お葬式で持参するバッグやカバンには注意点があり、色や大きさや材質などのマナーに気をつけなければなりません。
お葬式でバッグが必要かどうかや、適切なバッグの選び方は、男性・女性・子供といった立場によって異なります。
そこで本記事では、お葬式のバッグについて、知っておくべきマナーや注意点を分かりやすく解説します。
新たにバッグを購入する際のおすすめポイントや、バッグに関してよくある質問までご紹介しますので、ぜひ最後までご覧になり、参考になさってください。
目次
お葬式のバッグにおける3つの基本マナー
お葬式のバッグでは、故人との最後のお別れの儀式にふさわしいよう、守らなければならない3つの基本マナーがあります。
- お葬式のバッグはマナーを守り周囲に迷惑をかけない
- 葬儀に不適切なカバンやバッグはロッカーや受付のクロークに預ける
- お葬式で持ち物が多い場合はサブバッグを用意する
お葬式のバッグはマナーを守り周囲に迷惑をかけない
お葬式は、故人の死を悼み、最後のお別れをする大切な儀式であるため、服装や身だしなみをはじめ、バッグや持ち物についてもマナーがあります。
マナー違反をすると、自分が恥ずかしい思いをするだけでなく、遺族やほかの参列者に不快な思いをさせてしまう恐れがあるので、気をつけましょう。
葬儀に不適切なカバンやバッグはロッカーや受付のクロークに預ける
お葬式に不適切なカバンやバッグは、あらかじめコインロッカーに預けて持ち込まないことを前提とし、やむを得ず斎場へ持参する際は、受付で相談してクロークに預けましょう。
葬儀では大きなカバンが邪魔になる場合があるだけでなく、マナーに反するバッグや荷物を持ち込むことで、周囲に迷惑をかける可能性もあるため、ご注意ください。
お葬式で持ち物が多い場合はサブバッグを用意する
子連れの方や季節用品を持参する場合など、お葬式で手荷物が多くなってしまう場合は、黒や紺色などのダークカラーのサブバッグを用意しておくと、安心できて便利です。
暑さ対策グッズや防寒用品など、葬儀中に使用しない物やお葬式で必要かどうか迷う物でも、サブバッグに収納することでマナー違反を防ぎやすくなります。
お葬式のバッグは男性・女性・子供によって必要性が異なる
お葬式のバッグは、男性・女性・子供といった立場によって、次のように必要性が異なるため、ポイントを押さえて詳しく解説します。
- 男性はお葬式でバッグがいらない
- 女性はお葬式でバッグが必要
- 子供は基本的にお葬式でバッグが不要
男性はお葬式でバッグがいらない
男性は、次のような3つの理由から、お葬式にバッグを携帯する必要がなく、一般的に手ぶらで葬儀へ参列する方が多い傾向にあります。
- 男性の喪服はポケットが大きく収納力があるためバッグは不要
- 男性は慣れないバッグをお葬式に持ち歩くと紛失しやすい
- 男性は手ぶらの方がお葬式で動きやすい
男性の喪服はポケットが大きく収納力があるためお葬式でバッグは不要
男性の喪服は、大きな内ポケットが付いていることが一般的で、ジャケットやパンツにもポケットが多いため、基本的にお葬式に参列する際はバッグが不要です。
急なお通夜でビジネススーツやジャケットを着用する際も、香典袋を入れた袱紗(ふくさ)を内ポケットに収納できれば、手ぶらで参列しても問題ありません。
男性は慣れないバッグをお葬式に持ち歩くと紛失しやすい
男性は、お葬式のために用意した慣れないバッグを持ち歩くと紛失しやすいため、不安な方は手ぶらでの参列がおすすめです。
特にお葬式で飲酒される方は注意が必要です。通夜振る舞いや精進落としの会食、さらには電車・バス・タクシーなどでの帰り道まで、十分に考慮して判断しましょう。
男性は手ぶらの方がお葬式で動きやすい
男性は、お葬式で力が必要な儀式をサポートしなければならない場面があるため、バッグを持たずに手ぶらの方が動きやすいでしょう。
お葬式によっては、受付係や誘導係などの手伝いを依頼されるケースや、遺族や親族などの近親者では、男性ほど棺や遺骨などを運ぶ役割が多くあります。
女性はお葬式でバッグが必要
