お葬式は「香典」「お布施」「葬儀費用「心付け」と、多くのお金が行き交う行事で、いずれのお金にも押さえておくべき相場や注意点があります。
相手に渡すお金では、袋の選び方や書き方、お金の入れ方・包み方、渡し方など、相手に失礼のないよう、マナーに気をつけたいものです。
そこで本記事では、お葬式のお金について、相場費用や知っておくべきマナーを詳しく解説します。葬儀費用についても、最新情報や出費を抑える方法など、役立つ知識が満載です。
これからお葬式をする方・参列する方から、万一に備えておきたい方まで、どうぞ参考になり、お葬式のお金に関する疑問や不安を解消してください。
目次
お葬式で必要なお金は4種類ある

| 種類 | 負担する人 | 渡す相手 | 目的 |
| 香典 | 参列者 | 喪主(遺族) | 弔意と援助 |
| お布施 | 喪主(遺族) | 宗教者 | 謝礼 |
| 葬儀費用 | 喪主(遺族) | 葬儀社 | お葬式の料金 |
| 心付け | 喪主(遺族) | 担当者 | 謝礼 |
お葬式で必要なお金は4つの種類があり、負担する人と渡す相手が異なるため、それぞれのお金の意味や目的について解説します。
香典とは?
香典とは、お葬式の参列者が喪主(遺族)へ渡すお金のことをいい、故人への弔意を表し、「葬儀費用の足しにしてください」という意味があります。
香典を包むのは、お葬式へ参列できない方を含めて、遺族、友人・知人、勤務先や取引先の方、近所の方など、基本的に故人や遺族のあらゆる関係者が対象です。
お布施とは?
お布施とは、喪主(遺族)がお葬式や法要などの供養にあたって、お世話になる宗教者へ謝礼として支払うお金のことをいいます。
| 宗教 | 呼称 |
| 仏式(仏教) | お布施 |
| 神式(神道) | 祭祀料・玉串料・お礼 |
| キリスト教 | 献金・お礼 |
正式には、仏式のお葬式でお坊さんへ渡すお金のことをお布施といい、神式やキリスト教では「お礼」など、上記のような呼び方をするのが一般的です。
お葬式に際して、お付き合いをしているお寺がない場合は、葬儀社へ依頼すると、近隣のお寺を紹介してもらえることが一般的のため、希望の宗旨宗派を伝えましょう。
葬儀費用とは?
葬儀費用とは、葬儀代とも呼ばれ、喪主(遺族)が葬儀社などへ支払うお葬式の料金のことをいいます。
葬儀社を介さず、飲食店や酒屋、ギフト店などの業者を直接利用する場合にも、お葬式に関する料金については、葬儀費用と呼ぶのが一般的です。
心付けとは?
心付けとは、お葬式で世話役や受付係などを手伝ってくれる相手に対して、喪主(遺族)が謝礼として支払うお金のことをいいます。
ただし近年は、親族や友人・知人など、一般の方のみを対象とする場合が多く、葬儀社や業者への心付けは用意しないケースが多い傾向にあります。
お葬式のお金「香典」のマナー

お葬式で参列者側が支払う香典では、知っておくべきマナーがあるため、次の7つのポイントについて解説します。
- 香典の相場金額
- 香典袋の選び方
- 香典のお札の向きと包み方
- 香典の書き方
- 香典に最適なお札の選び方
- 香典の渡し方
- 香典における5つの注意点
香典の相場金額【早見表】
| 故人との関係 | 香典金額 |
| 両親 | 3〜10万円 |
| 祖父母 | 1〜5万円 |
| 兄弟姉妹 | 3〜5万円 |
| おじ・おば | 1〜3万円 |
| 友人・知人 | 5,000〜1万円 |
| 職場関係 | 3,000〜1万円 |
| 取引先関係 | 5,000〜1万円 |
| 社長・役員 | 3〜5万円 |
| 近所の方 | 3,000〜5,000円 |
香典は故人との関係によって、上記のような相場があるため、遺族へ失礼にならないよう、マナーとして適切な金額を用意しましょう。
香典袋の選び方

香典袋の選び方には、次の3つのポイントがあるため、詳しく解説します。
- 種類は宗教に合わせる
- 香典金額に適した品質を選ぶ
- 地域によって水引の色が異なる
香典袋の種類は宗教に合わせる
香典袋にはさまざまな種類があるため、遺族の宗教に合わせて、適切な表書き・水引・絵柄のタイプを選びましょう。
| 宗教 | 表書き | 水引 | 絵柄 |
| 仏教(四十九日法要まで) | 御霊前・御香料 | 白黒・双銀 | 無地・蓮・雲海 |
| 仏教(浄土真宗) | 御仏前 | ||
| 仏教(四十九日以降) | 御仏前・御香料・御供物料 | ||
| 神道 | 御神前・御玉串料・御榊料 | 白黒・双銀 | 無地 |
| キリスト教 | 御花料
カトリック:御ミサ料 プロテスタント:献花料 |
なし | 無地・白百合・十字架 |
| 無宗教 | 御香典・御花料・御香資 | 白黒・双銀 | 無地 |
宗教が不明な場合、表書きは「御霊前」「御香典」とします。ただし、仏教(仏式)では、四十九日を過ぎた場合と、宗派が浄土真宗の場合に限り、「御仏前」にするのがマナーです。
香典袋は香典金額に適した品質を選ぶ
香典袋は、香典金額とバランスが取れた品質のタイプを選ぶことも大切なマナーです。以下の一覧表を目安に、付属している水引の色にも注目しましょう。
| 金額 | 形状 | 中袋 | 紙質 | 水引 |
| 5,000円以下 | 封筒型 | 無し | 上質紙 | 印刷 |
| 1万円以上 | たとう折り | 有り | 奉書紙 | 白黒・白黄 |
| 5万円以上 | たとう折り | 有り | 奉書紙 | 双銀 |
高価な香典袋は、中袋付きの「たとう折り」と呼ばれる上下を折って包むタイプで、高級な和紙(奉書紙)が使用されています。
さらに、香典袋にはサイズもあり、5万円以上は中金封、10万円以上は大金封、100万円を包めるような大判の香典袋も市販されています。
香典袋は地域によって水引の色が異なる
香典袋の水引の色は地域によって異なる場合があるため、分からない場合はお葬式を行う地域の葬儀社へ確認しましょう。
全国的には白黒の水引が多く使用されますが、京都のお葬式では、白黄を使用するケースが多く見受けられます。
香典のお札の向きと包み方

