最近よく聞く『家族葬』。昔ながらの『一般葬』との違いを問われると、きちんと答えられない方が多いようです。…それもそのはず。
かつては知り合いが亡くなると、それほど親しい間柄でなくても葬儀へ参列することが当たり前でしたが、現在は家族葬が主流となり、参列する機会も減っています。
そのため、まだ一度も家族葬へ参列したことのない方もいらっしゃると思いますが、一般葬とは具体的に何がどう違うのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。
家族葬という名称から、家族葬は「身内だけで行う葬儀」と思っていたら、大間違い。身寄りのいない方でも、友人・知人などによって家族葬を行うことが可能です。
実は、家族葬と一般葬には大きな3つの違いがあるため、本記事では、その具体的な違いについて、誰にでも分かりやすく解説いたします。
さらに、家族葬と一般葬のどちらにするか迷っている方のため、最適な選び方のポイントや、解決方法の手順までご紹介しますので、お困りの方はどうぞ参考になさってください。
目次
家族葬と一般葬の違いは3つある
家族葬と一般葬における具体的な違いは3つあります。
- 会葬者の有無
- 参列者の人数
- 葬儀費用の差
項目 | 家族葬 | 一般葬 |
会葬者の有無 | 無し | 有り |
参列者の人数目安 | 30名未満 | 30名以上 |
葬儀費用の相場 | 50〜100万円前後 | 100万〜150万円前後 |
会葬者の有無
家族葬では会葬者がいないのに対して、一般葬では近所の方や人伝に訃報を知った方など、あらゆる方々が訪れます。
なお、会葬者とは、お香典とお焼香のみを目的とする参列者のことをいい、葬儀の席に着席する方は含みません。
参列者の人数の違い
家族葬と一般葬では参列者の人数が異なり、家族葬は通常30名未満を目安とするケースが多いです。しかし収容人数は斎場ごとに異なるため、必ず確認しましょう。
なお、参列者とは、席に着席する方のことをいい、家族や親族はお通夜と葬儀・告別式の両日、これら近親者以外の一般の方は、お通夜へ参列することが一般的です。
葬儀費用の差
地域や人数などによっても異なりますが、家族葬と一般葬では、おおよそ30〜50万円程度の差があります。
たとえば北海道の場合、葬儀費用の相場として、家族葬なら50〜100万円前後、一般葬なら100万〜150万円前後で、そのほかにお布施が必要なことが多いです。
しかし、利用する斎場をはじめ、人数や品目の内容や数量によっても金額は異なるため、必ず事前に見積取得をしてください。
家族葬と一般葬とで迷いやすい主な理由は地域性
家族葬と一般葬とで迷いやすい主な理由は地域性にあるため、理解しやすいように、基本的な葬儀形式の種類と具体例をご紹介します。
葬儀形式の種類
種類 | 説明 |
一般葬 | 昔ながらの多くの人が参列する葬儀 |
家族葬 | 身内のみなど少人数で行う葬儀 |
一日葬 | お通夜を省いて1日で済ませる家族葬 |
直葬・火葬式 | 基本的に火葬のみを行うお葬式 |
葬儀形式には基本的に上記の4つタイプがあり、お通夜と葬儀・告別式の2日間にわたってお葬式が行われますが、1日で終わらせる方法もあります。
北海道は家族葬と一般葬とで迷いやすい
葬儀は風習として地域に根付いた特性があり、北海道のように家族葬と一般葬がほぼ同率で行われている地域では、どちらにするか迷いやすいといえるでしょう。
地域 | 家族葬 | 一般葬 | その他 |
全国 | 約60% | 約25% | 約15% |
北海道 | 約45% | 約40% | 約15% |
家族葬と一般葬を合計するといずれも85%となっており、割合が異なることが大きな特徴です。
家族葬と一般葬の選び方のポイント
家族葬と一般葬にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、ポイントを押さえて分かりやすく解説します。
家族葬のメリット
家族葬のメリットは次の3つで、心身の負担が軽減できることと葬儀費用を抑えられることがポイントです。
- 少人数でゆっくりと葬儀ができる
- 葬儀の準備や後々のお礼の手間を省ける
- 葬儀費用を削減できる
さらに、近年は北海道各地で家族葬専用の斎場も多く建築されるようになったため、葬儀社や斎場の選択肢も多いといえます。
家族葬のデメリット
家族葬のデメリットは次の2つで、人数制限があることによって、最後のお別れをしたくたも断念せざるを得ない方が生じる他、香典収入を得にくい傾向があります。
