1-2.葬儀の種類・流れ

2025.07.28

一日葬とは?家族葬との違いや7つの注意点!流れやメリットと費用を解説

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近年よく聞く『一日葬』とは、どのような意味や特徴があり、どういった葬儀の流れなのか、遺族や参列者にとってのメリットなど、詳しく知りたい方もいらっしゃるでしょう。

一般的にお葬式は2日間の日程で行われますが、ズバリ一日葬とは1日で執り行う葬儀形式のことをいい、シンプルなお別れのスタイルを好む方に選ばれています。

しかし、一日葬は気をつけなければならない注意点もあり、失敗や後悔をしないためには、トラブル対策と家族葬などの一般的な葬儀との違いをよく把握しておくことが大切です。

そこで本記事では、一日葬について、正しい知識や役立つ情報をまとめて解説のうえ、一日葬でよくある質問までご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

一日葬とは?

一日葬とは

一日葬の意味や特徴と、葬儀全体で行われている一日葬の割合などの最新の動向について、知っておきたい基礎知識を解説します。

一日葬の意味や特徴とは?

一日葬とは、お通夜を省略して、その名のとおり1日で葬儀・告別式や火葬を執り行う葬儀形式のことをいいます。

2000年頃に誕生したとされる一日葬は、2025年現在、全国へと浸透して定着しました。少人数で行われることが多い一日葬という形式は、現代の高齢化社会やライフスタイルに適しているといえるでしょう。

一般的にお葬式は2日間の日程で行われ、2日目の葬儀・告別式の前日に故人を偲び追悼するためのお通夜を行いますが、一日葬ではお通夜を行わないことが大きな特徴です。

おおよそ30名以下を目安とした少人数のお葬式であることも一日葬の特徴ですが、斎場によっては不特定多数の会葬者を招く大勢の一日葬も可能なため、葬儀社へ相談してください。

一日葬の最新の動向とは?【2025年】

  • 1位:家族葬(50.0%)…30名以下が目安の葬儀
  • 2位:一般葬(30.1%)…会葬者を無制限に招く葬儀
  • 3位:一日葬(10.2%)…お通夜を省略した家族葬
  • 4位:直葬・火葬式(9.6%)…葬儀を省略して火葬のみ
    出典:【第6回】お葬式に関する全国調査(いい葬儀)

2025年に実施された葬儀形式の割合に関する調査結果によると、最も多いのが少人数で葬儀を行う家族葬で、半数の50%を占め、一日葬は直葬・火葬式とほぼ同率の約10%の占率です。

直葬・火葬式とは、お通夜や葬儀・告別式といった儀式を省略して、ごく数名で火葬のみを行う葬儀形式のことをいいます。

葬儀形式 2015年 2020年 2025年
一般葬 58.9% 48.9% 30.1%
家族葬 31.3% 40.9% 50.0%
一日葬 3.9% 5.2% 10.2%
直葬・火葬式 5.9% 4.9% 9.6%

過去10年間の葬儀形式の推移は上記のとおりで、不特定多数の参列者を招く昔ながらの一般葬が減少し、家族葬をはじめ、一日葬や直葬・火葬式が増加している傾向にあります。

つまり、葬儀は参列者の人数規模が縮小傾向にあり、家族と親族のみなど、少人数でお別れをするのが一般的なスタイルになりつつあるといえるでしょう。

一日葬の3つのメリットとは?

メリット

一日葬には、遺族や親族にとって、次の3つのメリットがあります。

  • 葬儀費用を削減できる
  • 故人とゆっくり過ごせて葬儀にかかる時間を短縮できる
  • 葬儀での体力や精神的な負担を軽減できる

葬儀費用を削減できる

一日葬はお通夜を行わないため、葬儀費用を削減することができ、斎場の使用料や葬儀スタッフの人件費をはじめ、家族や親族の宿泊費用や飲食代なども削減することが可能です。

具体的な一日葬の葬儀費用については、一日葬と家族葬を比較して後述しますので、どうぞご参照ください。

故人とゆっくり過ごせて葬儀にかかる時間を短縮できる

一日葬はお通夜をしないため、遺族は故人との最後の時間をゆっくり過ごすことができるうえ、葬儀にかかる時間を短縮できます

一日葬では葬儀・告別式・火葬のほか、繰り上げ法要を営むご家庭も多くありますが、すべて1日で完結できるため、僧侶や家族・親族が日程を調整しやすいこともメリットです。