香典のお札の向きと包み方について、ポイントを押さえて分かりやすく解説します。
香典のお札の向き

香典で複数枚のお札を包む際は、すべてのお札の向きを揃えて、外袋の表面から見て、肖像画の絵柄のある表面が裏側の下になるように包みます。
冠婚葬祭でお札の向きにマナーがあるのには理由があり、お葬式における香典は「悲しみで顔を伏せる」という意味を表すためです。
中袋へ入れる際は、裏返して開封した時に、お札の肖像画が表側の下側になる向きで封入しましょう。
香典の包み方

香典の外袋の折り方は、「左→右→下→上」の順序です。先に下側を上に折り上げ、その上に上側を被せて、水引の下へ開封口を差し込むのが正しい手順となっています。
封筒タイプの場合、不幸が重なることを意味するため、二重封筒にならないよう、中袋は使用しないように注意しましょう。
香典の書き方

香典の書き方について、外袋と中袋に分けて解説します。
香典の外袋(表面)の書き方
香典の外袋には、表面の水引の上下へ次の2つを書きます。表書きが印刷されている香典袋へは、水引の下へ氏名のみ記入しましょう。
- 水引の上:「御霊前」などの表書きを記入
- 水引の下:氏名(フルネーム)を記入
お葬式の香典の外袋は、基本的に薄墨の筆・筆ペンを使用するのがマナーです。薄墨を使うのには理由があり、悲しみの涙で墨が薄くなるという意味を表しています。
ただし、地域によって濃い黒墨を使用する場合もあるため、不明な場合は葬儀社へ確認してください。
また、忌明けを迎えた四十九日法要以降に香典を渡す場合は、濃い黒墨を使用するのがマナーです。
代理人が参列する場合や、複数名で香典を包む場合の名前の書き方については、以下の一覧表を参考にしてください。
| 香典を包む人 | 名前の書き方 |
| 夫婦 | 夫の氏名だけを記入するか、夫の氏名の左側に苗字を省略して妻の名前のみ連名で書く |
| 代理で妻が参列 | 夫の氏名の左下に小さめに「内」と書く |
| 代理人が参列 | 本人の氏名の左下に小さめに「代」と書く |
| 複数名(3名以内) | 格上や年長者の順に右から左へ氏名を書く |
| 複数名(4名以上) | 代表者の氏名を書き、左側に「外一同(他一同)」と書く |
| 会社や団体の代表 | 氏名を中心にして、社名や団体名と所属名を右側へ小さく書き、名前の上に小さく肩書きを記入 |
| 団体 | 部署名などの団体名の後ろに「一同」と記入し、別紙で全員分の住所と氏名を書いて中袋へ封入する |
香典の外袋(裏面)の書き方
香典袋に中袋がない場合は、外袋の裏面へ以下の項目を記入しましょう。中袋がある場合は、外袋の裏面は無地のまま、何も記入しなくて構いません。
- 香典金額:水引の下・右側
- 住所:水引の下・左側
- 氏名:水引の下・住所の左側の下寄り
香典の中袋の書き方
香典の中袋は、項目欄がある場合は漏れなくすべて記入し、無地の場合は以下を参考にして、香典金額と住所・氏名を記入しましょう。
- 香典金額:表側の中央または裏側の右側
- 住所:左側
- 氏名:住所の左側の下寄り
中袋は薄墨ではなく、黒のボールペンやサインペンなどを使用して、文字が分かりやすいように、しっかりと明瞭に書きましょう。
香典に最適なお札の選び方

香典は、汚れやしわの目立つお札や、破れているお札を避け、使用感のあるきれいな古札を選びます。
不幸を想定して準備していたかのように感じさせないよう、新札(ピン札)は避けるのがマナーです。やむを得ず新札を使用する際は、縦に折り目をつけましょう。
香典の渡し方

