1-0.葬儀・葬式

2018.09.01

(第一回)【家族の死亡宣告】「やること・手順・手続」について

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突然家族が亡くなってしまった場合どうしたら良いのかと不安になってしまうものです。

死亡届と死亡診断書(死体検案書)については、ブログでもいくつか紹介してまいりましたが、まず「すべきこと」と「決めなくてはならないこと」を今回は家族が死亡を宣告された時からお葬式の前までの一連の流れを第三回に分けてご紹介します。

今回は状況により異なる場合やご遺族より質問の多い事案と経験をおり混ぜて第三回に分けて少し掘り下げてみましょう。

<第一回目の今回は、【死亡~葬儀社の連絡~ご安置場所の確定】までを少し詳しくご案内します。

1.死亡した場所により「やること」が変わります。

「北のお葬式」では9割以上が病院からの電話が多いのですが、亡くなった場所により連絡先やすべき事なども変わってきます。

特に病院以外の場合では、困惑した中で電話をいただくご遺族が多いのも事実です。

それでは亡くなった場所でのそれぞれの状況や対応方法をみてみます。

病院で亡くなった場合

ほとんどの病院では「病院は病気やケガを直すところ」との考えで、「亡くなった方はなるべく早くお引き取り下さい。」というスタンスです。

「ご遺族の方をお待たせしない」はもちろん、霊安室の数も限られているため私たち「北のお葬式」ではお迎えのお電話があった際にはいつでも、速やかにお迎えに行けるように【24時間体制】をとり、安全に1分でも早く到着できるように工夫を行っています。

病院では看護師さんによる【清拭(せいしき)】(病院によっては葬儀社が行うところもあります)があります。

よくドラマなどで「エンゼルセットを用意して」と聞く方も多いと思います。所要時間は約30分~60分程でその後病院を出る事になります。

※【清拭】とは、お体を清めるだけではなくご遺体に綿花を詰めたり、その他故人様の尊厳を守るための処置を施します。

お迎えの寝台車が到着する待ち時間を減らすためにも清拭後ではなく、なるべく早くに葬儀社への電話連絡を行って寝台車を手配することをおすすめします。

病院を出る際には病院より【死亡診断書】を受け取ります。深夜などでその場での発行ができない場合は、改めて病院に取りに行きます。

老人ホームや施設で亡くなった場合

老人ホームや施設で亡くなった際には専属の医師がいるかいないかで大きく変わってきます。医師がいない場合の多くは、急変時に病院に搬送されることになります。

施設の環境や方針で変わってきますので、施設の担当の方からの案内を確認しましょう。

もちろん施設でも医師の死亡診断が終わっていれば寝台車がお迎えに行くことが可能です。

その際、【清拭(せいしき)】が行われないことが多いので、私たち葬儀社への依頼が必要となります。

警察署で安置された場合

事件や事故で発見時に死因が特定されない場合は【警察署】に安置されます。

警察署としては、事件性があるか無いかを検視、司法解剖をとおして確認しなければなりません。

もちろん家族への連絡は警察官より連絡が入ります。

警察では医師の解剖などを行い、検察官や警察官の判断で帰ることができるかが決まってきます。

状況によっては、大きな病院に運ばれ、法医学者のもとで解剖を行う事もあります。

遺族として心配なところは、いつ故人が帰ってくることができるのかです。

近年の医師不足により、医師の検視待ちという事も起こっているようです。

私の経験ですが、札幌市内に新たに検視を行える医師が不在で、150km程離れた旭川市の病院まで警察官が運んだという事もありました。

故人様が2、3日で帰ることができる事もあれば、一週間以上かかることもあり、事前に日にちが決まっていることはほぼありません。

連絡を待ち続けるという状況になってしまいます。

私たち「北のお葬式」では、このような場合でも連絡をお受けしており、専門スタッフによる事前の準備としてご遺族には聞きにくい事等を警察官と相談したうえで、ご遺族にとって最良の方法でお迎えとご安置ができるように配慮を行っています。

なお、検視の終了後は納棺師による「処置」(清拭)が必要になります。こちらは葬儀社で手配を行います。

ご移動の承認後は、「死体検案書(死亡診断書)」が発行されます。検案の費用も入ってきますので、病院で通常発行される死亡診断書より高額になる場合がほとんどです。

検案内容によって大きく異なりますが、おおよそ30,000円~100,000円程度かかる場合があります。毎回聞いたりはしませんが、私の知りうる最高額は6万円台でした。

役所の提出が必要な【死体検案書】は警察官から渡される場合と、検案を行った医師の病院に取りに行く場合の二通りがあります。

最近は振り込みも対応していますが、病院で受け取りの場合は【現金支払い】が多いので少し多めの準備が必要です。

出発の前には警察官より経緯の説明と手続きが20分~60分ほどかかります。【印鑑】も忘れず持参しましょう。

自宅で亡くなった、亡くなっていた場合

ご自宅で亡くなった場合では、医師の自宅診療や担当医がいる場合や訪問看護を受けている場合と医療関係者が全く携わっておらず突然亡くなった場合など、様々な環境があります。

