1-5.お布施

2025.05.29

葬儀の戒名授与の流れや値段と5つの注意点!家族葬や直葬での必要性

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仏式の葬儀では戒名を授かるのが一般的ですが、どのような手順で戒名を授与してもらうのか分からない方や、戒名の値段が気になる方もいらっしゃるでしょう。

戒名は仏教の宗派によって呼び方が異なり、階級によるランクで値段相場も違うため、あらかじめ必要な戒名料の費用を把握しておくと安心です。

そこで、本記事では、戒名授与における流れや気を付けるべき注意点と、戒名の値段相場やお布施の包み方・渡し方まで分かりやすく解説します。

家族葬や直葬では戒名が必要なのかなど、葬儀の戒名について困っている方にも役立つ知識や、葬儀の戒名に関するよくある質問もご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。

戒名とは何か?意味と役割

戒名とは

戒名とはどのようなことをいうのか、意味や役割と目的について基礎知識を解説します。

戒名の意味とは?

戒名とは、仏門に入って仏様の弟子である仏教徒になった証として授かる呼び名で、亡くなった故人に付けるあの世での名前のことをいいます。

仏式の葬儀では、檀家としてお付き合いをしているお寺へ依頼をして戒名を授かり、読経では故人の戒名を読み上げてもらい供養をするのが通例です。

戒名の役割と目的

葬儀で授与してもらう戒名には、亡くなった方を冥土の世界から極楽浄土へと導き、故人の魂を鎮める役割があると考えられています。

戒名は葬儀で白木位牌に記し、四十九日法要にお仏壇へ祀(まつ)る本位牌へと入れ替えます(浄土真宗は一般的に過去帳)が、魂が宿るお位牌や墓石へは故人の戒名を彫刻や手書きをして供養をするのが一般的です。

つまり、葬儀が終わると法事・法要を執り行うように、戒名を授与してもらうのは仏式の儀式の一環であり、仏教では故人の成仏と供養のために戒名を授かります

宗派による戒名の種類と構成

 

戒名の種類や構成と付け方

宗派 呼び方 戒名の構成
真言宗 戒名 院号+道号+戒名+位号
天台宗 戒名 院号+道号+戒名+位号
曹洞宗 戒名 院号+道号+戒名+位号
臨済宗 戒名 院号+道号+戒名+位号
日蓮宗 法号 院号+道号+日号+位号
浄土宗 戒名 院号+誉号+戒名+位号
浄土真宗 法名 院号+釋号+法名

戒名は宗派によって種類があるため、ポイントを押さえて分かりやすく解説します。

戒名の呼び方の違い

戒名には種類があり、宗派によって呼び方が異なり、日蓮宗では戒名のことを「法号」、浄土真宗では「法名(ほうみょう)」と呼びます

戒名の構成

梵字・頭文字

戒名は基本的に「院号+道号+戒名+位」の4つの称号から構成されていますが、宗派によっては称号の要素に違いがあるため、必ず故人や遺族の宗派に合わせた戒名を授かりましょう。

さらに、宗派によっては、次のようにお位牌の先頭に梵字や頭文字が加わる特徴もあります。

  • 浄土宗:「キリーク(阿弥陀如来)」
  • 真言宗:「ア(大日如来)」・子ども「カ」
  • 曹洞宗・臨済宗:「バク(釈迦如来)」「空」
  • 日蓮宗:「妙法」
  • 浄土真宗:「法名」

院号(院殿号)

院号とは、寺院への貢献度や皇族などの身分が高い方のほか、社会的な活躍が目立つ功績があった方に与えられる称号で、院号には院殿号と呼ばれる尊称もあります。

そのため、一般の方には滅多に付与されるケースがなく、有名人や著名人は「〇〇院」という称号が付くことが多いです。

道号

道号とは、故人の特技や趣味、性格、職業、業績などをもとに特徴や人柄を示すための称号で、戒名との調和によって漢字2文字で表し、宗派によっては特徴的な場合があります。

