1-3.マナー・作法【喪主・遺族】

2024.09.26

喪主を決める5つの方法と注意点!喪主と施主の違いやよくある質問

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葬儀の喪主は誰がやるべきなのか、長男でなければならないのか、長女や孫でも良いのか、2人で喪主をしてもいいのかなどと考え、気になっている方もいらっしゃるでしょう。

喪主を決めるには5つの方法があり、家族や親族が納得していれば、いずれの方法を選択しても問題ありませんので、気をつけるべき注意点と一緒に詳しく解説します。

喪主と施主の違いや、喪主に関してよくある質問についてもまとめてご紹介していますので、どうぞご覧になり参考になさってください。

喪主と施主の違い

施主

名称 意味
喪主 故人側の代表として葬儀を主導する人のこと
施主 喪主以外で葬儀や法要の費用負担を行う出資者のこと

喪主と施主とでは、役割に違いがあるため、それぞれの特徴についてポイントを押さえて分かりやすく解説します。

喪主とは?

喪主とは、お通夜や葬儀・告別式といったお葬式において、故人側の代表としてお別れの儀式を主導する役割を担う人のことをいいます。

一般的には故人の家族や近親者が喪主を務め、故人や身内、参列いただく方々が納得・満足のできる葬儀を目指すことが大事な役割となります。

葬儀社やお付き合いのある宗教者に対しては、代表として窓口の役割になるだけではなく、葬儀の内容や戒名の有無やランクなど、重要事項を決定しなければなりません。

施主とは?

施主とは、喪主以外で葬儀や法要で必要となる費用負担や宗教者へのお布施を支払う立場の方のことをいい、実際には葬儀社との契約や喪主のサポート役を務めるのが一般的です。

つまり、喪主自身が葬儀費用やお布施を支払う場合には、施主の存在は不要ということになるため、一般的な家庭の葬儀で施主がいることはあまりありません。

傾向として多いのは、会社が葬儀費用を負担する社葬の場合となっており、施主が会社、喪主が遺族というケースになります。

葬儀で必要なのは喪主

喪主

多くのご家庭では、喪主自身が葬儀費用を負担するケースが多いため、施主はとくに必要ありません

実際は喪主ではない身内が葬儀代を支払っている場合でも、施主として公にすることの方が少ないともいえます。

昔は長男がすべてを継承する家督相続により、幼くても長男は喪主を務めることが一般的で、実質的には配偶者の妻がお金の管理や喪主のサポート役として施主を務めていました。

現代は誰が喪主を務めても問題ないため、家族で話し合って喪主が決められれば、問題ないと思ってよいでしょう。

喪主を決める5つの方法

喪主の決め方

喪主を決めるのには5つの方法があるため、一般的な順序で解説しますが、家族や親族の賛同があればいずれの方法でも構いませんので、ぜひ話し合ってみましょう。

  1. 一般的な優先順位で決める
  2. 故人の遺志を重視する
  3. 故人への貢献度や社会性で決める
  4. 喪主になりたい人が務める(複数人可)
  5. 葬儀社と相談して決める

①一般的な優先順位で決める

【喪主を務める優先順位】
1位:配偶者
2位:子ども(長男→次男以下の兄弟順→長女→次女以下の姉妹順)
3位:故人の両親
4位:故人の兄弟姉妹
5位:その他の親族

喪主は配偶者が務めるケースが多いのですが、配偶者がいない場合や、配偶者が高齢などの理由で喪主を務めるのが困難な場合は、長男を筆頭に子どもが行うなど、上記の血縁関係の優先順位によって決めるのが一般的です。

一般的な喪主の決め方を選択すれば、家族や親戚トラブルなども起こりにくく、葬儀へ参列する方にとっても違和感がなく自然なお葬式が行えます。

②故人の遺志を重視する

生前に故人から喪主をしてほしいと遺言で頼まれた方がいる場合やエンディングノートへ喪主への希望が記載されている場合は、遺志を尊重してあげることで故人が喜ぶでしょう。

そもそもお葬式は、故人のためのお別れの儀式であるため、故人の希望を優先して叶えてあげるのは素晴らしいことです。問題がなければ、ぜひ実現してあげてください。

③故人への貢献度や社会性で決める

故人への貢献度から喪主を判断するのも一つの方法で、同居により生活を支えていた親族や献身的な介護をしていた親族なら、喪主にふさわしいといえます。

また、参列者への挨拶や弔問客への対応など、礼儀マナーを問われる場面は葬儀後も多く、社会性があり良識のある方を選ぶことで家族や親族の安心感に繋がる場合もあるでしょう。