女性は、お葬式のバッグを持参することがマナーとされています。その理由は次の3つです。
- 女性の喪服はポケットが小さくて少ないためバッグが必要
- 女性はお葬式の持ち物が多くなりやすいためバッグが必要
- フォーマルバッグは女性のお葬式に最適
女性の喪服はポケットが小さくて少ないためバッグが必要
女性の喪服は、ポケットが小さく数も少ないことが多いので、必要品を持ち歩くためにバッグを持参します。
アンサンブルスーツなどのジャケットには、男性の喪服のように内ポケットが付いておらず、ポケットは機能性のない装飾として付いていることもあるため注意しましょう。
女性はお葬式の持ち物が多くなりやすいためバッグが必要
女性は男性と比較すると、メイク用品などお葬式の持ち物が多くなりやすく、斎場やホテルへの宿泊では、葬儀用のバッグと異なるバッグの用意も必要です。
お葬式に必要な持ち物の詳細については後ほど解説しますので、必要品やバッグのサイズをチェックするためにぜひご参照ください。
フォーマルバッグは女性のお葬式に最適
小さめのフォーマルバッグは、女性のお葬式に適しており、仕切りやポケット付きなら、必要な物がすぐに取り出せて便利です。
お葬式向けの漆黒のブラックフォーマルバッグ以外にも、結婚式などでも活用できるフォーマルバッグがあるため、新調する方は兼用タイプを検討するのもよいでしょう。
子供は基本的にお葬式でバッグが不要
子供は、次のような2つの理由から、基本的にバッグが必要ありません。
- お葬式の持ち物を親が持てば子供はバッグがいらない
- 子供は学生服などポケットのある服装で葬儀へ参列できる
お葬式の持ち物を親が持てば子供はバッグがいらない
親と一緒にお葬式に参列する場合、持ち物は親のバッグに入れることができるため、子供が自分のバッグを用意する必要はありません。
ただし、葬儀中の持ち物のやりとりや会話はマナー違反になるため、ハンカチなどの必要品はあらかじめポケットへ準備しておきましょう。
子供は学生服などポケットのある服装で葬儀へ参列できる
子供は、喪服の代わりにポケットのある学生服を着用するのが一般的なため、多くの場合、バッグを持たずに手ぶらでお葬式に参列します。
制服がない場合は、モノトーン系のポケットのあるパンツ・スカート・カーディガンなどをコーディネートするとよいでしょう。
お葬式のバッグの種類
対象 | バッグの種類 | 手ぶら |
男性 | セカンドバッグ
クラッチバッグ |
〇 |
女性 | セレモニーバッグ | ✕ |
子供 | 学校指定のバッグ
黒いポシェット |
〇 |
お葬式に持参するバッグは、男性・女性・子供によって、種類に違いがあります。
男性のお葬式のバッグ
男性は、手ぶらでのお葬式への参列が多い一方で、バッグを持参する際は、小型のセカンドバッグやクラッチバッグを選ぶのが一般的です。
急な訃報で仕事帰りにお通夜へ参列する際は、黒や紺色の目立ちにくいビジネスバッグを携帯しても構いません。
ただし、ビジネスバッグは略喪服と同じように、正式な喪服姿にはふさわしくないことを知っておきましょう。
女性のお葬式のバッグ
女性は、お葬式ではフォーマルバッグを使用するのが基本的なマナーです。葬儀用のバッグは黒みの深い漆黒の色合いが大きな特徴です。
黒い手提げやショルダーバッグなど、手持ちのバッグを使用する際は、見た目や材質に気をつけなければならない注意事項があります。
詳しくは後ほど注意点をご紹介しますので、ご確認のうえマナー違反とならないようご注意ください。
子供のお葬式のバッグ
子供のお葬式への参列は手ぶらが一般的ですが、学校帰りの参列などで手荷物がある場合は、学校指定のバッグやサブバッグを持参しても問題ありません。
ワンピースなど、女の子の私服ではポケットがない場合もあるため、その際は黒い小さなポシェットを用意するとよいでしょう。
お葬式のバッグで気をつけるべき7つの注意点
お葬式のバッグでは、マナー違反にならないよう、気をつけなければならない7つの注意点があります。
- お葬式のバッグの色は黒に限る