担当医がいる場合は、自宅に来ていただいて【死亡診断書】を書いていただく事が可能であれば、特に問題はありません。

そのほか、在宅看護の場合は担当看護師に連絡を取るなど指示を仰ぎたいところです。医療関係者にお願いしている方は、万が一自宅で亡くなった場合を考えて事前にお話を聞いておくことを強くお勧めします。

問題は、自宅で元気に過ごしていたのに突然亡くなった場合です。

亡くなったと思っていても息があるかもしれませんので、まず救急車を呼ぶことをおすすめします。

死亡している事が明らかな場合は、警察に連絡します。

警察では、事件性があるか無いかの【検視】を行わなくてはいけませんので、必ず警察官が自宅に来ます。

警察の判断によりますが、医師による検案(死亡診断)を終え、そのまま自宅でご安置することができる事もあります。

よく調べることが必要な場合は一度警察署に連れていかれることになります。その際は前段の「【警察署】で安置された場合。」をご確認ください。

2.葬儀社への連絡 ~伝える内容~

私たち葬儀社に連絡を行い寝台車の手配をする際に必要な主な内容は以下の通りです。

電話でお聞きする主な内容

  1. 故人様の氏名
  2. お電話先の方の氏名と電話番号
  3. お迎え病院の住所と名称
  4. ご遺体が出ることができる予定時間
  5. ご安置先(自宅または葬儀社のホール又は安置室)
  6. 宗旨や宗派

以上のような事が基本です。葬儀社より寝台車の到着時間が伝えられます。

④ご遺体が出ることができる予定時間を確認しましょう

連絡した親戚が駆け付けたらすでに病院から出たとこだった。という事をよく耳にします。

遠方の方にはご安置先を伝えてそちらに直接向かってもらうような配慮も必要でしょう。

また、深夜等で死亡診断書の発行や清拭(亡くなった後の処置)が翌日なる事もあります。

寝台車の病院到着後に待ち時間が長時間に渡る場合では搬送順が入れ変わったり、葬儀社によっては高額な追加料金が発生することもありますので注意が必要です。

⑤ご安置先(自宅または葬儀社のホール又は安置室)を決めましょう

葬儀社への依頼時にはご遺体の安置先として、行き先の希望を伝える必要があります。

自宅がマンションやアパートの場合は担架が入らないことも多いので注意が必要です。その他、近隣の方に知られたくない場合やご安置のスペースがないなど、葬儀社の式場に直接安置する方もとても多くなっています。

この場合はご安置が可能かどうかも含めた費用なども事前確認しておくことをおススメします。

なお、自宅で用意するものは「敷布団」の準備だけです。

3.ご安置と枕飾り(宗派がわからない場合は?)

2.葬儀社に伝える事の⑥で、【宗旨、宗派】とありましたが、ご安置の際に枕元に飾る【枕飾り】はほとんどの宗旨、宗派でお花とともに必要ですが、宗派によって飾り方や飾る内容が異なります。

浄土真宗系のお西とお東でも変わってきます。
写真は仏教式に準じていますが、キリスト教や神道では大きくお飾りは変わります。

葬儀社に電話を掛けたときに宗旨・宗派が不明でも、ご安置の際には必要となる重要な事柄です。もし不明な場合は親戚の方に聞くなどの必要があります。

宗派が解らなくても寺院名やおおよその地区がわかれば、北のお葬式でお手伝いが可能ですのでご相談ください。

ご安置が無事終わった後に葬儀社と日程や会場の打ち合わせを行います。

この時にお葬式のスタイルと会場や日程、時間を仮に(宗教家がいる場合は改めて承認をいただきます)決めることになります。

こちらの詳細は次回の「【家族の死亡】宣告。「やること・手続」について第二回」で詳しくお伝えします。

第2回予定<【家族の死亡宣告】「やること・手順・手続」について第二回>

4.葬儀スタイル等、決めなくてはいけない事柄

5.葬儀ホールの決定

6.日程の決め方と新聞掲載

第3回予定<【家族の死亡宣告】「やること・手順・手続」について第三回>

7.市役所などの死亡手続き

8.銀行の預貯金の凍結

まとめ

葬儀社への連絡からご遺体の搬送について解説しましたが、まとめると次のとおりです。

  • 亡くなる場所の9割以上は病院ですが、それ以外の(施設・自宅・警察署など)場所によっては連絡先など対応が変わってきますので注意が必要です。
  • 葬儀社への連絡時にはご安置先と宗旨・宗派を伝えます。不明な場合は本家の親戚に聞くなどします。寺院名や地区がわかれば北のお葬式にてお手伝いを致します。
  • ご安置先は広い一軒家でも玄関周辺の構造によっては入る事が難しい場合があります。心配な方は北のお葬式へご相談ください。

北のお葬式では事前相談や資料請求をされた方から「詳細な資料で慌てず落ち着いて対応できた」とご遺族の方よりお声をいただいていますが、何も準備をしていない方は通夜までにたくさんの「すべきこと・決める事」があり本当に困ってしまうと思います。

「亡くなる前の準備」は縁起が悪いというのは過去の話です。

「その時…」がやってきて困らないために、万が一の時にすぐに葬儀社に電話をできるように事前準備をおススメします。

この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

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