家族葬を行うご家庭が増加していますが、「どうして?どんなメリットがあるの?」と、家族葬が人気の理由について、気になる方もいらっしゃるでしょう。
葬儀は地域によって特色があり、北海道にも古くからの風習が根付いている一方で、家族葬が注目されるようになったのには理由があります。
しかしながら、人気だからといって、家族葬がすべての方々におすすめかというと、決してそのようなことはありません。
さらに、家族葬が人気を集める裏側には、気をつけるべき3つの落とし穴が隠れているのをご存知でしょうか?
お葬式は人生で一度きり。もし失敗をすると取り返しがつかず、永遠に後悔し続ける可能性があるため、安易に「家族葬が一番良い」と思い込むのは避けましょう。
そこで本記事では、北海道で家族葬が人気の理由と、知っておきたい家族葬の落とし穴から対策方法まで、詳しく解説いたします。
興味や関心がある方のため、家族葬についてよくある質問も併せてご紹介しますので、より良い葬儀のために、どうぞ参考になさってください。
目次
北海道における葬儀形式の内訳調査の結果
北海道では実際にどのような葬儀が行われているか、2023年に行った葬儀の実態調査の結果について、次の3つのポイントを抑えて解説します。
- 北海道の葬儀で一番人気は家族葬
- 北海道では一般葬も人気が高い
- 北海道では火葬だけを行う場合もある
北海道の葬儀で一番人気は家族葬
北海道で最も多く行われている葬儀は家族葬で、葬儀全体の45%を占め、約半分の割合で家族葬が選ばれていることが判明しました。
家族葬は人気のある葬儀形式で、全国的にみると6割近くのご家庭で家族葬を選択しているとも言われています。
このような背景から、北海道全土で家族葬を専門にした葬儀社や斎場はとても増えており、近隣に家族葬向けのセレモニーホールが設立されたというご家庭も多いでしょう。
北海道では一般葬も人気が高い
北海道では、昔ながらの一般葬も根強く支持されており、葬儀全体の約40%を占めていることが分かりました。
全国的には25%程度と、縮小傾向にある一般葬ですが、北海道では家族葬との差がわずか5%に留まっています。
つまり、北海道のほとんどの葬儀は、家族葬か一般葬のどちらかに該当しているため、一般的なお葬式をしたいと思っている場合は、家族葬または一般葬を選択することが最良です。
北海道では一日葬や火葬のみを行う場合もある
北海道では、家族葬や一般葬以外の葬儀も行われており、葬儀全体のうち、一日葬が6%、直葬・火葬式が1%を占めています。
一日葬とは、一般的に2日間で行われるお葬式のうち、お通夜を省略する葬儀形式にあたり、葬儀に費やす時間とお金を削減できることがメリットです。
一方で、直葬や火葬式とは葬儀の儀式自体を省略して、火葬のみを行う葬儀形式のことをいい、予算のないご家庭や身内のいない方を対象に行われています。
北海道で家族葬が人気の理由は5つある
北海道で家族葬が人気な理由は5つあるため、要因の大きい順にご紹介します。
- 参列者の人数の縮小
- 葬儀に対する価値観の変化
- 手間や心身の負担を軽減できる
- 葬儀費用を削減できる
- 利用できる斎場の選択肢が多い
① 参列者の人数の縮小
北海道で家族葬が浸透しやすい背景には、葬儀における参列者の人数が少ない傾向にあることが大きな理由となっています。
家族や親戚の人数が少ない
2020年の国税調査の結果によると、全国の平均世帯人員が2.49人なのに対して、北海道の1世帯あたりの平均人数は2.04人と、核家族化が顕著であることが分かります。
出典:北海道データブック2022_人口・生活(北海道公式サイト)
具体的には、1人世帯が40.5%、2人世帯が32.1%を占めており、全体の72.6%もの世帯が1人もしくは2人世帯であることが判明しました。
出典:全道の世帯数(北海道公式サイト)
60年前の1960年には1世帯あたりの平均人数が4.14人でしたが、1970年には3.34人、1980年には2.99人と、以降は3人未満を推移し、1世帯あたりの人数は減少しています。
北海道の人口は全国8位、世帯数も7位と、東京や大阪などの首都圏に継いで多いのに対して、実は離婚率が全国4位という順位で、単身世帯が多いという実態があります。
つまり、葬儀となると配偶者がいないケースや、配偶者の血縁者となる姻族の家族など、親戚が少ない傾向にあるといえるでしょう。
親交のある人が少ない・交友関係が分からない
