人が亡くなると、さまざまな手続きが必要となりますが、役所手続きでまず行わなければならないのが「死亡届」の手続きです。
死亡届にはルールがあり、油断すると法律違反になる可能性があるため、気をつけなければなりません。
そこで本記事では、死亡届について、具体的な書き方が分かるよう、見本付きで記入例をご紹介し、提出手続きの手順についてもポイントを押さえて解説します。
死亡届の際に必要な書類や持ち物の準備リストや、失敗しないためのコツについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧になり、参考になさってください。
目次
死亡届とは?

死亡届(しぼうとどけ)とは、どのようなことをいうのか、まず知っておきたい基礎知識について解説します。
死亡届の意味
死亡届とは、人が死亡したことを市区町村役場へ届け出る行為、もしくは定められた役所へ提出する公的書類のことをいいます。
死亡届の役割
死亡届には主に以下の役割があります。
| 役割 | 内容 |
| 戸籍への反映 | 死亡の事実を公的に登録し戸籍から除籍する |
| 火葬許可証の取得 | 死亡届の提出により火葬許可証が発行される |
| 各種手続きの起点 | 年金停止・健康保険脱退・相続開始など死後手続きを進めるための前提 |
| 統計・行政把握 | 人口動態統計(死亡数・死因など)の基礎データとなる |
死亡届は、故人が亡くなった事実を公的に記録し、火葬や埋葬を行うために必要となる大切な届出です。
また、戸籍や住民票などの公的情報にも反映されることで、年金・健康保険・相続といったさまざまな手続きを適切に進められるようになります。
故人に関する情報を正確に管理し、不正利用を防ぐという役割もあり、社会全体の制度を支える重要な仕組みのひとつです。
出典:戸籍(法務省)
死亡届とは死亡診断書(死体検案書)と一体になっている用紙

死亡届の用紙は、基本的に見開きの大きなA3サイズで、左側が死亡届、右側が死亡診断書(死体検案書)になっています。
死亡届:左側
死亡届は、家族や親族、後見人などがミスや漏れがないように正確に記入して、所定の役所へ提出しなければなりません。
死亡届の書き方については、次章にて見本付きで詳しく解説しますので、ぜひ参考になさってください。
死亡診断書(死体検案書):右側
死亡診断書(死体検案書)とは、医師が医学的・法律的に人の死亡を証明する書類のことをいいます。
死亡届へ記入する際は、死亡診断書(死体検案書)と相違がないように、死亡日時や場所を明記することが大切です。
死亡届の書き方

死亡届の書き方について、見本をもとに各記入項目の注意点をわかりやすく解説します。記入ミスを防ぐためにも、事前によく確認して進めましょう。
死亡届の書き方の見本

死亡届の書き方について、記入するべき項目欄と記入例をご紹介します。
①届出日と提出先

- 届出日:西暦ではなく、和暦「令和〇年」で記入する
- 提出先:市長・区長・町長・村長といった首長宛てになるよう、提出先の市区町村を記入する
②氏名・生年月日

- 氏名:亡くなった方の苗字と名前と、ふりがなを記入する
- 性別:男女いずれか該当する方にチェックをする
- 生年月日:和暦で記入する(出生後30日以内に死亡した場合は亡くなった時刻も記入)
③死亡したとき

- 死亡日時:死亡診断書と同じように、年数は和暦、時間は午前・午後のいずれかにチェックをして12時間制で記入する
④死亡したところ

- 住所:死亡診断書の住所と同じように記入する(病院名や施設名は不要)
⑤住所

- 住所:亡くなった方が住民登録をしている住所
- 世帯主の氏名:亡くなった方の世帯主名(故人本人ではない場合もあるため要注意)
⑥本籍

- 本籍:亡くなった方の本籍
- 筆頭者の氏名:戸籍のはじめに記入されている人が筆頭者となる
⑦死亡した人の夫または妻

- 配偶者の有無:配偶者がいる場合は「いる」にチェックして年齢を記入し、いない場合は理由にチェックする
⑧死亡したときの世帯のおもな仕事と死亡した人の職業・産業

- 死亡したときの世帯のおもな仕事:該当する仕事にチェック(従業員数99人までの会社に勤務している場合は「3」、それ以上の従業員数の場合は「4」となる)
- 死亡した人の職業・産業:国籍調査が行われる年に届出する場合のみ記入(次の国勢調査予定は2030年(令和12年)の4月1日から翌年3月31日)
⑨届出人