④喪主になりたい人が務める(複数人可)

葬儀をスムーズに進行できるようにするためには、喪主は1人ではなく複数人で務めても問題ありません。

たとえば、高齢の母と長男といった場合や、姉妹2人による喪主など、さまざまなご家庭の事情や遺族の希望によって、共同喪主による葬儀を希望されるご家庭もあります。

⑤葬儀社と相談して決める

喪主は身内以外の方が務めても問題ないため、故人に身寄りがない場合などは、葬儀社と相談して、後見人や世話人などが喪主相当の役割を務める可能性があります。

喪主が気をつけるべき5つの注意点

注意ポイント

喪主として気をつけるべき5つの注意点について解説しますので、葬儀前にしっかりと読んでおいてください。

  • 身だしなみや清潔感を重視する
  • 宗旨宗派と作法を確認しておく
  • 忌み言葉や重ね言葉を使用しない
  • 葬儀の流れを把握しておく
  • 費用負担に心配があれば事前に家族や親族へ相談しておく

身だしなみや清潔感を重視する

喪主を務めると慌ただしい日々が続きますが、とくに身だしなみや清潔感に意識して、気をつけるようにしましょう。髪型から爪先まで衛生的にして、清潔感を大事にしてください。

なお、喪主の服装は、正喪服として黒紋付やモーニング、漆黒の良質な素材のブラックフォーマルスーツを着用するのが正式なスタイルとなります。

数珠やハンカチ、袱紗など、持ち物も忘れ物がないようにあらかじめしっかりと揃えてチェックしておきましょう。

宗旨宗派と作法を確認しておく

仏教は同じ宗旨の中にも宗派があり、伝統的な宗派だけでも13宗56派もの種類があるため、間違いのないようしっかりと確認をして、お焼香やお線香の正しい作法まで把握しておくと安心です。

お付き合いのあるお寺へは、あらかじめお布施の金額を確認して、戒名についても家族でどうするかを相談しておきましょう。

忌み言葉や重ね言葉を使用しない

お葬式では、不幸を連想させる「忌み言葉」を避けるマナーがあるため、言葉づかいに気をつけた挨拶を意識しましょう。

以下に忌み言葉の具体例をご紹介します。

死を連想させる言葉や縁起の悪い言葉

死ぬ・失う・迷う・別れる
終わる・消える・追って

不幸が重なることを連想させる重ね言葉

いよいよ・ますます・重ね重ね・重々
次々・たびたび・いろいろ・わざわざ

不幸が続くことを連想させる繰り返し言葉

続く・再び・追って・引き続き・繰り返し

宗教の違いによる表現に注意する

成仏・供養・往生・ご愁傷様:仏教のみ
ご冥福:浄土真宗以外の仏教のみ
天国:仏教では「あの世」という

葬儀の流れを把握しておく

葬儀の流れを事前に把握しておくと安心感があり、失敗を防ぎやすくなるため、あらかじめ葬儀社へ確認しておくことをおすすめします。

一般的な葬儀の流れは次のとおりとなっているため、参考になさってください。

  • ご遺体の搬送と安置
  • 葬儀社との打ち合せ
  • 葬儀の準備
  • 納棺
  • 通夜・通夜ぶるまい
  • 葬儀・告別式
  • 出棺・火葬
  • 繰り上げ法要・精進落し

費用負担に心配があれば事前に家族や親族へ相談しておく

喪主として葬儀費用や納骨費用をはじめ、後々の供養の費用負担などに心配がある場合は、あらかじめ家族や親族へ相談して、悩みを解決しておくことが大切です。

基本的な葬儀費用は相続財産から控除でき、故人から継承する墓地・墓石、仏壇・仏具などの祭祀財産には相続税がかかりません。
出典:相続財産から控除できる葬式費用(国税庁)

ただし、新たに準備するお墓や永代供養による納骨費用は課税対象となるため、ご注意ください。

また、相続税の申告は死亡から10ヶ月以内(相続放棄する場合は3ヶ月)と定められており、相続手続きに時間を要する場合もあるため、遺産相続は速やかに行いましょう。
出典:相続税の申告と納税(国税庁)

喪主や施主に関してよくある質問

よくある質問

喪主や施主に関してよくある質問をまとめてご紹介しますので、気になる項目があればぜひチェックしておくと良いでしょう。

  • 喪主や施主はいつまで務めるの?
  • 遺族代表の挨拶は喪主以外でもいい?
  • 火葬後の遺骨は喪主が所有者になるの?
  • 喪主のいない葬儀はできるの?
  • 喪主として事前に準備しておくべきことは?