北海道では地域交流を重んじる地域が多い一方で、アパートやマンション住まいの方や、北海道外からの移住者も多く、人付き合いが多いか少ないかは二極化しやすいです。
定年退職を迎えると社会との交流が減少するため、高齢者は地域コミュニティに参加しているか否やによって、人付き合いの人数に差が生じます。
北海道では昨今、定年の引き上げによって、65歳まで働ける企業が99.9%、70歳以上も働ける企業が46.1%と、高齢者の働き場所が急増しています。
出典:高齢者の雇用について(厚生労働省北海道労働局)
しかし、2022年における65歳以上の就業率の全国平均は25.2%なのに対して、北海道は23.4%となり、全国47都道府県中、44位と働く高齢者が少ない結果でした。
出典:令和4年就業構造基本調査の結果(総務省統計局)
さらに、進学や就職によって北海道を離れる方も多いため、離れて暮らす子どもの立場では、いざ親の葬儀となると、交友関係を把握していないといったケースも目立ちます。
つまり、近所付き合いがない方や家族が交友関係を把握していないケースなど、葬儀の参列者の人数が少なく、家族葬のような小規模の葬儀が選ばれやすいといえるでしょう。
② 葬儀に対する価値観の変化
近年、時代とともに葬儀に対する価値観が変化し、「家族葬を行いたい」という故人の遺志や、遺族の要望が目立つようになりました。
かつては、社会的に地位の高い方や現役で働いている方ほど盛大なお葬式を行い、大々的な葬儀により名誉や生前の貢献をたたえることが通例でした。
しかし現在は、著名人や芸能人など、誰もが知る有名人の葬儀においても家族葬が選ばれているように、近親者のみでしめやかな葬儀を行う方がたいへん増えています。
さらに、日常生活においては、近所付き合いによる葬儀のお手伝いや、会葬の社交辞令に煩わしさを感じている方も少なくありません。
そのため、周囲に気遣いをさせたくないという配慮によって家族葬を選択するケースも多く、葬儀はひっそりと身内だけで行うことが一般的になりつつあります。
③ 手間や心身の負担を軽減できる
家族葬は参列者が少ないことから、葬儀の準備や接客応対の手間を省くことができ、故人とゆっくりと最後のお別れをできることが大きなメリットです。
慣れないお葬式では緊張感も大きく、精神的に気疲れしやすい一方で、気心知れた家族や親族だけの葬儀なら気遣いも大幅に緩和でき、心身の負担を軽減できます。
お葬式にあたっては、訃報案内や参列者とのやり取りによる人数の把握から、弔問客や葬儀での接客応対など、遺族の立場ではやるべきことが多々あり疲弊しがちです。
さらに、葬儀後も参列の挨拶廻りや香典・弔電・供花・供物などをいただいた方へのお礼など、慌ただしい日々が続きます。
しかし、家族葬ではこれらの手間を大幅に削減できるうえ、葬儀後の煩わしさがないよう、弔問のお断りや香典辞退などを行うことも可能です。
④ 葬儀費用を削減できる
葬儀社や人数によっても異なりますが、北海道での葬儀の相場費用は以下のとおりで、一般葬と家族葬とでは30〜50万円程度の差があり、家族葬は葬儀費用を抑えることができます。
- 一般葬:50〜100万円前後
- 家族葬:100〜150万円前後
家族葬では具体的に、斎場使用料・葬儀スタッフの人件費・料理・香典返し・礼状といった品目の料金が安価です。
斎場によっては、飲食物を自由に持ち込めるサービスなどもあるため、葬儀費用の負担をより削減することもできます。
⑤ 利用できる斎場の選択肢が多い
葬儀は人数規模によって利用する斎場を選ばなくてはならず、交通アクセスや駐車場の状況なども加味する必要がありますが、人数の少ない家族葬なら斎場を自由に選べます。
さらに、家族葬のニーズに応えて、北海道の各市町村では家族葬に最適な斎場が多く建設されるようになりました。
まるでホテルや別荘のようにゆっくりと寛げる環境が整った斎場もあり、他人の目を気にすることなく葬儀ができる貸し切りタイプはたいへん人気です。
ソファーやベッドなどの家具や、テレビや電子レンジなどの家電が整っていたり、手軽にインターネットができるWi-Fiが完備されていたりと、設備が充実した斎場もあります。
人数規模が小さいお葬式は寂しいというイメージを抱きがちですが、家族葬は決してそのようなことはありません。斎場選びさえ誤らなければ、悠々としたお葬式が実現可能です。
家族葬で注意するべき3つの落とし穴!