たとえば、日蓮宗では男性なら「法」、女性なら「妙」を含み、浄土宗では道号ではなく誉号(よごう)として「誉」という漢字が含まれます。

また、浄土真宗では釋号(しゃくごう)と呼ばれる称号となり、男性は「釋」、女性は「釋」「釋尼」のいずれかを使用するのが一般的です。

戒名

戒名とは、生前の名前から1文字を引用して漢字2文字で表すのが一般的で、名前がひらがなの場合は同音の漢字を当て字で表現します。

宗派によっては特定の漢字を使用する場合があり、日蓮宗では日号(にちごう)と呼ばれる要素となり、日蓮上人を示す「日」という漢字を使用するケースが多いです。

位号

位号とは「様」などの敬称にあたり、社会的な地位や仏教徒としての階級、性別や年齢によって異なり、子どもは童子・童女・幼子・幼女・孩子・孩女・嬰子・嬰女・水子などがあります。

大人には、信士・信女、居士・大姉、禅定門・禅定尼、清信士・清信女、大居士・清大姉などがあり、浄土真宗では位号を付けないのが一般的です。

戒名のランクと戒名料の値段相場

戒名

戒名には階級があり、ランクによって戒名料の値段が異なるため、一般的な相場費用を解説します。

戒名のランクについて

戒名のランクは、次の順序でそれぞれ高くなり、浄土真宗では位号を付けないのが一般的です。

  • 男性:信士→居士→院信士→院居士
  • 女性:信女→大姉→院信女→院大姉

戒名料の値段相場

宗派 信士・信女 居士・大姉 院信士・院信女 院居士・院大姉
真言宗 30〜50万円 50〜70万円 80万円以上 100万円以上
天台宗 30〜50万円 50〜70万円 80万円以上 100万円以上
曹洞宗 30万円以上 50〜70万円 100万円以上 100万円以上
臨済宗 30〜50万円 50〜80万円 100万円以上
日蓮宗 30〜50万円 100万円以上
浄土宗 30〜40万円 50〜60万円 70万円以上
浄土真宗 釋・釋尼

20万円以上

院釋・院釋尼

50万円以上

戒名料のお布施は、寺院の格式などによっても異なりますが、主に宗派やランクによって、戒名の値段相場は20〜50万円程度、最も多い価格帯は20〜30万円程度です。

これは、浄土真宗の信者数が多いことが理由であると推測され、さらに北海道では戒名が無料の場合もあり、値段相場も30万円以内と、戒名は地域性によっても価格差が大きいです。

葬儀の戒名授与で気をつけるべき5つの注意点

注意ポイント

葬儀の戒名授与では、気をつけるべき5つの注意点があるため、あらかじめよく読んで、トラブルが起こらないように気をつけましょう。

家族や親族と事前に戒名のランクや方針について相談して決定する

戒名については、家族や親族とトラブルにならないよう、葬儀の前にあらかじめ戒名のランクや希望する文字について話し合い、身内で方針を決めておきましょう

檀家の場合は戒名授与が必要であることを理解する

檀家の場合、仏式の儀式に基づき戒名が必要なことをよく理解しましょう

ご先祖様から代々お世話になっている家系や、寺院墓地へお墓があり供養をしてもらっているご家庭では、自分のみならず、ご先祖様や親、親族の立場を考えることも大切です。

檀家であるにもかかわらず、葬儀や法要の読経をほかの寺院へ依頼したり、戒名を付けないとお寺とトラブルになる可能性が高いためご注意ください。

お付き合いのある寺院がない場合は家系の宗旨宗派を正確に確認する

お付き合いのある寺院がない場合は、家系や実家の宗旨宗派を正確に確認して、間違いのないように気をつけましょう。

たとえば浄土真宗の場合、本願寺派や真宗大谷派をはじめ、高田派などの宗派があり、仏教には13宗56派もの種類があります。

似たような名称の宗派でも、お経や戒名の付け方には違いがあるため、くれぐれも注意して正しい宗派をしっかりと調べてください。

戒名がないとお墓へ納骨できない可能性がある

お墓には種類があり、一般的に次のように戒名が必要かどうかは墓地の種類によって異なり、戒名がないと納骨できないケースがあるためご注意ください。

  • 公営墓地:戒名不要
  • 民営霊園:一般的に戒名不要
  • 寺院墓地:檀家墓地や境内にある墓地は戒名必要
  • 納骨堂:納骨堂によって異なる
  • 永代供養:戒名不要なことが多い