葬儀での体力や精神的な負担を軽減できる

一日葬は、お通夜の儀式や通夜振る舞いを省略するため、喪主や遺族にとって体力や精神的な負担を軽減できます

遺族は悲しみの中、参列者の接客応対など気遣いが必要な場面が多くあり、葬儀後に疲弊してしまう方も少なくありませんが、その点一日葬は、心身の負担を抑えやすいといえるでしょう。

一日葬と家族葬との違いとは?

一日葬と家族葬の比較

葬儀形式 一日葬 家族葬
参列人数 30名以内ぐらいが目安
日数 1日 2日間
お通夜 なし あり
葬儀費用 50万円程度 50〜100円程度
お布施 10〜30万円程度 20〜50万円程度

一日葬と家族葬の具体的な違いは2つあり、お通夜の有無による日数と、葬儀費用の価格です。

一日葬は1日だが家族葬の日数は2日間

一日葬と家族葬について、最も分かりやすい大きな違いはお葬式にかかる日数です。一日葬は1日なのに対して、家族葬は2日間となります。

一日葬は、遺族がお通夜の後に斎場へ宿泊する必要がなく、遠方にお住まいの親戚などの参列者も、宿泊費を抑えられる傾向にあります。

一日葬の葬儀費用は家族葬より5万円以上安い

地域や葬儀社によっても異なりますが、一日葬と家族葬の葬儀費用は5万円以上の差があるのが一般的で、10万円以上の差額が生じるケースも少なくありません。

というのも、一般的な家族葬の相場は50〜100万円といわれているのに対して、一日葬の葬儀費用はおおよそ50万円前後が相場となっているからです。

なお、お坊さんに読経してもらう場合は、葬儀費用のほかにお布施が必要となり、一日葬のお布施の相場は10〜30万円程度で、家族葬よりも10〜20万円安価な傾向があります。

一日葬の流れとは?

一日葬の祭壇

ご逝去から一日葬による葬儀の流れについて、ポイントを押さえて10のステップを解説します。

  1. 葬儀社への連絡
  2. ご遺体の搬送と安置
  3. 葬儀社との打合せ
  4. 訃報連絡
  5. 葬儀の準備
  6. 納棺
  7. 葬儀・告別式
  8. 出棺・火葬・骨上げ
  9. 還骨法要・繰り上げ法要
  10. 精進落とし

①葬儀社への連絡

病院や警察で死亡が確認されると、火葬手続きで必要な死亡診断書(死体検案書)が発行されるため、紛失に注意して、速やかに葬儀社へ連絡をしてご遺体を搬出します。

②ご遺体の搬送と安置

ご遺体はご自宅や斎場の安置施設へ搬送のうえ安置します。故人の傍へ枕飾りを用意して仏具や仏花や供物などを配置し、葬儀の当日まで供養するのが一般的です。

③葬儀社との打合せ

最初に喪主を決定し、葬儀社と一日葬の内容について打ち合わせます。日程や斎場、参列者の人数、料理や返礼品などの詳細を決定し、予算や不明点の確認などを行います。

④訃報連絡

葬儀の日程が決定したら訃報連絡を行います。人数を把握する際は親族などに参列の意向を確認します。参列をお断りする相手がいる場合や、香典辞退をする場合は、しっかりと意向を伝えましょう。

⑤葬儀の準備

葬儀にあたっては故人の遺影写真をはじめ、喪服などの身だしなみや、お布施やお香典、数珠などの持ち物を準備し、火葬時に棺へ納めたい副葬品があれば葬儀社へ相談して用意します。

⑥納棺・式場での用意

葬儀の当日は、故人を棺へ納棺して式場へと運びます。喪主は遺族や親族と相談しながら、祭壇や供花の並び順、席次などを決めて、僧侶や参列者を迎えて挨拶します。

⑦葬儀・告別式

一般的に、一日葬の葬儀・告別式は午前中に開始します。葬儀で読経による供養やお焼香をした後、告別式によって故人との最後のお別れを行う流れとなります。

⑧出棺・火葬・骨上げ

葬儀・告別式が終わると、火葬場に向けて出棺となります。火葬後は2人1組でご遺骨の骨上げを行いますが、地域や遺族の希望によっては葬儀・告別式の前に火葬をする場合もあります。