家族葬には気をつけなければならない落とし穴があります。失敗したり、後々まで後悔したりしないよう、次の3つの事項をよく読んで理解しておきましょう。
- 人数制限があり会葬者を呼べない
- 親戚や周囲から反対される場合がある
- 収支として一般葬より割高になる場合がある
①人数制限があり会葬者を呼べない
家族葬では参列者の人数制限があり、おおよその目安は「30名未満」です。亡くなった方と最後のお別れをしたくてもできない方が生じる可能性があるためご注意ください。
また、一般葬においては、人伝に訃報を聞いた方や近所の人たちが香典とお焼香のみを目的に会葬しますが、家族葬では会葬者を呼ぶことができません。
なお、家族葬は友人や知人が参列しても構いません。席にゆとりがあり、葬儀へ参列してほしい場合は、「よろしければご列席いただけますか?」と確認してみると良いでしょう。
② 親戚や周囲から反対される場合がある
北海道における家族葬の歴史はまだ浅いため、家族葬は身内から反対される場合があるほか、そもそも家族葬をご存知ない方がいることも理解しておきましょう。
家族葬の発祥は1995年頃に遡り、世間一般には2000年以降になってから徐々に浸透するようになったため、認知度が高まってからはまだ20年にも満たないのが実態です。
現在は本葬やお別れ会の前に身内だけで葬儀を行うことを『密葬』と呼び、家族葬と分類するようになりましたが、昔は内々で行う葬儀のことをすべて密葬と呼んでいました。
葬儀は盛大に行うことが当たり前だった時代、密葬には良いイメージを抱く人が少なかったのも事実です。
お年寄りなどで、家族葬という名称が伝わらない方へは「昔でいう密葬だけど、今は少人数でも華やかで明るいお葬式だから一番人気がある葬儀だよ」と説明してあげると良いでしょう。
③ 収支として一般葬より割高になる場合がある
会葬者や参列者の多い一般葬ではお香典による現金収入を見込めるため、収支バランスとして考えると、家族葬は不利になるケースもあるためご注意ください。
収支として利益が多い葬儀形式を希望する際は、葬儀社へ家族葬と一般葬の場合の両方の見積りを取得して、具体的なシミュレーションを相談してみるのがおすすめです。
家族葬でトラブルを防ぐ対策3つ
家族葬では後々までトラブルを回避するために、次の3つのポイントを押さえて対策しておくのがおすすめです。
- 訃報案内で家族葬であることや香典辞退の意思を伝える
- 故人の身内へ許可を得る
- 疑問や不安なことがあれば地元の無料相談を活用する
① 訃報案内で家族葬であることや香典辞退の意思を伝える
家族葬では、故人の大切な人たちへ迷惑をかけずに人数制限を厳守できるよう、事前の訃報案内によって、家族葬であることをしっかりと伝えましょう。
また、弔問や香典・弔電・供花・供物などを辞退する場合は、訃報案内の際にしっかりと明記してください。
辞退をせずに斎場や自宅へ志が届いた際は、香典返しやお礼状などによって感謝の気持ちを伝えることがマナーです。
なお、参列者の人数は30名程度が目安ですが、斎場によって数名から50名と幅広いため、必ず事前に定員数を確認してから、誰に参列してもらうかを検討してください。
訃報案内の文例
訃報案内の文例をご紹介させていただきます。より多くの方で伝言してもらうためのコツや、文章で句読点を省くマナーも踏まえていますので、ぜひ参考になさってください。
電話で伝える場合
◯◯様のお電話でお間違いないでしょうか。突然のご連絡で申し訳ございません。わたくしは、□□の妻(夫・息子・娘)の△△と申します。
実は本日(昨日)、主人(妻・父・母)が亡くなりましたので、ご連絡させていただきました。生前は主人(妻・父・母)がお世話になり、本当にありがとうございました。
葬儀は家族葬にて近親者のみで執り行います。故人の希望もあって、お香典や弔問や供花などはすべてお断りさせていただいておりますので、どうぞお気になさらずにいてください。
もし◯◯様のお知り合いで、主人(妻・父・母)のことをご存知の方がいらっしゃれば、宜しくお伝えくださいませ。突然のご連絡を失礼いたしました。
メールやSNSで伝える場合
□□の妻(夫・息子・娘) △△と申します
突然のご連絡失礼いたします
かねてより療養していた妻(夫・息子・娘)が◇月◇日に急逝いたしました
生前中はお世話になり誠にありがとうございました
葬儀につきましては故人の遺志により家族葬にて近親者のみで執り行います
弔問 香典 弔電 供花 供物につきましても固くご辞退申し上げます
生前賜りましたご厚誼に謹んで御礼申し上げます
△△△△(フルネーム)
② 故人の身内へ許可を得る
家族葬で親戚トラブルにならないためには、身内へ事前に許可を得ることが大切です。とくに、故人の親や子どもや兄弟姉妹などの血縁者に対しては、配慮してください。
また、身内以外にも故人が生前にお世話になった方や、町内会など後々のお付き合いに支障をきたす可能性がある場合は、あらかじめ確認しておくと安心です。
葬儀は本人はもとより、故人に関係するすべての人たちにとっても重要なお別れの儀式のため、周囲の方々への気遣いを怠らないようにしましょう。
③ 疑問や不安なことがあれば地元の無料相談を活用する
家族葬にあたって気になる疑問や不明点、不安なことがあれば、積極的に葬儀の無料相談を利用して、悩み事のないように問題解決しましょう。
葬儀の無料相談なら特定の葬儀社よりも気軽に相談しやすく、親戚を説得できない場合や、葬儀費用を削減する方法など、あらゆ相談をしやすいでしょう。
また、葬儀には地域による違いや、地元事情がつきもののため、北海道在住の方なら道内の無料相談を利用するのがおすすめです。
北海道の家族葬についてよくある質問
北海道の家族葬について、よくある質問をまとめてご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。
- 家族葬に呼ぶ範囲はどこまで?