香典の渡し方には、次の3つの方法があるため、お葬式へ参列できない場合は、郵送や弔問によって対処しましょう。
- お葬式で香典を渡す
- 香典を郵送する
- 弔問して香典を渡す
お葬式で香典を渡す
お葬式で香典を渡す際は、受付で「この度はお悔やみ申し上げます」と挨拶をしてから、袱紗(ふくさ)から取り出し、相手から文字が読める向きに正して両手で渡します。
香典は、受付台に小盆があればその上に置きましょう。小盆がない場合は、畳んだ袱紗の上に乗せて差し出すのがマナーです。
受付で香典を渡した後は、芳名帳や芳名カードの項目内容に沿って、氏名・住所・連絡先・故人などの個人情報を漏れなく記入しましょう。
お葬式の受付の流れやマナーについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考になさってください。
参考:葬儀の受付の流れと5つの注意点!受付係の準備や手順とマナーを解説
香典を郵送する
お葬式へ参列できない場合は、香典を喪主宛てに郵送することができるため、訃報連絡を受けたら、速やかに郵便局で現金封筒を購入して、香典袋を入れて発送手続きをしましょう。
その際、「この度はお悔やみ申し上げます 気持ちばかりですがどうぞお納めください」など、一筆箋を添えて送ると親切です。
喪主の名前が分からない場合は、「〇〇〇〇様 ご遺族様」と、故人の遺族宛てであることを明記しておけば問題ありません。
喪主の住所が不明な場合は、葬儀社宛てに「〇〇葬儀社 気付 〇〇〇〇様 ご遺族様」と書いて郵送する方法もあるため、状況に合わせて郵送方法を選択しましょう。
弔問して香典を渡す
香典は、故人の自宅を訪問して渡す方法もありますが、遺族にとって葬儀前後は、とても忙しい時期です。必ず事前に遺族へ連絡をして許可を取り、日時を決めてから弔問しましょう。
弔問の際は、玄関で「この度はお悔やみ申し上げます」と挨拶をします。自宅へ上がらない場合は「こちらで失礼いたします」と、袱紗の上に置いた香典を相手から文字が読める方向に正して渡します。
自宅へ上がり、故人との対面や遺族と会話をする際は、「ご霊前へお供えください」と、遺族へ香典を手渡しましょう。
弔問する際の流れやマナーについては、以下の記事で詳しく解説していますので、どうぞ参考になさってください。
参考:弔問とは?流れやマナーと5つの注意点!服装と持ち物や訪問する時期
香典における5つの注意点

お葬式の香典には、5つの注意点があるため、マナー違反にならないように、しっかりと読んで理解を深めましょう。
- 香典辞退をしている場合は渡さない
- 香典は4と9を避けた奇数の金額を包む
- 香典の金額は返礼品や料理の費用を加味して不足のないようにする
- 供花料(御花代)は香典とは別に渡す
- 香典は袱紗に包んで持ち歩く
香典辞退をしている場合は渡さない
近年人気の家族葬では、遺族が香典辞退をする場合があり、香典のほかにも、供物・供花・弔電・弔問などをお断りすることがあります。
このようなケースでは、故人や遺族の気持ちを尊重するのがマナーのため、香典は渡さないように注意しましょう。
香典は4と9を避けた奇数の金額を包む
身内などの親しい関係では例外もありますが、香典の金額は別れをイメージさせないよう、基本的に偶数を避け、「奇数」にするのがマナーです。
また、縁起の悪い語呂合わせとして、『忌み数(いみかず)』の「4(死)」「9(苦)」が付く金額を避けるのも一般常識のため、香典の金額には気をつけましょう。
香典の金額は返礼品や料理の費用を加味して不足のないようにする
香典は、香典返しの返礼品や、通夜振る舞いや精進落としの料理代の費用を踏まえた金額を包むように注意しましょう。
地域によっても異なりますが、近年はお葬式の当日に香典返しをするケースが多く、一律返しの場合、北海道なら1,000〜2,000円、関東などでは3,000円程度の香典返しを用意します。
食事代は、1人1食あたり3,000〜5,000円程度が相場費用のため、遺族へ負担をかけないように配慮するのがマナーです。
供花料(御花代)は香典とは別に渡す
お葬式で供花を出する際、親族の方は遺族へ確認をしてください。供花料を立て替えてもらっている場合、香典とは別に「御花代」という表書きでお金を包むのが正式なマナーです。
地域や葬儀社の料金プランによっても異なりますが、御花代の相場は、一般的に1基なら1~2万円、2基(1対)なら1万5,000~3万円となっています。
香典は袱紗に包んで持ち歩く
香典は、お葬式や弔問に向かう前からしっかりと袱紗に包んで持ち歩くのがマナーのため、共有していない場合は、事前に用意しておきましょう。
袱紗には弔事用と慶事用とがあり、弔事用では、紺・紫・グレーなどの色合いがあります。香典を右→下→上→左の順に包む台付き袱紗や、財布のように収納できる金封袱紗が便利です。
お葬式のお金「お布施」のマナー