- 葬儀で邪魔にならず必要な持ち物が収納できる大きさ
- お葬式でカジュアルな印象を与えない形状
- バッグの生地は光沢がない無地
- 動物の殺生を連想させない材質
- 金具や装飾がないバッグ
- 口がしっかりと閉まり中身が見えないバッグ
①お葬式のバッグの色は黒に限る
お葬式に持参するバッグの色は、基本的に黒に限られており、紺やグレーは濃い色であってもNGです。
喪服に最も適しているのは濃い黒のバッグです。紺やグレーのバッグは、ビジネススーツなどで急なお通夜に参列する場合の略式スタイルと同じ扱いになるため、ご注意ください。
②葬儀で邪魔にならず必要な持ち物が収納できる大きさ
お葬式のバッグは、席に着いたときやお焼香する際に邪魔にならない周囲への配慮も大事ですが、必要品がしっかりと収納できることも大切なポイントです。
お葬式で必要な持ち物
お葬式で必要な持ち物についてご紹介しますので、バッグの大きさやポケットのチェックにお役立てください。
- 数珠
- 香典
- ハンカチ
- ティッシュ
- 携帯電話
- 財布
お葬式であると便利な持ち物
お葬式では、次のような持ち物もあると便利なため、収納にはサブバッグを用意するのがおすすめです。
- 折りたたみ傘・日傘
- 季節用品
- マスク
- メイク用品
- 予備のストッキング
③お葬式でカジュアルな印象を与えない形状
お葬式のバッグは、リュックサックや斜め掛けバッグなどを避け、カジュアルな印象を与えない形状であることが大切です。
黒いシンプルなバッグでも、キャンバス地などのトートバッグはカジュアルな見た目でお葬式にはふさわしくないため、避けた方がよいでしょう。
④バッグの生地は光沢がない無地
お葬式のバッグの生地は、光沢がない無地であることも大切なマナーです。
エナメルやビニールなどの艶のある素材は避け、目立つロゴなどのない無地のバッグを選びましょう。また、総柄や織り柄の生地もお葬式に不向きです。
特にブランド品のバッグは、他の参列者から「華美な装い」と見られる可能性があるためご注意ください。
⑤動物の殺生を連想させない材質
お葬式では、動物の殺生を連想させる被毛や皮革の素材がタブーとされているため、毛皮やスウェードなど、明らかに本革と判断できるバッグは避けましょう。
また、材質が合成皮革であっても、クロコダイルや牛革風などの型押しの柄は、動物の死を連想させるため、お葬式のバッグにはふさわしくありません。
⑥金具や装飾がないバッグ
お葬式のバッグは、光る金具や目立つ装飾が付いていないことも押さえるべき大切なマナーです。
バッグタグやバッグチャームが付いている場合は、あらかじめ外しておき、シンプルな見た目にしておきましょう。
⑦口がしっかりと閉まり中身が見えないバッグ
お葬式では、口がしっかりと閉まり、中身の持ち物が見えないことも、バッグ選びにおける大切なマナーです。
小さな子供との参列でマザーズバッグを使用するケースもあると思いますが、口が閉まらないバッグは、黒いハンカチやタオルを上に乗せて、中身が見えないように工夫しましょう。
お葬式のバッグ選びにおけるおすすめポイント
お葬式のバッグを新たに購入する場合は、機能性などの5つのおすすめポイントがあるため、ぜひ参考になさってください。
- 軽量で持ち歩きがしやすい
- 2wayタイプで持ち歩きが便利で安全
- マチやポケットがあり必要なものがすぐに取り出せる
- 自立型で受付・お焼香・食事の席などでも置き場所に困らない
- 雨や積雪の日でも問題なく撥水性がある
軽量で持ち歩きがしやすい
お葬式では、斎場や火葬場などへの移動や待機時間を含めて、長時間、バッグを持たなくてはならないケースがあるため、軽量タイプのバッグがおすすめです。
本革バッグはコンパクトでも重量感があるため、不安な方は持ち歩きのしやすいコットンやナイロン素材の軽量なバッグを選ぶとよいでしょう。
2wayタイプで持ち歩きが便利で安全
お葬式では、受付でお香典を渡したり、芳名帳に記帳したりする際も扱いやすい2wayタイプのバッグが便利です。公共交通機関での移動時にも安全に使えます。