- 亡くなった方との関係:該当する関係にチェック
- 住所:住民票と同じように記入
- 本籍:本籍を記入
- 筆頭者の氏名:戸籍の筆頭者を記入
- 署名:届出人の氏名
- 生年月日:和暦で記入する
⑩届出人の連絡先

- 連絡先:連絡が取りやすい届出人の電話番号を記入(書式によって記入欄がない場合もある)
⑪届出人の捺印・捨印

- 認印:押印する場合はシャチハタは不可・提出時に印鑑を持参する(令和3年の制度改正により押印は任意)
死亡届の書き方における注意点

死亡届の書き方では、次の5つの事項に気をつけて、書き直しや間違えのないように注意してください。
- 消えないペンを使用する:鉛筆や消せるボールペンを避け、黒のボールペンや万年筆を使用する。
- 年月日は和暦で記入する:年数は「昭和」「平成」「令和」などの元号を使用して記入する。
- 戸籍情報は正確に記入する:亡くなった方と届出人の情報は、「本籍地・筆頭者記載ありの住民票」を取得して正確に記入する。
- 死亡診断書の内容と一致させる:死亡日時や亡くなった場所は、「死亡診断書(死体検案書)」の内容をそのまま転記する。
- 誤字の訂正: 文字を間違えた場合、修正テープを使用したり黒塗りにせず、二重線を引いて誤字を消して、その傍の余白に正しい内容を記入する。自治体によっては届出人の訂正印を求められる場合があるため、提出時に印鑑を持参する。
死亡届の提出先や提出期限の義務

| 項目 | 要点 |
| 法律 | 戸籍法第86条・第87条 |
| 期限 | ・死亡の事実を知った日から7日以内(7日目が閉庁日の場合は翌開庁日) ・国外の場合は死亡の事実を知った日から3ヶ月以内 |
| 提出先 | 亡くなった方の本籍地・死亡地、または届出人の住所地の市区町村役場 |
| 届出人 | 親族・同居者・家主・地主・家屋管理人・土地管理人等・後見人・保佐人・補助人・任意後見人・任意後見受任者 |
| 手数料 | 無料 |
死亡届は、戸籍法に則って手続きをしなければならない義務があり、提出先や提出期限、届出人などについて条件があります。
市区町村役場での手数料はかからず、無料で手続きできるため、とくに家族や親族は法律違反に注意して、死後は必ず死亡届を提出しましょう。
出典:死亡届(法務省)
死亡届の提出期限
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(7日目が閉庁日の場合は翌開庁日)、国外で死亡した場合は死亡の事実を知った日から3ヶ月以内に提出しなければなりません。
死亡届の届出人
死亡届を届け出るべき届出義務者は、戸籍法87条によって次のように順位が定められていますが、順序にこだわる必要はなく、対象者であればどなたでも届出をすることが可能です。
- 同居の親族(配偶者・子・親など)
- その他の同居者(内縁の夫婦・同居の友人など)
- 家主・地主・管理人(家屋や土地の管理者)
そのほか、同居していない親族や後見人・保佐人・補助人・任意後見人・任意後見受任者にも死亡届を提出する資格がありますが、同居していない友人や知人は届出人になれないため注意しましょう。
ただし、届出人の使者(代理人)として、窓口に提出する役割のみであれば、葬儀社や友人・知人などの第三者へ依頼することが可能です。
一般的に死亡届の提出は葬儀社へ依頼することが多く、メリットが多々あるため、本記事の後半で詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
死亡届の提出7つの手順

