2-5.仏壇・仏具

2024.07.31

お仏壇の配置方法や方角と向き、揃えるべき仏具6種類と置き方まで解説

facebook

twitter

line

葬儀後や引っ越しなどのタイミングで、お仏壇や仏具を用意する方は、最適な配置方法や、仏具の正しい置き方が気になるでしょう。

そこで、どの部屋のどこへ置いたら良いのか、お仏壇に最適な場所や方角について、ポイントを押さえて解説します。

お仏壇は宗派によっても配置方法が異なる場合があり、お仏壇の中へ置いてはいけない物もあるため、あらかじめ知識を学んでおくと安心です。

お仏壇と一緒に揃えるべき仏具の種類と置き方のほか、お仏壇や仏具の配置方法でよくある質問についてもまとめてご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。

お仏壇に最適な部屋と避ける置き場所

仏壇を置く部屋

お仏壇に最適な部屋と、避けるべき置き場所について解説します。

お仏壇に最適な部屋

お仏壇に最適な部屋は、ご自宅のつくりや環境によっても異なりますが、一般的に次のような部屋が好ましいです。

  • 仏間:仏様のための環境が整っている
  • 和室:落ち着きがあり静かに故人を偲べる
  • リビング:家族が手を合わせやすい

新調したお仏壇へは魂が宿るよう、開眼供養によってお坊さんへ読経してもらいます。後々も親戚などへ供養してもらうことを踏まえて、法要が営みやすい部屋を選ぶようにしましょう。

一方で、お坊さんを頼らずに個人的に供養する場合は、人目に触れにくい寝室など、ゆっくりと手を合わせられる場所を選んでも構いません。

お仏壇を避ける場所

お仏壇は、仏様や故人のための大事な祭祀用具です。木製で湿気や直射日光に弱いため、次のような置き場所は避けるようにしましょう。

  • 玄関:人目に触れやすく湿気が多い
  • キッチン:出入りが多く汚れやすい
  • 水回り周辺:湿気が多く傷みやすい
  • 窓際:直射日光や結露で傷みやすい

お線香やロウソクといった火気を使用するため、カーテンや寝具などの燃えやすい物がある場所を避けるようにしてください。

お仏壇の種類による置き方の違い

お仏壇の種類

お仏壇には置き方によって種類があり、大きく分類して次の2つのタイプがあります。

  • 床置きタイプ
  • 上置きタイプ

床置きタイプ

床置きタイプのお仏壇は台付き仏壇とも呼ばれ、床の上に直接置く縦長の形状が特徴です。幅・奥行き・高さの3辺を採寸してから、置き場所に適したお仏壇をお求めください。

なお、扉付きのお仏壇は、扉を左右に開いた状態のゆとりが必要となるため注意しましょう。

椅子付きのお仏壇は、袈裟を着用したお坊さんがゆったりと座れるよう、手前のスペースも確保する必要があります。

上置きタイプ

上置きタイプとは、専門の下台やリビングボードやチェストなどの家具の上に乗せる小型のお仏壇のことをいい、棚などのわずかなスペースに置けるミニ仏壇もあります。

家具の上などへ置く場合も幅と奥行きと高さを採寸して、土台が丈夫かどうかまで確認してください。お仏壇を置く場所は、ご本尊様を見下さない高さがあることがポイントです。

お仏壇を配置する方角

方角_方位

方角 向き 日光対策 宗教による傾向
南向き 背面が北側 曹洞宗・臨済宗
東向き 背面が西側 浄土真宗・浄土宗・天台宗
本山向き 背面が本山側 真言宗

お仏壇を配置する際、基本的に方角は気にする必要がありませんが、直射日光を避けるために最適な方角と、宗教的にお寺からおすすめされる方位があります。

直射日光を避ける方角

日当たりの良い場所へお仏壇を配置すると、直射日光の日焼けによって、変色が起こる場合があります。

  • 南向き(お仏壇の背が北向き)
  • 東向き(お仏壇の背が西向き)