お葬式で喪主(遺族)が支払うお布施では、知っておくべきマナーがあるため、次の7つのポイントについて解説します。
- お布施の相場金額と内訳
- お布施袋の選び方
- お布施のお札の向きと包み方
- お布施の書き方
- お布施に最適なお札の選び方
- お布施の渡し方
- お布施における5つの注意点
お布施の相場金額と内訳【早見表】
お布施は、お葬式でお世話になる僧侶へ失礼のないよう、相場金額と内訳を知っておくことが大切です。
| 表書き | 内訳 | 相場費用 |
| 御布施 | 読経料・戒名料 | 10〜50万円 |
| 御車代 | ガソリン代・駐車場代・タクシー代などの交通費 | 5,000円〜1万円 |
| 御膳料 | 会食をしない場合の食事代 | 5,000円〜1万円 |
| 御宿泊料 | ホテル代などの宿泊費 | 不足がないように |
お布施の金額は、次の3つの要素によって相場が幅広く異なるため、詳しく解説します。
- 葬儀形式
- 地域性
- 戒名料
葬儀形式によるお布施の相場金額の違い
| 葬儀形式 | お布施の相場金額 |
| 一般葬 | 10〜50万円 |
| 家族葬 | |
| 一日葬 | 10〜30万円 |
| 直葬・火葬式 | 3〜10万円 |
- 一般葬:昔ながらの会葬者を多く招く2日間のお葬式
- 家族葬:近年最も人気の2日間で行う少人数のお葬式
- 一日葬:お通夜を省略して1日でお葬式をする家族葬
- 直葬・火葬式:儀式を省略して火葬を目的とするお葬式
お葬式には4つの葬儀形式があり、お布施の金額は葬儀形式によって異なります。最新の葬儀形式に関する調査によると、最も人気があるのは家族葬で、葬儀全体の50%となっています。
地域によるお布施の相場金額の違い
| 地域 | お布施の相場金額 |
| 北海道地方 | 約33万円 |
| 東北地方 | 約60万円 |
| 関東地方 | 約52万円 |
| 中部地方 | 約53万円 |
| 近畿地方 | 約46万円 |
| 中国地方 | 約42万円 |
| 四国地方 | 約39万円 |
| 九州地方 | 約29万円 |
| 全国平均 | 約47万円 |
お葬式は地域の風習として根付いている傾向が強く、お布施の金額も地域によって上記のように差があります。
戒名料の相場金額の違い
| 宗派 | 信士・信女 | 居士・大姉 | 院信士・院信女 | 院居士・院大姉 |
| 真言宗 | 30〜50万円 | 50〜70万円 | 80万円以上 | 100万円以上 |
| 天台宗 | 30〜50万円 | 50〜70万円 | 80万円以上 | 100万円以上 |
| 曹洞宗 | 30万円以上 | 50〜70万円 | 100万円以上 | 100万円以上 |
| 臨済宗 | 30〜50万円 | 50〜80万円 | ‐ | 100万円以上 |
| 日蓮宗 | ‐ | ‐ | 30〜50万円 | 100万円以上 |
| 浄土宗 | 30〜40万円 | 50〜60万円 | 70万円以上 | ‐ |
| 浄土真宗 | 釋・釋尼
20万円以上 |
– | 院釋・院釋尼
50万円以上 |
‐ |
戒名料は、宗派や戒名のランクによって差があります。さらに、地域によっても差があり、北海道での戒名料の相場は以下のとおりとなっています。
| 宗派 | 信士・信女 | 居士・大姉 | 院信士・院信女 | 院居士・院大姉 |
| 真言宗 | 5〜10万円 | 10〜15万円 | – | 20〜30万円 |
| 曹洞宗 | 5〜10万円 | 10〜15万円 | – | 20〜30万円 |
| 日蓮宗 | – | – | 10〜15万円 | 20〜30万円 |
| 浄土宗 | 5〜10万円 | 10〜15万円 | – | 20〜30万円 |
| 浄土真宗 | 釋・釋尼
0〜3万円 |
– | 院釋・院釋尼
15〜30万円 |
– |
お布施袋の選び方

お布施袋の選び方にはマナーがあるため、次の4つのポイントについて解説します。
- お布施は「御布施」「御車代」「御膳料」の3つの表書きの袋を用意する
- お布施は基本的に水引が不要
- お布施は奉書紙でたとう包みをするのが最良だが、白い封筒でも構わない
- 白い封筒を使用する際は厚手で郵便番号枠のない縦書きタイプを選ぶ
お布施は「御布施」「御車代」「御膳料」の3つの表書きの袋を用意する
- 御布施:基本的に読経料と戒名料を一緒に包んでも問題ない
- 御車代:複数名の場合はそれぞれの僧侶へ渡すのが基本(寺院でお葬式をする場合や遺族側が送迎を行う場合は不要)
- 御膳料:食事をしない場合はそれぞれの僧侶へ渡すのが基本
お葬式のお布施は、上記の3つの封筒を用意しておくようにしましょう。遠方から菩提寺に来てもらう場合は、宿泊費や旅費を包んだ「宿泊料」も別に用意します。
お布施は基本的に水引が不要
お布施は、基本的に水引が不要ですが、地域によっては、白黒(5万円以上の高額の場合は双銀)などの水引の付いたお布施袋を使用する場合があります。
さらに、京都などでは、お葬式で黄白の水引のお布施袋を使用するケースがあるため、不明な場合は、菩提寺や地域の葬儀社へ確認しましょう。
お布施は奉書紙でたとう包みをするのが最良だが、白い封筒でも構わない
お葬式のお布施は、中包み(中袋へ入れる)をして、奉書紙でたとう包みをするのが最も丁寧な形です。
お布施袋は、文房具店やホームセンターのほか、最近はコンビニエンスストアや100円均一などでも入手できるため、確認してみるとよいでしょう。
どうしても準備が難しい場合は、白い封筒を使用して、自分で表書きを書いても問題ありません。
白い封筒を使用する際は厚手で郵便番号枠のない縦書きタイプを選ぶ
お布施で白い封筒を使用する際は、お金が透けて見えない厚手のものを選びましょう。さらに、表側に郵便番号枠が印字されていない縦書きの封筒とします。
- 長形4号(90×205mm):1万円〜5万円程度
- 長形3号(120×235mm):5万円以上
既製品の封筒を使用する際は、上記の規格サイズと金額を目安に選んでください。
お布施のお札の向きと包み方