死亡届の提出について、失敗や漏れを防いでスムーズに手続きする7つの手順を解説します。
①死亡診断書(死体検案書)を受け取る
病院や警察で医師による死亡が確認されたら、死亡診断書を受け取り、内容を確認のうえ、紛失に注意して持ち帰りましょう。
死亡診断書(死体検案書)は、家族などが追記や訂正することはできないため、不明点や不備があれば、その場ですぐに医師へ相談するのが最良です。
②必要書類を準備する
死亡届を間違いなく記入するため、亡くなった方と届出人の「本籍・筆頭者ありの住民票」を取得します。
住民票は役所窓口で取得する以外にも、マイナンバーカードを利用して、コンビニ交付により取得できます。証明書の記載項目を選択するメニュー画面の「本籍・筆頭者の記載」で「有」を選択しましょう。
③死亡届を記入する
死亡届は、前章で解説した書き方に準じて、漏れや不備のないように各項目について記入してください。
届出人の本人が提出する際は、役所で追記や訂正が可能ですが、葬儀社など代理人による代筆はできないため気をつけましょう。
④死亡届・死亡診断書(死体検案書)のコピーを取る
死亡届・死亡診断書(死体検案書)は、役所への提出前に必ずコピーを10枚程度取っておきましょう。
死後の遺産相続や保険金の請求、故人に関する各種手続きでは、死亡届の提出が求められる場合があるため、必ず忘れずにコピーを取ってください。
⑤役所窓口で火葬許可証の申請書を記入する
死亡届提出の際に、同時に火葬許可証(埋火葬許可証)を取得します。役所窓口で申請書を入手して必要事項を記入のうえ提出しましょう。
発行された火葬許可証は、火葬の際に火葬場に提出し、日付の記入や押印等がなされて返却されます。これを埋葬許可証として納骨の際に使用する仕組みです。
申請書や許可証の様式は自治体によって異なるため、詳細な手続き方法は各自治体へ確認が必要です。
なお、実際に火葬を行う自治体で手続きを行うと、火葬場との連携がスムーズな場合があります。
⑥死亡届と火葬許可証の申請書を提出する
死亡届の提出のみであれば、役所は365日24時間受付けていますが、火葬許可証の受け取りは開庁時間に限られています。二度手間を防ぐためには、事前に開庁日時を調べ、時間に余裕を持って提出することをおすすめします。
開庁時間は、一般的に平日(月曜〜金曜)の午前9時頃〜午後5時頃が多く、土日祝日と年末年始(12/29〜1/3)は閉庁となります。なお、自治体によっては、土曜日や休日の開庁や平日夜間の延長窓口などがあります。
⑦火葬許可証を受け取り火葬場の予約を行う
役所の混雑度合いなどによっても異なりますが、一般的に死亡届や火葬許可証の手続きは、30分から1時間程度の時間を要し、受付時間によっては翌営業日の火葬許可証の発行になるケースもあります。
火葬場は多くの地域で事前に予約が必要となっており、予約システムの利用は葬儀社に限られている場合もあるため、事前に確認のうえ予約手続きを行ってください。
死亡届の準備リスト

死亡届の記入や役所への提出に際して、必要書類や持ち物の準備リストをご用意しました。あらかじめ準備して、死亡届を提出する際は忘れ物のないようにチェックしましょう。
- 死亡届と死亡診断書(死体検案書)の原本
- 登記事項証明書(届出人が後見人・保佐人・補助人などの場合のみ)
- 届出人の身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 届出人の印鑑:死亡届で捺印をした認印
- 死亡届を記入したときに参考にした書類(死亡した人と届出人の本籍・筆頭者の記載ありの住民票など)
死亡届を提出する際に必要なものは役所の判断によっても異なりますが、一般的には上記の書類や持ち物を用意しておくと万全です。
死亡届を提出しないとどうなる?