お仏壇の日焼けを防いで美しさを保つためには、直射日光を避けやすい上記の2つのどちらかの方角がおすすめです。

宗教的に推奨される方角

宗派によっては、特定の方位をおすすめされるケースがあるため、その場合は推奨される方角に向けて配置してください。

曹洞宗・臨済宗

曹洞宗や臨済宗では、仏教を開いたお釈迦様が説法の際に南向きに座っていたことから、ご本尊を同じ南向きにするため、お仏壇も南向きが良いという考え方があります。

浄土真宗・浄土宗・天台宗

浄土真宗・浄土宗・天台宗では、仏様の阿弥陀如来様が西方浄土にいると考えらているため、西の方角に向かって手を合わせられるよう、お仏壇を東向きに配置する場合があります。

真言宗

真言宗では、本山のある高野山の金剛峰寺を崇めるために、本山に向かって仏壇を配置することがあります。南向きを勧められる場合もあるため、気になる方はお寺へご確認ください。

家相からみた方角

一般的に気にする必要はありませんが、家相が気になる方は、家の中心から見て北東の方角の鬼門を避けると良いでしょう。

お仏壇は神棚との配置方法に注意する

神棚

お仏壇は、神棚と上下に並べることや、向かい合わせになる配置になることは絶対に避けてください。神棚が高い位置にあれば、お仏壇は神棚と横並びに配置しても構いません。

ご自宅でのお仏壇はお寺、神棚は神社の役割を担い、日本では仏教と神道の2つの宗教を信仰する方も多くいらっしゃいます。

なお、同時に購入した場合や引っ越しで設置する際は、先に神棚を配置してからお仏壇を置きます。お参りも神棚が先、お仏壇が後というマナーも知っておくと良いでしょう。

お仏壇と一緒に揃えるべき仏具6種類

仏具の置き方

お仏壇の種類によっても異なりますが、主流の唐木仏壇やインテリア仏壇では、次の6種類が最低限揃えるべき必要な仏具となります。

  1. ご本尊・掛け軸
  2. お位牌
  3. 具足
  4. リン
  5. 仏飯器・茶湯器
  6. 経机・仏前座布団

そのほか、ご本尊やお位牌へ手向ける常花、線香立てやロウソク火消し、火気対策やお仏壇の傷みを防ぐための防炎マットや打敷、清掃用具や香炉の灰の掃除用品などを揃えます。

各仏具の寸法はお仏壇の大きさによっても異なるため、仏壇店で実際にコーディネートしてもらうとイメージが分かりやすく、失敗を防ぐことができておすすめです。

お仏壇に配置する仏具① ご本尊・掛け軸

本尊_掛け軸

ご本尊はお仏壇の中心となる存在で、宗派別のご本尊と左右の脇侍との3種類をお祀りするのが正式な配置方法です。

お仏壇など造りや内寸によっては、ご本尊だけを祀る場合や、仏像ではなく掛け軸を利用するケースがあるため、仏壇店で相談しましょう。

また、ご本尊や掛け軸には品質やサイズがさまざまあり、価格帯も幅広いため、仏壇店へ相談しながらご予算に合わせて選んでください。

ご本尊の配置方法

ご本尊は宗派によって種類が異なり、お仏壇の須弥壇といわれる中央の高い所へお祀りします。ご本尊の左右には脇侍を置きます。

宗派 (左)脇侍 (中央)本尊 (右)脇侍
天台宗 伝教大師 阿弥陀如来など 天台大師
真言宗 不動明王など 大日如来 弘法大師
浄土宗 法然聖人 阿弥陀如来 善導大師
浄土真宗本願寺派 蓮如聖人など 阿弥陀如来 親鸞聖人など
真宗大谷派 九字名号など 阿弥陀如来 十字名号など
臨済宗 宗派により異なる 釈迦如来 宗派により異なる
曹洞宗 常済大師 釈迦如来 承陽大師
日蓮宗 大黒天 曼荼羅/釈迦牟尼仏/三宝尊 鬼子母神

お仏壇に配置する仏具② お位牌

位牌

お位牌は四十九日法要において、葬儀で利用した白木の仮位牌から本位牌へと魂を入れ替えてお仏壇へ祀ります。

故人の戒名や享年などを彫刻する必要があるため、四十九日の2週間前までを目安に注文をすませましょう。

なお、浄土真宗ではお位牌ではなく、法名軸や過去帳をご用意ください。

お位牌の配置方法

お位牌は、ご本尊の一つ下の段へ配置します。段差のない小さなお仏壇の場合は、ご本尊の右側へ置いてください。ご先祖様のお位牌がある場合には、古い順に右上から並べます。