- 参列者の人数が制限される
- 香典収入を得にくい
なお、家族葬は葬儀の規模が小さく寂しいと感じる方もいらっしゃると思いますが、最近はお洒落な斎場も多く、華やかに演出することも可能です。
心配な場合は、葬儀社のサイトや実際の葬儀の事例について、写真などを見せてもらうと良いでしょう。
一般葬のメリット
一般葬のメリットは次の3つで、盛大な葬儀を行うことで、故人の尊厳を保て、故人に縁のある多くの方々へ満足や納得をしてもらいやすいことです。
- 多くの人に参列してもらえる
- 故人の尊厳を保てる
- 香典収入を得やすい
利用できる斎場は人数によって異なりますが、大型斎場なら駐車場の心配などもなく、より多くの方々へ参列いただけるため安心です。
一般葬のデメリット
一般葬のデメリットは次の2つで、葬儀の準備から後々まで、慌ただしい日々が続いてしまうことです。
- 訃報案内でのやりとりや接客応対で忙しい
- 葬儀後の挨拶廻りやお礼が必要になる
葬儀後は故人に関するさまざまな手続きや遺品整理なども必要になるため、大切な方を亡くした悲しみと疲労感によって、心身の負担が大きくなります。
家族葬と一般葬で迷った場合の対処法 4つの手順
家族葬と一般葬で迷ったときは、トラブルを回避できるよう、次の4つの手順によって対処するのがおすすめです。
- 亡くなった故人の希望を確認する
- 家族で相談して喪主の意向を定める
- 故人の血縁者へ相談して許可を得る
- 地域の葬儀の相談窓口へ相談する
① 亡くなった故人の希望を確認する
家族葬と一般葬で迷ったら、まず遺言書があるか、要望を聞いてる人がいるかどうかを確認し、故人の葬儀に関する意向や気持ちを理解してあげることから始めましょう。
近年はもしもの事態に備えて、生前のうちに死後に役立つようエンディングノートを用意する方が増えているため、故人が用意していないかどうかもチェックしてください。
また、葬儀の生前予約や、葬儀の積立金制度を利用して葬儀費用を事前に支払っている場合などもあるほか、訃報を伝えてほしい人の連絡先がまとめられている場合もあります。
参考:コープの家族葬つみたて制度のご案内(ウィズハウス公式サイト)
故人の想いや大切なお金を無駄にしないためにも、身の回りに葬儀に関する情報がないかどうかを確認してください。
② 家族で相談して喪主の意向を定める
葬儀社との打ち合わせは、基本的に喪主が窓口となるため、喪主を務める方は家族会議によって、家族葬にするか一般葬にするか、自身の意向を定めましょう。
このとき、故人の希望があれば叶えてあげるのも一理ですが、必ずしも守らなければならないというわけではありません。
予算の都合もあれば、「葬儀をしない」という要望には応えられないといったケースもあるため、どのような葬儀にするかは、家族でよく話し合うことが大切です。
③ 故人の血縁者へ相談して許可を得る
家族葬にするか一般葬にするか、喪主の意向が定まったら、後々トラブルにならないように故人の血縁者へ相談することが最良です。
とくに家族葬では反対する方もいる前提で、故人にとって1親等・2親等にあたる親や子、兄弟姉妹には事前に相談しましょう。
いざ葬儀の場で揉め事になると、後々の付き合いに支障をきたし、親戚関係がうまくゆかなくなるケースもあるためご注意ください。
さらに、故人の血縁者を頼ることで、葬儀費用の援助や葬儀に関するアドバイスがもらえる可能性があるほか、他の親戚への訃報連絡なども行ってもらえる場合があります。
葬儀は故人にかかわるすべての人たちにとっても大事な行事のため、良いお葬式になるよう、故人の身内の立場を重視しましょう。
④ 地域の葬儀の相談窓口へ相談する
親族へ相談しても解決の糸口が見つからない場合や、どうしても家族葬か一般葬とで迷うことがあれば、遠慮なく地域の葬儀の窓口相談へ相談なさってください。
最近は葬儀形式にとらわれず、それぞれのご家庭に適したお葬式が行われるようになりました。
参列者の人数や葬儀のスタイル、葬儀費用に困った場合の解消法など、気になることは積極的に相談することが解決への近道です。
地域性などに迷う方も多いため、地元のことを知り尽くした地域の葬儀社へ相談することがおすすめといえます。問題を回避して、より良い葬儀を実現しましょう。
家族葬と一般葬の違いについてよくある質問
家族葬と一般葬の違いに関して、よくある質問をまとめてご紹介しますので、気になる項目はぜひチェックしておきましょう。
- 家族葬と一般葬の服装の違いは?