死亡届を提出しないと、火葬・埋葬ができず葬儀を進めることができません。
また、正当な理由なく7日以内に提出しなかった場合、戸籍法第137条により5万円以下の過料が科される可能性があります。
そのほか、次のような手続きも滞ります。
- 年金受給停止手続きができず、悪質と判断された場合は罰金や詐欺罪に問われる可能性がある
- 介護保険喪失届が提出できず、未納分の支払いや過納分の還付が受けられなくなる
- 住民票の抹消ができない
- 世帯主の変更ができない
このようなデメリットがあるため、死亡届は期限内に提出する必要があります。
短期間で不慣れな手続きを行うことに不安を感じるかもしれませんが、死亡届の手続きは葬儀社が代行することが可能です。
次項では葬儀社代行によるメリットを解説します。
死亡届は葬儀社へ代行してもらうとメリットが多数ある

死亡届の提出手続きは、火葬を行う葬儀社へ代行してもらうことで、次のような多数のメリットが得られます。
- 死亡診断書の紛失を回避し提出期限内に安全に提出できる
- 火葬許可証の取得まで代行してもらえる
- 死亡届の書き方について不明点を葬儀社へ確認できる
- 死亡届(死亡診断書)のコピーをしてもらえる
- 時間に余裕がうまれるため故人に寄り添い葬儀の準備や供養に集中できる
ただし、葬儀をしない火葬のみの直葬や火葬式では断られる場合や、代行手数料が発生するケースもあるため、葬儀社へは事前に確認してください。
死亡届に関してよくある質問

死亡届に関してよくある質問をご紹介しますので、気になる項目があれば回答を参考にして、問題解決にお役立てください。
死亡届はいつ誰が書いたらいい?
死亡届は、自宅や斎場に遺体を安置する際や葬儀の打合せ時に、葬儀社へ書き方を教えてもらいながら記入して、提出の代行を依頼するのがおすすめです。
記入については、【死亡届の提出先や提出期限の義務】でご紹介した届出人対象者であれば可能ですが、喪主が行うのが一般的です。
死亡届の死亡診断書と死体検案書の違いとは?
- 死亡診断書:生前に診療している傷病が死因であると認められる場合に主治医や訪問医が作成する
- 死体検案書:死因が不詳の場合や異状死で検視や検案を伴う場合に警察医や監察医などの医師や法医学者が作成する
死亡届の死亡診断書と死体検案書の違いは、診療している傷病が死因と認められるかどうかにあり、死因が不明な場合や事故・自殺・他殺などの疑いがある場合は死体検案書となります。
死亡届のコピーを忘れた場合はどうしたらいい?
死亡届(死亡診断書)は、1通のみしか発行されないため、次の方法から最適な手段を選択して対応してください。
- 再発行を依頼する:死亡診断書を作成した病院に連絡して再発行を依頼すると、一般的に配偶者もしくは三親等以内の親族なら5,000〜1万円程度で再発行が可能です。
- ほかの書類で代用する:戸籍謄本(除籍謄本)・住民票の除票・死亡届記載事項証明書で代用できるかを確認のうえ役所で取得します。料金は数百円程度ですが、死亡届の反映には3〜10日程度かかることに注意しましょう。
まとめ:死亡届の書き方は見本を参考にして、提出は葬儀社へ代行してもらいましょう!

死亡届の書き方や提出の手順について解説しましたが、ポイントをまとめると次のとおりです。
- 死亡届の書き方は見本を参考にして、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する。
- 死亡届は、葬儀社へ依頼すると、一般的に書き方の相談や提出代行、火葬・埋葬に必要な火葬許可証の取得まで対応してもらえるため便利で手間がかからない。
- 死亡届は、死後の手続きで提出を求められることが多々あるため、提出前に必ず10部程度コピーを取っておく。
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