戒名が必要かどうかは、基本的にお墓の利用規約でルールが定められているため、不明な場合は事前にお墓の管理事務所へ確認してください。

とくに寺院が管理する墓地や納骨堂では、お墓を所有していても、戒名がないと納骨できないケースがあるため気をつけましょう。

葬儀のお布施は戒名料と読経料のほかお車代や御膳料も必要

葬儀で僧侶へ支払うお布施には種類があり、基本的に戒名料は読経料と一緒に併せて包み、次の3種類のお布施を渡すのが一般的となっています。

  • お布施(戒名料と読経料)
  • お車代
  • お膳料

お布施の包み方や渡し方については、後述で詳しく解説しますので、マナー違反にならないように、どうぞ参考になさってください。

葬儀での戒名授与の流れ

葬儀の葬儀場の祭壇

葬儀では戒名授与に流れがあるため、一般的な手順を解説しますので、不安を解消してトラブルにならないように、戒名を授かるときは事前に流れを把握しておきましょう。

  1. 菩提寺への葬儀での読経依頼(菩提寺がない場合は葬儀社へ相談)
  2. 葬儀日程のスケジュールとお布施金額の確認
  3. 戒名のランクと戒名料の確認と依頼
  4. 故人の個人情報に関する伝達
  5. 戒名授与と白木位牌の作成
  6. お布施の準備と葬儀での支払い

①菩提寺への葬儀での読経依頼(菩提寺がない場合は葬儀社へ相談)

葬儀で僧侶へ読経してもらう際は、菩提寺へ連絡をして依頼をしますが、お付き合いをしている寺院がない場合は、葬儀をする葬儀社へ相談すると僧侶を紹介してもらえます。

戒名を授与してもらうにあたっては、どこのどのようなお寺の僧侶なのかを確認して、信頼できるかどうかをしっかりと確認しましょう。

②葬儀日程のスケジュールとお布施金額の確認

葬儀の日程は、家族や親族の都合と火葬場や葬儀場の空き状況のほか、僧侶のスケジュールも大切な要素となるため、まず菩提寺へ「ご都合はいかがでしょうか」と日程を確認します。

お布施の金額を確認する際は、戒名料を確認する前に、先に基本となる読経料のお布施金額を確認すると、予算に合わせて戒名のランクを決めやすいです。

③戒名のランクと戒名料の確認と依頼

読経料について確認ができたら、「戒名(法号・法名)を授与いただきたいのですが…」と、戒名のランクや戒名料の予算について要望を伝えて、戒名を依頼しましょう。

戒名料の値段を確認することは失礼に当たらず、納得のできる階級ランクと費用の戒名を付けてもらうのが失敗しない戒名授与のコツでもあります。

④故人の個人情報に関する伝達

戒名は故人を象徴する最適な文字を選ぶ目的で、趣味や特技、長所や性格などを伝える必要があるため、事前に筆記して準備しておくと寺院からの質問にもスムーズに対応できます。

故人のために使用してほしい漢字や表現してほしい要素があれば、要望してみるのもおすすめです。

⑤戒名授与と白木位牌の作成

通常、お通夜までには戒名を記した白木位牌が準備され、文字の読み方や意味を説明してもらえますので、疑問や不明点などがあれば僧侶へ確認しておきましょう。

なお、葬儀で使用する白木位牌は、火葬後の遺骨や遺影写真と一緒に自宅へ持ち帰って、後飾り祭壇へ安置し、お供え物を供えて供養します。

⑥お布施の準備と葬儀での支払い

葬儀で僧侶へ支払うお布施は、基本的に現金で支払う必要があるため、あらかじめお布施を準備して、袱紗(ふくさ)に包んでから葬儀場へ向かいましょう

なお、袱紗には種類があり、お布施は土台の付いた台付き袱紗に包むと形状が崩れにくく、葬儀場への持ち運びも安心です。

葬儀のお布施の準備方法

お布施の種類

表書き 相場金額 内訳
御布施 約20〜50万円 読経料・戒名料
御車代 約1〜2万円 ガソリン代・駐車場代(旅費や宿泊費は加算する)
御膳料 約1〜2万円 食事代(会食する際は不要)