女性なら、ショルダー兼用の手提げとして活用できる持ち手が長めのフォーマルバッグ、男性なら、手首を通せるストラップ付きのクラッチバッグやセカンドバッグがおすすめです。
マチやポケットがあり必要なものがすぐに取り出せる
お葬式では、必要な持ち物をスムーズに取り出せるよう、マチや仕切り、ポケットなどがあるバッグがおすすめです。
お布施やお香典が取り出しやすい開閉口であることや、中身が見やすいことにも注意して、最適なバッグを選びましょう。
自立型で受付・お焼香・食事の席などでも置き場所に困らない
お葬式では、受付やお焼香、通夜振る舞い・精進落としの会食など、バッグを専用台や背もたれとの間へ置かなければならない場合があります。
バッグにはさまざまな種類がありますが、自立型のタイプのバッグなら、どのようなシーンでも置き場所に困ることなく、便利で役立つでしょう。
雨や積雪の日でも問題なく撥水性がある
天候によっては、バッグや中身の持ち物が濡れてしまう可能性がありますが、撥水性のある素材のバッグなら、雨や積雪の日でも安心して持ち歩けます。
天候によってはタオルなども持参する必要があるため、特にサブバッグを購入する場合は撥水性のある生地に注目しておくとよいでしょう。
お葬式のバッグに関してよくある質問
お葬式のバッグに関して、よくある質問をご紹介しますので、気になる項目があれば、疑問やお悩みの解消にお役立てください。
通勤用・通学用の黒いバッグは、お葬式に持参してもよい?
小さめでシンプルな黒いバッグで、光沢や金具のないマットな質感なら、通勤や通学などの日常で使用しているバッグをお葬式へ持参しても問題ありません。
ただし、持ち手とショルダーストラップが別々になっている2way・3wayのバッグなどは適さないため、ストラップは外して手提げバッグとして持参しましょう。
明らかにNGのバッグは斎場へ持ち込まず、良いかどうか迷うバッグは、持参する参列者の性別や年齢に関わらず、クロークに預けた方が無難です。
お葬式では女性は必ずバッグが必要?
お葬式で女性はフォーマルバッグを持つのがマナーですが、高齢者や手足が不自由な方は、手ぶらで参列しても問題ないため、無理をしてバッグを携帯しないようにしましょう。
持ち歩きが容易で、葬儀へ参列しやすいポシェットや巾着などを利用しても構わないため、安全性を最優先にしてください。
お葬式で宿泊する場合のバッグの色は黒でなければダメ?
葬儀で使用しなくても、宿泊のためにお葬式で斎場へ持ち込む場合のバッグは、遺族やほかの利用者のために、黒・紺・グレーなどの落ち着いた色合いが無難といえるでしょう。
斎場への宿泊では、着替えなどの持ち物が必要なため、ボストンバッグやスーツケース等、大型のバッグが必要となります。
手持ちのバッグでも構いませんが、できるだけ目立ちにくい色合いのバッグを用意しましょう。
まとめ:お葬式のバッグの選び方には7つの注意点とおすすめポイントがある!
お葬式のバッグについて、男性・女性・子供ごとの選び方と、マナーや注意点などについて解説しましたが、まとめると次のとおりです。
- お葬式のバッグはマナーを守り、周囲に迷惑をかけないようにし、不適切なカバンやバッグはロッカーや受付でクロークへ預け、持ち物が多い場合はサブバッグを用意する。
- お葬式のバッグは性別や大人・子供で必要性が異なり、男性と子供は基本的に不要だが、女性は必要でフォーマルバッグを持つのがマナー。
- お葬式のバッグでは、次の7つの注意点がある。①色は黒に限る ②葬儀で邪魔にならず必要な持ち物が収納できる大きさ ③カジュアルな印象を与えない形状 ④生地は光沢がない無地 ⑤動物の殺生を連想させない材質 ⑥金具や装飾がない ⑦口がしっかりと閉まり中身が見えない
お葬式は、故人と最後のお別れをする大切な儀式のため、身だしなみからバッグなどの持ち物まで、マナー違反しないよう、正しい知識を備えておくことが重要です。
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