⑨還骨法要・繰り上げ法要

一日葬を含めた仏式の葬儀では、当日に初七日法要を執り行うケースが多く、葬儀の延長の繰り込み法要や火葬後の繰り上げ法要を行うことが一般的です。

⑩精進落とし

最後に精進落としによる会食を行い、故人との思い出を語り合ったり、遺族を励ましたりして一日葬はお開きとなり、終了時間はおおよそ14〜15時頃が目安となります。地域の風習などにより、精進落としを行わない場合もあります。

一日葬の7つの注意点

注意ポイント

一日葬では気をつけるべき7つの注意点があるため、あらかじめ把握してトラブルや後悔のないように対処しましょう。

  • 一日葬は親族や菩提寺に反対されないよう事前に許可を得る
  • 一日葬の日程は死後24時間を経過しなければならない
  • 一日葬は参列者の人数制限を事前に葬儀社へ確認する
  • 一日葬はお通夜がないため物足りなさを感じる場合がある
  • 一日葬は当日に都合が悪い方が葬儀へ参列できない
  • 一日葬は香典辞退などの意向を含めて訃報連絡で事前に周知する
  • 一日葬の費用は事前に見積を取得して品目や内容と追加料金の条件を確認する

一日葬は親族や菩提寺に反対されないよう事前に許可を得る

一日葬はお通夜を省く略式的な形態です。親族やお付き合いのある菩提寺に反対される可能性があるため、事前に周囲の許可を得ましょう

とくに故人の血縁者にあたる親族へは配慮が必要で、許可を得られない場合、家族葬にすると承諾を得やすい傾向にあります。

一日葬の日程は死後24時間を経過しなければならない

葬儀では気をつけるべき『墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)』と呼ばれる法律があり、死亡または死産後24時間以内の火葬が禁止されています。
出典:墓地、埋葬等に関する法律(厚生労働省)

お通夜をしない一日葬の場合、逝去から火葬までの時間を短縮することも可能ですが、上記の法律に従って、死後24時間以上が経過してから火葬となるよう、日程に注意して調整してください。

一日葬は参列者の人数制限を事前に葬儀社へ確認する

一日葬は斎場や葬儀プランによって参列者の人数制限がある場合が多いため、事前に葬儀社へ確認しましょう。

一般葬のように無制限に会葬者を招くスタイルの場合でも、少人数になる見込みであれば、人数をあらかじめ決定しておいた方が葬儀費用を削減できる可能性が高くなります。

一日葬はお通夜がないため物足りなさを感じる場合がある

一日葬はお通夜がないため、遺族や親族にとって寂しさや物足りなさを感じる場合があるためご注意ください。

正式なお通夜を行わない場合、対面できる安置施設が完備された斎場の利用や、通夜振る舞いの代わりに身内だけで食事をする工夫によって、参列者の不満が解消されやすくなります。

一日葬は当日に都合が悪い方が葬儀へ参列できない

2日間のお葬式では、お通夜と葬儀・告別式のいずれかに参列できますが、一日葬は故人へのお別れやご遺族へお悔やみを伝えたい方が参列できない可能性があるためご注意ください。

日程を決める際は、葬儀社へ火葬場や斎場の空き状況を確認し、菩提寺や遺族や故人の血縁者にあたる親族などへ確認をしますが、友引の日を避けるなど、周囲の意向も調整しましょう。

一日葬は香典辞退などの意向を含めて訃報連絡で事前に周知する

一日葬の訃報連絡では、参列者自身が自分は参列できるのか、日程はいつなのかを把握できるように葬儀案内をする必要があり、香典や弔電を辞退する際はその意向も併せて伝えます

具体的な挨拶文の例文を以下へご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。

一日葬で参列や香典を辞退する場合の葬儀案内文の例文

〇〇の妻(夫・息子・娘) △△と申します
突然のご連絡を失礼いたします

かねてより療養していた夫(妻・息子・娘)が□月□日に亡くなりました

故人が生前に賜りましたご厚誼に心より感謝申し上げます

葬儀につきましては故人の遺志により近親者のみで執り行います

弔問 香典 弔電 供花につきましてはご辞退申し上げます

一日葬の費用は事前に見積を取得して品目や内容と追加料金の条件を確認する

一日葬の料金プランは葬儀社によって内容が異なるため、事前に見積を取得して品目や詳細を確認し、追加費用が発生する際の条件まで確認しておくと安心です。

僧侶へ支払うお布施の金額についてもあらかじめお寺に確認して、戒名が必要な場合はランクと金額について相談しておきましょう。

一日葬でよくある質問とは?