お通夜と葬儀・告別式による2日間のお葬式におけるお布施の費用相場と内訳は上記のとおりです。

お布施は3種類を用意する

葬儀では、基本的に次の3種類の表書きのお布施を用意する必要があります。

御布施

地域性もありますが、一般的にお布施は読経料と戒名料を一緒に包むケースが多く、別々にしたい場合は読経料を「御布施」、戒名料を「御戒名料」と、表書きの区別をします。

御車代

お車代は、お布施とは別にガソリン代や駐車料金などの交通費として、1日につき5,000~1万円を目安として、僧侶の人数分を包みます。

遠方の菩提寺に葬儀へ来てもらう際は、航空費や新幹線代などの旅費や宿泊費を考慮しましょう。

御膳料

お膳料は、お通夜の通夜振る舞いと葬儀後の精進落としの食事を召し上がらない場合、僧侶の食事代として、1食につき5,000~1万円を目安に人数分を包みます。

葬儀の日程や戒名の相談をする際に食事をするかどうかを確認しても構いませんが、念のため準備しておき、会食の状況に応じて葬儀後に渡すようにすると失礼になりにくいです。

お布施の包み方

お布施は、お布施袋を使用するか、お札を包んで渡すか、どちらかを選択してください。

葬儀でのお布施は基本的に水引が必要なく、市販のお布施袋を使用するか、郵便番号欄のない白い無地の封筒を利用して黒い筆ペンで表書きをしても構いません。

お札を包んで渡す際は、半紙でお金を中包みしてから外側を奉書紙で包みますが、奉書紙には表裏があり、ツルツルした面が表・ザラザラした面が裏になります。

お布施の書き方

お布施袋の文字の書き方は、一般的に中袋の有無によって次のとおり異なります。

中袋のないお布施袋

  • 表面:(上)御布施(下)喪主のフルネームまたは「〇〇家」
  • 裏面:(右)金額(左)喪主の住所・フルネーム・電話番号

中袋のあるお布施袋

  • 外袋の表面:(上)御布施(下)喪主のフルネームもしくは「〇〇家」
  • 外袋の裏面:書かない
  • 中袋の表面:金額
  • 中袋の裏面:喪主の住所・名前・電話番号

お布施の金額の数字の書き方

お布施への金額の数字の漢字は「大字(だいじ)」と呼ばれ、漢数字ではなく以下のような文字で表します

金額 書き方
5,000円 金伍仟圓
1万円 金壱萬圓
3万円 金参萬圓
5万円 金伍萬圓
10万円 金拾萬圓

お布施のお札と入れ方の向き

お布施袋へのお札の入れ方は、お香典と逆で封筒の表面から見て、肖像画が正面の上側になる向きで入れるのが正しいマナーです。

可能であれば新札が最良ですが、旧札でも問題ありませんので、なるべくキレイなお札を使用するようにしましょう。

お布施の渡し方の流れ

お布施

お布施は一般的にお通夜が始まる前に、次のような流れで、葬儀の依頼の挨拶を兼ねて僧侶へ対面して渡します

  1. 葬儀社へ切手盆を借りて乗せる(無い場合は袱紗の上へ)
  2. 葬儀スタッフに導師控室へ案内してもらう
  3. 一礼をしてから入室する
  4. 机を挟まずに畳へ正座する
  5. 僧侶へ「本日は宜しくお願いいたします」と挨拶をしてお辞儀をする
  6. お布施を僧侶から読める向きに整えて「どうぞお納めください」と差し出す
  7. お辞儀をして退室する

