色でのトラブルはどんなことがあるの?

髪型や髪色によるトラブルとしては、次のような事例が挙げられます。

  • 家族や親族から責められたり非難されたりする
  • ほかの参列者から非常識と思われる
  • 遺族や親族やほかの参列者が不快に感じる
  • 故人や遺族の評判を落としてしまう

自分がどう思われても関係ないと思っていても、故人や遺族を傷つけてしまう可能性をよく理解することが大切です。

四十九日法要の髪型はどうしたらいい?

葬儀後の法事・法要は、四十九日法要・一周忌・三回忌と続き、一般的に三回忌までは遺族・親族は喪服を着用し、髪型も葬儀と同じマナーとなります。

なお、遺族は忌明けを迎える四十九日まで慎ましく過ごすのが古くからの風習でもあるため、茶髪やヘアカラーをしている方は、少なくとも四十九日までは黒髪で過と良いでしょう。

まとめ:お葬式の髪型は男性や女性も子どもも清潔感と清楚感を大切にして周囲のことまで気遣うのがマナー

お葬式の髪型のポイント

お葬式に最適な髪型について、マナーのポイントや注意点を解説のうえ、男性や女性や子ども別の具体例と、葬儀での服装や身だしなみをご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。

  • お葬式の髪型におけるマナーのポイントは、清潔感と清楚感を重視してお洒落をせずシンプルなヘアスタイルにすることと、葬儀中に乱れにくく、遺族やほかの参列者へ不快感を与えないことにある。
  • お葬式の髪型には5つの注意点があり、①髪色は黒髪や自然のままの色 ②お焼香や合掌のお辞儀で髪が乱れないようにする ③長い髪は耳より下の低い位置で一つ結びにする ④ヘアアクセサリーは黒い無地のシンプルなものを使用 ⑤整髪料は無香料を利用してツヤが出ないようにする。
  • お葬式では、男女の性別や大人や子どもを問わず、肩に付くぐらいのロングヘアは耳より下の位置で一つ結びにし、乱れやすい髪型はヘアアクセサリーや整髪料を利用する。

北のお葬式では、24時間365日、北海道全域の葬儀に関するご相談やご案内をしており、喪主様やご遺族様はもちろん、参列者の皆さまをサポートさせていただいております。

分からないことや気になることはその場ですぐに問題解決することで安心できるため、お葬式の髪型に関するご質問や不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

facebook

twitter

line

ページトップへ戻る