お葬式で渡す場合でも、僧侶へ渡すお布施は謝礼に値し、弔意を示す必要がないため、お布施のお金の入れ方や包み方は、香典と異なることに注意しましょう。
お布施のお札の向き
お布施は、すべてのお札の向きを揃えて、外袋の表面から見て、肖像画の絵柄のある表面が表側の上になるように包みます。
中袋へ入れる場合は、裏返して開封した時に、お札の肖像画が裏側の上側になる向きで袋に入れましょう。
お布施の包み方
お布施の外袋のたとう折りは、「左→右→下→上」と、香典と同じ順序です。先に下側を上に折り上げ、その上に上側を被せて、横から下の折り返し部分を差し込みます。
水引があるお布施袋の場合は、開封口を水引の下へ差し込みます。封筒を使用する際は、中袋や中包みは必要ありませんので、二重封筒は避けましょう。
お布施の書き方

お布施の書き方について、外袋と中袋に分けて解説します。
お布施の外袋(表面)の書き方
お布施の外袋には、表面の上下へ次の2つを書きます。表書きが印刷されている香典袋へは、中央の下へ氏名のみ記入しましょう。
- 中央より上:「御布施」などの表書きを記入
- 中央より下:氏名(フルネーム)または「〇〇家」と記入
お布施袋は薄墨ではなく、濃い黒墨の筆・筆ペンを使用するのが基本マナーです。
お布施の外袋(裏面)の書き方
お布施袋に中袋がない場合は、外袋の裏面へ以下の項目を記入しましょう。中袋がある場合は、外袋の裏面は無地のまま、何も記入しなくて構いません。
- 住所:中央より下・左側
- 氏名:住所の左側・下寄り
- お布施の金額:氏名の左側
お布施の中袋の書き方
お布施の中袋は、項目欄がある場合は漏れなくすべて記入し、無地の場合は以下を参考にして、お布施の金額・住所・氏名を記入しましょう。
- お布施の金額:表側の中央または裏側の右側
- 住所:左側
- 氏名:住所の左側の下寄り
中袋へ文字を書く場合は、筆ペンではなく、黒のボールペンやサインペンなどを使用しても構いません。
お布施に最適なお札の選び方

お布施は、お世話になる僧侶へ真心を込めて用意したことが伝わりやすいように、新札を包みましょう。
新札の用意が難しい場合は、汚れや折り目の少ないできる限りきれいなお札を選んで包みます。
お布施の渡し方

お葬式で僧侶へのお布施の渡し方は、次の手順で行います。マナー違反にならないよう、あらかじめ流れを把握しておきましょう。
- お布施を一番上にして、お布施は袋を重ねて切手盆へ乗せる
- 切手盆を両手で持って導師控室へ向かい、一礼をしてから入室する
- 机を挟まず、座布団を使わずに畳へ正座する
- 僧侶へ簡単な挨拶をしてお辞儀をする
- お布施の向きを整えて「どうぞお納めください」と差し出す
- お辞儀をしてから退室する
お葬式でお布施を渡すのは、お葬式の前後です。葬儀社へ依頼しておくと、適切なタイミングを見計らって声をかけてくれるため、誘導まで頼んでおくとよいでしょう。
僧侶への挨拶の言葉は、葬儀前なら「本日はどうぞ宜しくお願い申し上げます」、葬儀後なら「本日は誠にありがとうございました」と、シンプルで問題ありません。
お布施における5つの注意点

お葬式のお布施では、気をつけるべき5つの注意点があるため、事前に確認してトラブルを回避しましょう。
- お布施の金額は菩提寺へ相場を確認する
- 菩提寺がある場合は戒名を付けないと納骨できない可能性がある
- 戒名の有無やランクは親族へも相談する
- お布施の金額は4と9を避ける
- お布施は袱紗に包んで持参し、切手盆へ乗せて渡す
お布施の金額は菩提寺へ相場を確認する
お布施の金額は、お付き合いをしている菩提寺へ「皆様、いくらぐらいですか?」と、事前に相場を確認するように注意してください。
戒名料についても、ランクと金額について相談して、先々の法要や供養を依頼しやすい良好な関係を保ちましょう。
菩提寺がある場合は戒名を付けないと納骨できない可能性がある
菩提寺にお墓がある場合、お葬式で読経の依頼をして戒名を授からないと、納骨できない可能性があるため気をつけましょう。
戒名がいらないと考えている場合は、あらかじめ問題ないかどうかを確認しておくことが大切なため、以下の記事を参考になさってください。
参考:戒名がいらない場合の4つの注意点!俗名の意味や対処法について解説
戒名の有無やランクは親族へも相談する
戒名は、故人の生前の貢献や人柄を表し、位牌やお墓へ彫刻して子孫へ受け継がれてゆく大切な死後の名前です。
そのため、戒名の有無やランクは、家族のみならず、故人の血縁者にあたる親族へも相談して、トラブルにならないように注意しましょう。
お布施の金額は4と9を避ける
お布施の金額は、香典と同じように、忌み数の4と9が付く数字の金額を避けるようにしましょう。
ただし、お布施は香典とは違い、奇数や偶数を気にする必要がありません。
お布施は袱紗に包んで持ち歩き、切手盆へ乗せて渡す
お布施は袱紗に包んで持ち歩き、お葬式で僧侶へ渡す時は、葬儀社へ切手盆を借りて、袱紗から取り出したお布施を乗せて渡します。
切手盆がない場合は、袱紗をお盆に見立てて、閉じたお布施の上にお布施を乗せて渡しましょう。
お葬式のお金「葬儀費用」の相場金額とマナー