喪主や施主はいつまで務めるの?

喪主や施主は、誰がいつまでやらなくてはならないという決まりはありません。

葬儀が終わると、四十九日法要や一周忌、三回忌と法事・法要が続きますが、一般的には葬儀で喪主や施主を務めた方がそのまま継続してゆくケースが多いです。

仏教では三十三回忌を最後の弔い上げとする場合が多くありますが、喪主や施主をどうするのか、いつまで供養を継続するのかは、家族や親族とよく話し合って決めましょう。

遺族代表の挨拶は喪主以外でもいい?

葬儀における遺族代表の挨拶・スピーチは、カンペとなるメモを読み上げても構いませんし、喪主以外の方が対応しても問題ありませんのでご安心ください。

喪主に対してネガティブなイメージのある方のうち、人前での挨拶など緊張する場面を想像して苦手意識を感じている方は決して少なくありません。

周囲からも心情を汲み取ってもらえるとは思いますが、身内だけの家族葬なら、挨拶のスピーチだけをほかの誰かにお願いしみても良いでしょう。

火葬後の遺骨は喪主が所有者になるの?

火葬後の遺骨は喪主が所有者となることが一般的で、葬儀や法要の主宰者にあたる方は祭祀主宰者とも呼ばれています。

故人が所有していた仏壇やお墓は祭祀財産といい、相続人のうち誰か1名の祭祀主宰者が跡継ぎとなり継承しますが、喪主と違う方でも構いませんし、誰でも問題ありません。

喪主のいない葬儀はできるの?

なぜ喪主のいない葬儀が良いのか、まずは葬儀社へその理由をきちんと説明して相談してみてください。

基本的に葬儀社にとっては、打合せや支払いの窓口や責任者となる方が明瞭であれば問題はありませんが、供花や返礼品などの挨拶状の印字対策や司会者とのすり合わせが必要です。

また、参列者にとってどのような印象を受けるかといった懸念点もあるため、葬儀社へ具体的な理由を伝えて、アドバイスをしてもらうと良いでしょう。

喪主として事前に準備しておくべきことは?

いざとなってから慌てないように、葬儀の事前準備はとても大切です。服装や持ち物で必要品を揃えるとともに、遺影写真なども確認しておくのがおすすめです。

また、故人が亡くなって起こりやすいトラブルとして、スマートフォンやパソコンなどのデジタル遺品があり、ログイン情報が分からないというケースがよくあります。

「生前から万一の時に備えるのは縁起でもない」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、遺産相続や遺品整理でのトラブル回避まで考えて事前対策できれば、喪主として万全な対応といえますので、ぜひご検討ください。

そのほか、時間にゆとりがあれば、対象者の方のエンディングノート作りのお手伝いをしてあげるのも良いでしょう。

まとめ:喪主を決める5つの方法と注意点!北海道の葬儀の不明点は北のお葬式へ

喪主のまとめ

喪主を決める5つの方法と注意点をはじめ、喪主と施主の違いやよくある質問までご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。

  • 喪主と施主の違いは役割にある。喪主は故人側の代表として葬儀を主導する役割、施主は葬儀や法要の費用負担を行う出資者となっており、基本的に必要なのは喪主。
  • 喪主を決めるには5つの方法があり、家族や親族が賛同すれば、後述するいずれの方法で決定しても構わない。①一般的な優先順位で決める②故人の遺志を重視する③故人への貢献度や社会性で決める④喪主になりたい人が務める(複数人可)⑤葬儀社と相談して決める
  • 喪主は身だしなみや清潔感を重視する必要がある。その他にも、宗旨宗派と作法の確認・忌み言葉や重ね言葉の把握・葬儀の流れの把握・費用負担について家族や親族への相談を行うことで、失敗や後悔を防ぎやすくなる。

北のお葬式は、札幌近郊をはじめとした北海道各地の葬儀をお手伝いしています。故人への想いを形にし、喪主の方を万全にサポートしております。

喪主や施主に関するご質問やご相談も完全無料で承っておりますので、気になる疑問がございましたら、どうぞお気軽にお問い合せください。

この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

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