- 家族葬の服装は?
- 家族葬の香典金額は?
- 家族葬はお坊さんを呼ばなくてもいい?
家族葬に呼ぶ範囲はどこまで?
家族葬に呼ぶ親戚の範囲は、一般的に次の優先順位で2〜3親等が多い一方で、故人のいとこや、配偶者の家族や親族、親族以外の故人と縁のある方を自由に招いても問題ありません。
- 1位:配偶者
- 2位:1親等(父母・子ども)
- 3位:2親等(祖父母・孫・兄弟姉妹)
- 4位:3親等(曾祖祖父母・曾孫・甥姪・伯叔父母)
- 5位:4親等(従兄弟姉妹)
家族葬の服装は?
基本的に葬儀は喪服で参列するのがマナーのため、気心知れた人たちとの家族葬だからといって気を抜くのはNG。喪服で参列することがおすすめです。
たとえ貸し切り斎場であっても、火葬場を利用する際や近所の方々など、公の場で不謹慎と思われるケースがあるためです。
さらに、北海道では葬儀の際に身内で記念写真を撮影する風習があるため、先々まで嫌な思い出として残らないよう、身だしなみにはご注意ください。
家族葬の香典金額は?
北海道の家族葬における香典金額の相場は一般葬と同じで、次のとおりとなっています。
- 両親:3〜10万円
- 祖父母:1〜3万円
- 兄弟姉妹:3〜5万円
- 親戚:1〜3万円
- 一般参列者:5千円
家族葬はお坊さんを呼ばなくてもいい?
アットホームな家族葬とはいえ、お付き合いのある宗教者がいれば、お通夜や葬儀・告別式へお招きして、儀式を行ってもらうのが常識でありマナーです。
仲違いしてしまうと、お墓を所有していても檀家墓地へ納骨できないことや、家族や親戚とお寺との関係にも影響を及ぼす可能性があるためご注意ください。
なお、北海道のお布施の金額は15〜25万円程度で、戒名料は無料〜30万円程度が相場費用です。もし、お布施が厳しいといった問題がある場合は、素直に相談するのが最良です。
一方で、無宗教やお付き合いのあるお寺がない場合は、後々のお付き合いが一切いらない僧侶を手配することもできます。
さらに、無宗教の方なら、音楽葬や会食中心のお別れ会など、家族葬なら形式にとらわれることなく自由なスタイルのお葬式が可能です。
まとめ:北海道で人気の家族葬には3つの注意点と対策がある!無料相談は北のお葬式をご利用ください
北海道で家族葬が人気の理由と、気をつけるべき3つの注意点と対策についてご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。
- 北海道で家族葬が人気の理由は、時代の流れに伴う参列者の縮小や価値観の変化と、心身の負担や葬儀費用を削減できることや、斎場の選択肢が多いなどのメリットがあるため。
- 家族葬には気をつけるべき3つの落とし穴があり、「人数制限があり会葬者を呼べない」「親戚や周囲から反対される場合がある」「収支として一般葬より割高になる場合がある」ということに注意しなければならない。
- 家族葬でトラブルを防ぐためには、「訃報案内で家族葬であることや香典辞退の意思を伝える」「故人の身内へ許可を得る」「疑問や不安なことがあれば地元の無料相談を活用する」という、3つのポイントを押さえると良い。
北のお葬式では、北海道にお住まいの方々の葬儀に関する相談を無料で承っています。家族葬はもちろん、あらゆる葬儀のご質問やご相談に対応し、お近くの斎場もご案内可能です。
家族葬に関しては、「親戚を説得できない」「家族葬を安くするにはどうしたらいい?」「近くに家族葬に最適な斎場はある?」など、さまざまなご質問をいただいています。
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