お葬式にかかるお金の葬儀費用について、押さえておくべき次の5つのポイントを解説します。
- 葬儀費用の相場金額と内訳
- 葬儀費用の葬儀形式による相場金額の違い
- 葬儀費用の地域による相場金額の違い
- 葬儀費用を抑える方法
- 葬儀費用の5つの注意点
葬儀費用の相場金額と内訳
2024年に発表された葬儀費用の相場は、「118.5万円」となっており、内訳は「葬儀代」「飲食代」「返礼品」の3つとなっています。
| 内訳 | 葬儀代 | 飲食代 | 返礼品代 | 総額 |
| 費用 | 75.7万円 | 20.7万円 | 22.0万円 | 118.5万円 |
| 比率 | 63.9% | 17.5% | 18.6% | 100% |
集計対象期間:2022年3月〜2024年3月
※経済産業省が発表している2024年1月〜12月の平均金額(件数/葬儀業の売上)は「121.5万」と、約3万円の差がある。
葬儀費用の内訳における品目内容は、次のとおりです。
- 葬儀代:葬儀プランの基本料・オプション料金・追加料金などの費用
- 飲食代:通夜振る舞い・精進落としなどの飲食費
- 返礼品代:香典返し・会葬御礼品・礼状の費用
お葬式では、これらの葬儀費用のほか、前章で解説したお布施が必要となります。
葬儀費用の葬儀形式による相場金額の違い
| 葬儀形式 | 人数目安 | 通夜 | 葬儀・告別式 | 火葬 | 相場費用/中央値 |
| 一般葬 | 30名以上 | 〇 | 〇 | 〇 | 161.3万円/120~140万円 |
| 家族葬 | 30名以下 | 〇 | 〇 | 〇 | 105.7万円/60~80万円 |
| 一日葬 | 30名以下 | ✕ | 〇 | 〇 | 87.5万円/20~40万円 |
| 直葬・火葬式 | 数名 | ✕ | ✕ | 〇 | 42.8万円/20~40万円 |
葬儀費用は、主に「葬儀形式」によって上記のとおり相場が異なり、規模が大きく、充実した内容のお葬式ほど、金額が高くなる仕組みです。
葬儀費用の地域による相場金額の違い
葬儀費用は、地域のお葬式の風習によって異なり、具体的に次のような品目で料金に差があります。
- 式場使用料:地価や競合他社の有無によっても異なり、地域によっては安価な公営斎場で葬儀ができない。
- 火葬料:火葬場は地域によって0〜9万円と幅広い料金設定になっている。
- 人件費:能力のみならず、地域の賃金相場によっても異なる。
- 会葬御礼品:地域によっては、香典返し以外に参列者全員へ会葬御礼品(500〜1000円未満)を準備する。
- 香典返し:全国的に香典金額の1/3〜1/2の金額の品物を準備することが多いが、北海道では1,000円程度が一般的。地域によっては、香典金額を少なくして、返礼品を準備しない場合がある。
- 飲食代:通夜振る舞いは、参列者全員を対象とする地域もあるが、北海道などでは家族・親族のみで会食をする。
葬儀費用を抑える方法

葬儀費用を抑える方法として、事前に押さえておくべき7つのポイントをご紹介します。
- 事前に複数の葬儀社から見積取得をする
- 葬儀形式や式場(斎場や自宅など)について複数の見積取得をして比較検討する
- 費用メリットのある斎場を選ぶ
- 事前相談会や斎場見学会へ参加して葬儀社と葬儀プランを決めて予算を把握しておく
- 会員特典や割引サービスを活用する
- お葬式までの日程を早めるなど葬儀社へアドバイスを仰ぐ
- お葬式でもらえる給付金を申請する
①事前に複数の葬儀社から見積取得をする
お葬式に際しては、事前に複数の葬儀社から見積取得をして、比較検討しましょう。
同じ名称の葬儀プランでも、含まれる品目は葬儀社によって異なるため、過不足のないよう確認します。基本料金以外の飲食代や返礼品についても内容や費用をチェックしてください。
②葬儀形式や式場(斎場や自宅など)について複数の見積取得をして比較検討する
葬儀形式なら「一般葬と家族葬」「家族葬と一日葬」、式場なら「斎場と自宅」など、複数のパターンで見積取得をして、よく比較検討するようにしましょう。
一般葬は葬儀費用がかかる反面、多くの香典収入が見込めるメリットもあるため、お葬式のお金は、出費のみならず、収支として考えることも大切です。
③費用メリットのある斎場を選ぶ
斎場によっては、次のような費用メリットが得られる場合があるため、葬儀プランは内容をしっかりと確認しましょう。
- 家族や親族が宿泊できてホテル代がかからない
- 飲食の持ち込みが自由にできて飲食代を抑えられる
- ご遺体の安置施設があり保管料や搬送費用を削減できる
- 祭壇や仏花が料金プランに含まれている
④事前相談会や斎場見学会へ参加して葬儀社と葬儀プランを決めて予算を把握しておく
あらかじめ葬儀社や斎場、葬儀プランなどの詳細を決めて、お葬式の予算を把握しておくと、葬儀費用が計画的に準備でき、安心できるでしょう。
葬儀社によっては、事前相談会や斎場見学会を開催しています。お金に関する悩みや、お葬式に関する不明点などを相談して、不安を解消しておくことがおすすめです。
⑤会員特典や割引サービスを活用する
葬儀社では、会員特典や事前相談による割引サービスなどを用意している場合があります。お得な情報がないかどうか、事前にしっかり調べておきましょう。
葬儀後の法事・法要、仏壇・仏具、お墓など、便利なサービスや特典なども確認しておくと、より多くのメリットが得られます。
⑥お葬式までの日程を早めるなど葬儀社へアドバイスを仰ぐ
お葬式で費用を削減するためには、利用する葬儀社へ直接相談して、次のようなアドバイスを求めることも大切です。地域性や状況に応じて、臨機応変な提案をしてもらいましょう。
- オプションやグレードアップを利用しない
- お葬式の日程を早めて、ご遺体の安置料やドライアイス代を削減する
- 身内や友人・知人へ依頼して、葬儀スタッフの人件費を削減する
⑦お葬式でもらえる給付金を申請する
お葬式では、事前申告や葬儀後の申請手続きによって給付金がもらえる場合や、安い費用でお葬式ができる場合があるため、あらかじめ調べておきましょう。
- 葬祭費・埋葬料:故人が加入していた健康保険や社会保険から「葬祭費」「埋葬料」として、3万~7万円程度が支給される制度
- 市民葬・区民葬:地域によっては、 故人や喪主の居住地の自治体と地元の葬儀社との提携により、低価格の葬儀プランがある
- 葬祭扶助:生活保護受給者が事前申告により条件を満たした場合、自己負担なしで必要最小限のお葬式(直葬)を行える制度
葬儀費用の5つの注意点