葬儀の戒名における必要性の事例

戒名の必要性

葬儀で戒名を付けるかどうか迷っている方のため、戒名が必要になる場合と、戒名なしでも問題ない場合の具体的な事例をご紹介します。

戒名が必要なケース

葬儀で戒名が必要になるのは、一般的に次のようなケースです。

檀家の場合

特定の寺院とお付き合いのある檀家の方は、戒名が必要になることが通例で、葬儀後も年忌法要やお盆やお彼岸にお仏壇やお墓の前で供養してもらいます。

戒名が必要なお墓へ納骨する場合

寺院墓地やお寺の納骨堂など、基本的に寺院の境内や敷地内にあるお墓へ納骨する際は、戒名が必要になることが多く、基準は墓地や納骨堂によって異なるため確認しましょう。

故人の要望がある場合や家族や親族が安心したい場合

故人に戒名や供養に関する要望がある場合や、故人の成仏を祈り、しっかりと供養をしたい家族や親族にとって、戒名を授かることは大きな安心感を得られるメリットに繋がります。

戒名なしでも問題ないケース

戒名がいらないと考えている方にとって、次のような場合は、一般的に戒名なしで葬儀をしても問題ありません。

仏教以外の宗教や戒名のない宗教の信者の場合

仏教以外の宗教や戒名のない宗教の信者の方は戒名が不要で、神道なら「諡(おくりな)」、キリスト教ではクリスチャンネームが与えられます。

また、創価学会ではそもそも戒名がないなど、戒名の有無は宗教によって異なるため、必ず信仰する宗教について詳細を調べてください。

信仰する宗教がなく無宗教で葬儀や供養を行う場合

信仰する特定の宗教がなく、僧侶を頼らず無宗教で葬儀や供養を行う場合、戒名は必要ありません。

無宗教葬儀では音楽葬や動画・スライドショーによる演出などができるため、希望する方は葬儀社へ相談してみると良いでしょう。

檀家に属さず戒名がいらないお墓への納骨や散骨をする場合

檀家に属さず、戒名がいらないお墓への納骨や海などへ散骨をする場合は、戒名なしでも問題ありません。

なお、戒名がなくても、葬儀や法事・法要で僧侶を呼んで読経してもらうことはでき、お仏壇やお墓も仏式のように準備することは可能です。

戒名なしで葬儀をする方法

 

俗名

戒名なしで仏式のように葬儀を執り行う方法について、知っておくべきポイントを解説します。

お位牌を俗名で用意する

戒名なしの葬儀では、お位牌の名前を俗名(ぞくみょう)と呼ばれる生前の氏名のフルネームで表記します。

僧侶を招いて読経をしてほしい場合は、一般的に葬儀社へ俗名で依頼したいと要望を伝えれば、最寄りの対応してくれる寺院を紹介してもらえるケースが多いです。

戒名と俗名の違いとは?

  • 戒名:死後のあの世での名前
  • 俗名:生前の現世での名前

戒名と俗名の具体的な違いは、死後のあの世での名前か、生前の現世での名前にあります。

戒名なしの葬儀のお布施の値段相場

葬儀を俗名で執り行う際は、戒名料は不要ですが、読経料としてのお布施が必要となり、戒名なしの葬儀のお布施の値段相場は、おおよそ10〜20万円程度です。

お車代やお膳料などを含めて、戒名なしのお布施の料金設定をしている場合もあるため、僧侶を葬儀社へ紹介してもらう際は葬儀スタッフへ金額を確認しましょう。

葬儀後も俗名で供養できる

葬儀後は仏式と同じように、法事・法要を行ったり、お仏壇や俗名の本位牌を用意したりと、戒名なしでも俗名で故人の供養ができます

戒名がいらないお墓ならお墓への彫刻文字も俗名で納骨することができ、遺骨の管理や供養を霊園や寺院へ委ねられる近年人気の永代供養では、お寺でも戒名不要のケースが多いです。

家族葬や直葬の戒名はどうする?