浄土真宗の場合、法名軸をお仏壇の内側へ掛けて、過去帳は見台(けんだい)と呼ばれる台座の上にのせて、お仏壇の右側に置くのが一般的です。

お位牌の種類

お位牌は、大きく分けて次の2種類の形状があります。好みやお仏壇のイメージに合わせて揃えるのがおすすめです。

  • 札位牌:板位牌とも呼ばれ表裏一体となった一枚板のタイプです。唐木位牌や塗り位牌、インテリア仏壇に最適なモダン位牌などがあります。故人一人もしくはご夫婦の単位、先祖代々の霊位として用意する一般的なお位牌です。
  • 回出位牌:繰り出し位牌とも言われ、内部へは札板が複数枚納められる仕様になっているため、子孫まで代々にわたって利用可能なお位牌です。

お位牌の彫刻

お位牌の文字は、手書き・手彫り・機械彫りのいずれかで行います。白木位牌をもとにしますので、仏壇店で文字入れを依頼する際は、表裏の写真を提示すると間違いを防げます。

  • 梵字・戒名(法名・法号):宗派や階級により異なります
  • 俗名:生前の名前
  • 没年月日:逝去日
  • 享年:生まれた年を1歳と数えます(行年:満年齢)

お仏壇に配置する仏具③ 具足

具足_香炉・花立て・ロウソク立て

具足とは3~5つの仏具一式のことをいい、お線香をお供えする『香炉』、灯明を照らす『ろうそく立て』、花瓶となる『花立て』がこれにあたります。具足には次のような役割があります。

  • 香炉:お線香の香には心身が清められる
  • ろうそく立て:灯明は仏様の智慧を表す
  • 花立て:お花は慈悲の心や極楽浄土で咲く蓮華を表す

お仏壇の大きさに合わせて、各1点ずつの三具足、またはろうそく立てと花立てを左右2つにした五具足を用意しますが、どちらが良いか不明な場合は仏壇店へ相談しましょう。

なお、具足には真鍮・陶器・ステンレス・ガラスなどの材質や、豊富な色柄があり、仏飯器・湯のみ・線香立てとセットになった仏具セットなども市販されています。

具足の配置方法

仏具 香炉 ロウソク立て 花立て
三具足 中央 右側 左側
五具足 中央 香炉の両脇 ロウソク立ての両脇

具足の配置は上記のとおりで、香炉は3本脚の場合、1本の脚を手前に向けて配置します。

お仏壇に配置する仏具④ おりん

おりん

おりんは、経本を読みながらお経を唱える「読経」で必要となる梵音具です。おりんの澄んだ美しい音色は仏様と繋がる架け橋になると言われており、邪気を排除して清める役割があります。

読経において、おりんは音程やリズムや速度を調整する役割もあります。おりんやりん棒にはさまざまな種類やサイズがあるため、お仏壇に似合うものを選びましょう。

りん台やりん布団は宗派によって正式な形状のものもあるため、仏壇店で確認のうえお求めください。

リンの配置方法

リンは、お仏壇の最下段や経机の右側に配置します。リンはリン布団を乗せたリン台の上に乗せ、その右側へリン棒を添えます。

お仏壇に配置する仏具⑤ 仏飯器・茶湯器

仏飯器・茶湯器

仏飯器(ぶっぱんき)や茶湯器(ちゃとうき)とは、ご飯や飲み物をお供えするための専用の器です。

仏様への飲食供養(おんじきくよう)は、日頃の感謝を伝える大切なおつとめとなります。炊きたてのご飯をお供えして、仏前で手を合わせることを毎日の習慣にしましょう。

仏飯器の配置方法

正式には、ご本尊の下の段の中央へ仏器台と呼ばれるお膳台に乗せてお供えします。お仏壇に向かって右側にご飯を盛った仏飯器、左側にお水が入った茶湯器を配置してください。