よくある質問

一日葬についてよくある質問をご紹介しますので、気になる不明点やお悩みの解消にどうぞお役立てください。

一日葬の香典金額の相場とは?

一日葬のお香典は地域によっても異なりますが、故人との関係に応じて包む金額に差があります。一般的な相場は次のとおりです。

  • 両親:3万円~10万円
  • 祖父母:1万円~3万円
  • 兄弟姉妹:3万円~5万円
  • 親戚:1万円~3万円
  • 一般参列者:3,000円~1万円

表書きは、一般的な葬儀と同じように、宗派が浄土真宗の場合「御仏前」、それ以外の場合や宗派が不明なら「御霊前」とするのが無難です。

一日葬の服装とは?

一日葬の服装は、一般葬や家族葬でいう2日目の葬儀・告別式と同じように、遺族や親族をはじめ、参列者も喪服を着用するのが一般的です。

たとえ身内だけの場合でも、ほかの葬儀の参列者も利用する葬儀場や火葬場では、マナー違反にならないよう服装や身だしなみに気をつけましょう。

一日葬以外で1日でできる葬儀とは?

お通夜を省略して1日でできるお葬式には、一日葬以外に直葬や火葬式という選択肢がありますが、これらは火葬のみを目的とするため、基本的に宗教儀礼やセレモニーをしないことに気をつけましょう

ご遺体の安置場所や火葬場で僧侶に読経供養してもらうことも可能ですが、直葬や火葬式は家族だけなど、ごく数名によるお別れで大人数の会葬者を招けないことにも注意が必要です。

まとめ:一日葬とは7つの注意点があるため、家族葬と迷ったら「北のお葬式」の無料相談へ!

サービス案内

一日葬とはどのようなものなのか、意味やメリット、流れや費用をご紹介しました。家族葬との違いと気をつけるべき注意点やよくある質問まで解説しましたが、まとめると次のとおりです。

  • 一日葬とは、2000年頃に誕生した1日で葬儀・告別式・火葬をする葬儀形式のことをいい、2025年現在は葬儀全体の約半数が家族葬なのに対して、一日葬は約1割を占めている。
  • 一日葬はお通夜をしないため、葬儀にかかる時間と費用や心身の負担を軽減するメリットがある。家族葬との違いは日数が1日で済み、5万円以上の葬儀費用を抑えられることにある。
  • 一日葬の基本的な流れは、①葬儀社への連絡 ②ご遺体の搬送と安置 ③葬儀社との打合せ ④訃報連絡 ⑤葬儀の準備 ⑥納棺 ⑦葬儀・告別式 ⑧出棺・火葬・骨上げ ⑨初七日法要 ⑩精進落としの10ステップとなっている。
  • 一日葬には次の7つの注意点がある。①事前に親族や菩提寺の許可を得る ②火葬は死後24時間を経過しなければならない ③参列者の人数制限は事前に葬儀社へ確認する ④物足りなさを感じる場合がある ⑤当日に都合が悪い方が参列できない ⑥香典辞退などの意向を含めて訃報連絡で事前に周知する ⑦葬儀費用は事前に見積に取得して品目や内容と追加料金の条件を確認する

一日葬はシンプルなお別れを希望する遺族に最適ですが、気をつけなくてはならない注意点も多いため、後々まで後悔をしないように家族や親族とよく相談して検討しましょう。

北のお葬式では北海道一円のお葬式を承っており、一日葬や家族葬、直葬・火葬式はもちろん、ご自宅での葬儀や大人数の一般葬やお別れ会などにも対応しております。

見積やご相談はもちろん無料。生前の終活から葬儀後のご供養や僧侶の紹介まで、広くご相談を承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合せください。

この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

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