葬儀費用には、気をつけなければならない5つの注意点があるため、事前によく読んで理解しておきましょう。
- 見積りは追加の可能性がある費用の品目と単価を必ず確認する
- 本人が葬儀費用を準備していないかどうかを確認する
- 葬儀費用は事前に支払い方法と期限を確認する
- 価格だけで選んで失敗しないように接客対応の良い信頼のできる葬儀社を選ぶ
- 故人の預金口座は凍結する場合がある
見積りは追加の可能性がある費用の品目と単価を必ず確認する
見積りは、追加の可能性がある費用の品目と単価を必ず確認して、想定外のお金の負担を増やさないようにしましょう。
お葬式では、見積取得時よりも費用が高くなる場合があります。特に葬儀プランが安価な場合、必要品目が含まれていないケースがあるためご注意ください。
本人が葬儀費用を準備していないかどうかを確認する
お葬式をする際は、本人が自分自身で葬儀費用の積立金の準備や葬儀保険に加入していないかどうか、必ず事前に確認しておきましょう。
近年は生前の終活によって、自分の葬儀費用を積み立てたり、葬儀費用として使える保険に加入する方が増えています。
もしものことがあったときに、エンディングノートへお葬式に関する準備状況や要望を記載している場合もあるため、チェックしておくと安心です。
葬儀費用は事前に支払い方法と期限を確認する
葬儀費用は、事前に支払い方法と期限を確認して、葬儀社とトラブルにならないように契約を厳守して精算しましょう。
クレジットカード払いによりポイントが貯められる、ローンで手数料の負担が増えるなど、メリット・デメリットを見極めることも大切です。
価格だけで選んで失敗しないように接客対応の良い信頼のできる葬儀社を選ぶ
お葬式は、家族はもちろん、親族や参列者にとっての満足度もたいへん重要なため、接客対応の良い信頼できる葬儀社を選びましょう。
親切・丁寧な葬儀社や斎場かどうかは、Googleマップの口コミをチェックするのがおすすめです。ぜひ、安心感や快適さといった付加価値についても確認してください。
お葬式のお金「心付け」の相場金額とマナー

お葬式を手伝ってもらった方へ渡す「心付け」について、押さえておくべき次の6つのポイントを解説します。
- お葬式の心付けの相場金額
- お葬式の心付けの袋の選び方
- お葬式の心付けのお金の入れ方と書き方
- お葬式の心付けのお金の選び方
- お葬式の心付けの渡し方
- お葬式の心付けの注意点
お葬式の心付けの相場金額
お葬式における心付けは、相手の役割によって相場金額があり、目安は以下のとおりです。
| 役割 | 相場金額 |
| 一般の方の場合 | |
| 代表世話役 | 1〜3万円 |
| 一般世話役 | 5,000〜1万円 |
| 受付係・会計係・案内係 | 3,000〜5,000円 |
| 弔辞を頼んだ方 | 3,000〜5,000円 |
| お手伝い係 | 2,000〜3,000円 |
| 葬儀社・業者の場合 | |
| 担当者 | 5,000~1万円 |
| 霊柩車・ハイヤー・マイクロバスの運転手 | 3,000~5,000円 |
| 民営火葬場の係 | 3,000~5,000円 |
| 配膳係 | 1,000~3,000円 |
ただし、葬儀社や業者によっては不要な場合や、地域によって異なるケースがあるため、本章の注意点をよくご確認ください。
お葬式の心付けの袋の選び方
お葬式で渡す心付けは、次のように、包むお金の金額に合わせて袋の種類を選ぶのが一般的です。
| 金額 | 袋の種類 |
| 1万円以上 | 白い封筒(長形4号程度) |
| 1万円未満 | ポチ袋 |
袋は二重封筒を避け、お札を折らずに封入できる白い封筒か、スムーズに手渡ししやすいコンパクトなポチ袋を準備します。
ポチ袋は、白い無地のほか、表書きが印刷されたものや、お葬式に適したシンプルな色柄を選びましょう。
香典袋やたとう包みの金封袋は使用しないでください。
お葬式の心付けのお金の入れ方と書き方