家族葬

家族葬や直葬では戒名をどうしたらいいのか、一般的な戒名の扱いについて、葬儀の種類ごとに解説します。

家族葬の戒名とお布施の金額

家族葬の戒名は、会葬者を無制限に招く昔ながらの一般葬と同じように、お付き合いのあるお寺の有無や、故人や家族・親族の意向などから必要かどうかを判断しましょう。

お布施の値段は家族葬でも一般葬と同じ金額となり、戒名料を含むお布施の値段は20〜50万円程度が相場となっています。

なお、家族葬はお通夜を省略して、一日葬として行うこともでき、一日葬のお布施は家族葬よりも5万円程度安くなることが一般的です。

直葬の戒名とお布施の金額

直葬は葬儀の儀式を省略して火葬のみを行うスタイルのため一般的に僧侶を招きませんが、火葬場やご遺体の安置場所で読経供養をしてもらうことや、戒名を授かることも可能です。

読経の回数や地域差もありますが、読経料のみのお布施は5〜10万円程度で、直葬の戒名を含むお布施は10〜30万円程度が相場となっています。

葬儀の戒名に関するよくある質問

よくある質問

葬儀の戒名について、よくある質問をご紹介しますので、気になる項目があれば回答をチェックしておくと安心です。

戒名は自分で付けてもいい?

そもそも戒名とは、仏教について深い知識を学び、仏弟子として修行を積んだお坊さんから与えてもらうのが正しい在り方のため、正式に仏門に入りたい方にはおすすめできません

戒名料の事情や戒名の文字へのこだわりから、どうしても自分で戒名を付けたい場合は、必ず事前に菩提寺へ相談をして、宗派のルールに則った戒名を検討して確認してもらいましょう。

戒名で使用してはいけない漢字はある?

戒名では、読み書きが難しい漢字や、あまり使われていない漢字のほか、次のような文字を避けるのが一般的です。

  • 天皇の尊号や年号:昭和・平成・令和など
  • 宗派の開祖:日蓮・法然・最澄・空海など
  • 動物を表す文字:牛・馬・蛇・犬・猫など
  • 縁起の悪い文字:争・敵・悩・死・狂など
  • 意味のない文字:乃・也・於・但など

葬儀の戒名のお布施を安くするにはどうしたらいい?

檀家の方の場合、生前のうちに生前戒名(死前戒名)を授けてもらうと、葬儀で戒名を付けてもらうよりもお布施が安くなるケースが多いです。

近年は万一のときに家族に負担をかけないよう、生前のうちに終活をして葬儀やお墓の準備をする方が増えていますが、戒名についても検討してみると良いでしょう。

まとめ:葬儀での戒名授与の見積や相談、僧侶手配は北のお葬式の無料相談へ!

葬儀における戒名授与の流れと値段相場や、注意点について解説しましたが、まとめると次のとおりです。

  • 戒名とは、仏門に入ったことを証明する仏教特有の死後の名前で、一般的に仏式の葬儀で授与してもらうことが多く、宗派によって呼び方や構成の種類が異なり、戒名には階級ランクがある。
  • 葬儀で戒名を付けるための戒名料は、宗派や戒名のランクによって異なり、値段相場は20〜50万円程度で最も多い価格帯は20〜30万円程度で、葬儀でのお布施は、お布施(読経料と戒名料)・お車代・お膳料の3種類を準備する。
  • 葬儀で戒名を授かる際は注意点があり、事前に身内で戒名のランクや方針について相談しておき、檀家は基本的に戒名が必要で、戒名がないと納骨できない可能性がある。お付き合いのある寺院がない場合は宗旨宗派を正確に確認する。
  • 葬儀で戒名を授かる流れは、①菩提寺への依頼(菩提寺がなければ葬儀社へ相談) ②葬儀日程とお布施の確認 ③戒名のランクと戒名料の確認と依頼 ④故人の個人情報の伝達 ⑤戒名授与と白木位牌の作成 ⑥お布施の準備と葬儀での支払いとなっており、お布施は包み方から渡し方の流れまでマナーがある。

北のお葬式では、北海道一円の葬儀を承っている葬儀社として、『北のお坊さん』ではリーズナブルな料金で各種宗派に適した僧侶の紹介や戒名授与やお位牌の準備に対応しています。

戒名なしの葬儀ももちろん問題なく、快適な斎場での家族葬や格安な直葬など、ご要望に応じた葬儀が可能です。

葬儀後の法事・法要やお仏壇やお墓の準備から納骨まで、一括してお任せいただけますので、ご質問やご相談やお見積りなど、どうぞお気軽にお問い合せください。

この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

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