- 家族葬と一般葬のお布施金額に違いはある?
- 家族葬と一般葬の香典金額の違いは?
家族葬と一般葬の服装の違いは?
家族葬というと気楽な印象を受ける方も多いと思いますが、基本的に葬儀における服装のマナーは葬儀形式によって相違することはなく、家族葬も一般葬も共通で、喪服が最良です。
葬儀とはそもそも故人の供養のためのお別れの儀式にあたります。遺族や親族側の立場では、きちんと喪服を着用して身だしなみを整えるのが基本マナーとなります。
また、参列者側は、喪主や遺族の意向で「ラフな服装で」と言われても、私服は厳禁です。家族葬ともなると、少人数のためより目立って恥ずかしい思いをすることになりかねません。
葬儀でいう『平服』とは、ブラックスーツやグレー・紺色のスーツにあたり、赤みのある茶系は避けるのがマナーのためご注意ください。
ただし、一般葬において、仕事帰りなどで着替える時間がなく、お香典やお焼香を目的とした会葬のみを行う場合は、作業着などでも構いません。
家族葬と一般葬のお布施金額に違いはある?
家族葬と一般葬のお布施金額は同額で、地域や寺院・神社などの格式によっても異なりますが、一般的な相場金額は次のとおりです。
地域 | お布施の相場 | 戒名料の相場 |
全国 | 約15~50万円 | 約20~30万円 |
北海道 | 約15〜25万円 | 無料0円〜約30万円 |
ただし、数百名など大人数の一般葬では、お焼香に時間を要して葬儀の時間が長くなるため、気持ちとしてお布施を加算するのが一般的です。
なお、北のお葬式では、お付き合いのあるお寺がなく、読経をしてほしい方へ、リーズナブルに宗教者を手配するサービスをご用意しています。
家族葬と一般葬の香典金額の違いは?
家族葬でも一般葬でも香典金額に関しては差がありません。おおよその相場金額は、次のとおりです。
- 両親:3〜10万円
- 祖父母:1〜3万円
- 兄弟姉妹:3〜5万円
- 親戚:1〜3万円
- 一般参列者:5千円
まとめ:家族葬と一般葬の違いは3つ!どちらか迷ったら4つの手順で解決できる
家族葬と一般葬の3つの違いや、選び方のポイントと迷ったときの対処法についてご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。
- 全国的に一般葬よりも家族葬が多く行われているが、割合は地域によって異なり、北海道では家族葬が45%、一般葬が40%とほぼ同率なため、どちらにするか迷いやすい。
- 家族葬と一般葬の違いは3つあり、「会葬者の有無」「参列者の人数」「葬儀費用の差」が異なる。具体的には、家族葬は会葬者がおらず、参列者は30名未満、葬儀費用の相場は50〜100万円前後なのに対して、一般葬は会葬者がいて、参列者は30名以上、葬儀費用の相場は100万〜150万円前後で、家族葬よりも30〜50万程度高い。
- 家族葬と一般葬にはそれぞれメリットとデメリットがある。家族葬は少人数のため、心身の負担を抑えて費用を削減できるが、香典収入を得にくい。一般葬はその反対で、故人や参列者の満足度や香典収入を得やすいが、心身の負担が大きい。
- 家族葬と一般葬とで迷ったら、4つの手順で親戚トラブルを防いで最適な葬儀形式を選択できる。「①亡くなった故人の希望を確認する⇒②家族で相談して喪主の意向を定める⇒③故人の血縁者へ相談して許可を得る⇒④葬儀社へ相談する」
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