心付けのお金の入れ方と封筒やポチ袋への書き方は、次の一覧表のとおりで、濃い黒墨のサインペンや筆ペンなどで名前を記入します。
名前は、苗字だけで問題ありません。
| 袋 | お金の入れ方 |
| 封筒 | 封筒の表面にお札の肖像画が表面の上側になるように封入する |
| ポチ袋 | お札の肖像画を内側に左→右の順に三つ折りにして、ポチ袋の表面に折り畳んだ面がくるように封入する(袋と肖像画の上下の向きを揃える) |
| 項目 | 書き方 |
| 表書き | 志・御礼・心付 |
| 名前 | 表書きの下または裏面の左下へ苗字または氏名 |
お葬式の心付けのお金の選び方

お葬式の心付けは小銭を使わず、お札で渡すのが基本マナーです。心付けは謝礼に値するため、香典とは違い、新札を使用しても問題ありません。
ただし、わざわざ新札を用意する必要はないため、汚れや破れ、しわが目立つお札を避け、なるべくきれいなお札を選びましょう。
お葬式の心付けの渡し方

心付けは「本日はお世話になります(なりました)」と、喪主が直接、相手に手渡すのが礼儀です。難しい場合は、代表者へまとめて渡したり、家族や親族へ協力を得て渡しましょう。
タイミングとしては、お葬式の前、搬送や火葬の前など、事前に渡した方がスムーズです。さらに、事後よりも事前に渡した方が、快い対応に繋がりやすくなるでしょう。
また、あらかじめ葬儀社へ相談して、手渡す時間を作ってもらったり、葬儀社を介して渡してもらう流れを検討してもらうのも一つの方法です。
お葬式の心付けの注意点

葬儀社や業者への心付けは不要なケースが多いため、渡したい場合は、事前に葬儀社へ確認してから準備するようにしましょう。
かつては、葬儀社やあらゆる業者へ心付けを配ることが一般的でしたが、現在は仕事として賃金が発生する立場の方へは用意しないことが多い傾向にあります。
一方で、親族や友人・知人などへ何らかの役割を頼んだ場合は、現金やクオカードなど、お金相当の謝礼を用意するのが無難です。
ただし、近所の方が手伝うことが当たり前の場合や、金銭ではなく品物を贈る場合など、地域の風習や家系によって考え方は異なるため、迷うときは葬儀社へ相談してください。
お葬式のお金でよくある質問

お葬式のお金について、よくある質問をご紹介しますので、気になる項目があれば確認して、ぜひ参考になさってください。
お葬式のお金(香典・お布施)の金額の書き方は?
| 一 | 二 | 三 | 五 | 十 | 千 | 万 | 円 |
| 壱 | 弐 | 参 | 伍 | 拾 | 仟 | 萬 | 圓 |
| 金額 | 書き方 |
| 5,000円 | 金伍仟圓也 |
| 1万円 | 金壱萬圓也 |
| 3万円 | 金参萬圓也 |
| 5万円 | 金伍萬圓也 |
| 10万円 | 金拾萬圓也 |
香典やお布施の金額は、大字という旧漢字で書くのが正しいマナーのため、見本を参考にして記入しましょう。
最後の「也」の漢字は、端数がないという意味を表します。表記するかどうかの決まりはないため、自己判断で決めても構いません。
お葬式のお金はお布施がいらない無宗教葬儀なら安くなる?
宗教者を呼ばない無宗教のお葬式では、お布施の支払いが不要です。しかし、親族に反対される場合や、参列者にとって物足りなさを感じる場合があるため、注意しなければなりません。
反対されないためには、音楽や故人の動画・スライドショーを流したり、思い出の品物を展示したりするほか、ビュッフェスタイルの会食をするなど、充実したお葬式にするための工夫が必要といえます。
無宗教葬儀については、以下の記事で詳しく解説していますので、どうぞ参考になさってください。
参考:無宗教の葬式の特徴は?無宗教葬の流れやマナー費用についても解説
お葬式のお金は誰が負担するの?
お葬式でかかるお金は一般的に喪主(施主)が支払いますが、法的な決まりはないため、家族や親族など、誰が支払っても問題ありません。
葬儀費用は、親のお葬式なら子供たちで分担して支払うケースや、お金がない場合は親族に相談して用立ててもらうケースなどもあります。
大切な故人のお葬式をきっかけに揉め事にならないよう、お金については事前に家族でよく話し合って方針を決めましょう。
まとめ:お葬式のお金は事前に地域の相場金額やマナーを確認して準備しましょう!

お葬式のお金について、相場金額やマナー、注意点などを解説しましたが、まとめると次のとおりです。
- お葬式のお金には、遺族が払う「お布施」「葬儀費用」「心付け」と、参列者が払う「香典」といった4種類がある。
- お葬式は地域の風習と根付いており、必要なお金はいずれも地域によって相場金額が異なり、香典袋やお布施袋も地域で水引の色が違う場合がある。
- お葬式で渡すお金はマナーが大切で、香典は弔意、お布施・心付けは謝意を表すものとして、お金の入れ方やお札の選び方が反対になることに注意する。
- お葬式にかかる葬儀費用には、葬儀代・飲食代・返礼品の内訳があり、葬儀形式や地域によって相場金額に大きな差がある。
お葬式のお金は、遺族も参列者も地域によって相場金額やマナーが異なることに気をつけましょう。
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お葬式の準備をしたい方には、葬儀費用の積立金制度のご案内も行っていますので、どうぞお気軽にお問い合せください。