お仏壇に配置する仏具⑥ 経机・仏前座布団

経机

経机とは、経本を読経する際に使用する小さな机のことをいい、お仏壇の種類や材質などのイメージに合わせて選ぶことが一般的です。

お坊さんを招いて読経供養してもらう法要に備えて、経机と仏前座布団をセットで用意しておくと良いでしょう。

経机の配置方法

本来、経机へは経本のみを置いて読経するため、経机は仏具やお供え物などを置く御供机の手前に配置することが正式な置き方となります。

お仏壇によっては、椅子付きのスライド式の経机の機能を備えたタイプもありますが、その場合はお供え物などを並べる御供机やミニテーブルを別に用意しておくのがおすすめです。

北海道でおすすめの仏壇店は『リ・ノイ』

仏壇店リ・ノイ

北海道で仏壇公正取引協議会へ加盟しているおすすめの仏壇店は、恵庭市の『リ・ノイ』。日本製にこだわった高品質なお仏壇を取り揃えています。
出典:供養ギャラリー リ・ノイ(公式サイト)

お仏壇や仏具の購入は、公正取引委員会と消費者庁認定の仏壇公正取引協議会へ加盟している優良仏壇店がおすすめです。
出典:仏壇公正取引協議会(公式サイト)

仏壇店によっては、わざと高額な定価設定を行い、大幅割引をしているように見せかけて販売する悪徳なケースもあるため、くれぐれもご注意ください。

最新の調査ではお仏壇の相場価格は次のように、10〜50万円が約49%という結果になっています。

  • 1位:20~30万円 14.0%
  • 2位:30~40万円 13.4%
  • 3位:40~50万円 12.0%
  • 4位:10~20万円 11.4%

出典:供養と仏壇に関する実態調査(2024年)(全日本宗教用具協同組合)

お仏壇や仏具の配置方法でよくある質問

よくある質問

お仏壇への配置方法でよくある質問をご紹介しますので、気になる項目があれば参考になさってください。

故人の写真はお仏壇のどこへ飾るの?

お仏壇の中はあの世を表しているため、故人の生前の写真を飾るのはタブーとされています。フォトフレームはお仏壇の外側や、思い出の品を飾る場所を別に用意すると良いでしょう。

葬儀で使用した大きな遺影写真を飾る場合は、お仏壇の上や対面を避ければ、同じ部屋へ飾っても問題ありません。

一方で、無宗教でお坊さんへ供養してもらわない場合は、お仏壇の中へ納めても支障はありませんので、故人へ語りかけやすいように自由にレイアウトしてください。

遺骨はお仏壇のどこへ置いたらいい?

手元供養としてミニ骨壷を飾る場合は、フォトフレームと同じように、お仏壇の中を避けて外側へ置くようにしてください。

個人的な供養としてパーソナル仏壇へお祀りする場合は自由に配置して問題ありませんが、お坊さんへ供養してもらう場合は、遺骨を収容できるタイプのお仏壇を用意するのが無難です。

まとめ:北のお葬式のアフターサービスでは、お仏壇のご相談も承ります!

仏壇・仏具の相談

お仏壇の配置方法や方角と向き、揃えるべき仏具6種類と置き方まで解説しましたが、まとめると次のとおりです。

  • お仏壇を設置する部屋は、ゆっくりと落ち着いて供養できる仏間や和室、家族が集うリビングが最良で、湿気が少ない直射日光を避けられる場所を選ぶ。
  • お仏壇の置き場所は、事前に置き場所の幅・奥行き・高さを採寸して、床置きタイプは扉や椅子のゆとりを確保できる場所を選び、上置きタイプはご本尊を見下さない高さが良い。
  • お仏壇を置く方角は、基本的に直射日光を避けやすい南向きか東向きが良く、お寺からおすすめされた場合には従うようにする。
  • お仏壇で最低限揃えるべき仏具は6種類あり、①ご本尊・掛け軸 ②お位牌 ③具足 ④リン ⑤仏飯器・茶湯器 ⑥経机・仏前座布団を準備する。

北のお葬式では、葬儀後のアフターサービスとして、お仏壇・仏具やお墓・永代供養などの無料相談まで、ご遺族の皆さまをトータルサポートしています。

お引っ越しや介護施設への入所によるお仏壇のお悩みなど、後々のお困りごとのご相談にも無料対応していますので、どうぞお気軽にお問い合せください。

この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

facebook

twitter

line

ページトップへ戻る