1-0.葬儀・葬式

2021.06.10

お葬式でのお坊さんの役割と必要性!呼ばないのはあり?

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近年、無宗教葬や直葬など、お坊さんを呼ばないお葬式の形を選択する方が増えてきています。

お葬式にお坊さんを呼ばないのは問題ないのでしょうか?そもそもお葬式にお坊さんを呼ぶのはなぜ?

今回は、お坊さんを呼ばない葬式について一緒に考えてみましょう。お坊さんを呼ばない葬式を行いたい場合の注意点もお伝えします。

お葬式におけるお坊さんの役割

はじめに、お葬式におけるお坊さんの役割について考えてみましょう。

仏式の葬儀でお坊さんがお経を唱えることや法話をすることは多くの方がご存知だと思います。ですが、お経を唱える理由や法話をする意味をご存知の方は案外少ないかもしれません。

いったいどうしてお坊さんはお経を唱えるのでしょうか。

仏教では、お釈迦様が説いた教えをまとめたものを「お経」と定義していますが、これはお釈迦様自らがまとめたわけではなく弟子たちがまとめたものです。

ですからお経は「如是我聞」(にょぜがもん)、つまり「私はこう聞きました」という意味の言葉から始まります。

仏教には8万4千ものお経があると言われていてその内容は様々ですが、悲しみや迷いのない「悟りの世界」に至るための方法や戒律などがまとめられています。

例えば、仏式葬儀において多くの宗派で読まれる「般若心経」は、物事への執着を捨てることで心の平安が得られると説いています。

葬儀の際、大切な人を亡くして悲しむのは仕方がないことですが、人々の心を救うためにお釈迦様が広めた教えを唱えることで、遺された人々の悲しみが少しでも癒されることを願っているのではないでしょうか。

それから、お経は故人の供養のために唱えているということも忘れてはいけません。

そして、葬儀でお坊さんがお話をされる「法話」も、仏教の教えが遺された人々の悲しみに寄り添い心を癒すことを願って行われていると言えるでしょう。

このように、悲しみを癒すことと故人の供養をすることが、仏式葬儀におけるお坊さんの役割です。

お坊さんに依頼するには?

仏式の葬儀を執り行う場合はお坊さんに依頼する必要がありますが、近年ではお寺との関わりが薄い方や関わりが無い方も多く、どのような手順で依頼をしたら良いのかわからない場合もあると思います。

ここでは、菩提寺(お付合いのあるお寺)がある場合とない場合、それぞれの葬儀依頼についてご説明します。

菩提寺がある方

逝去後、菩提寺に直接連絡して枕勤めを依頼します。家族の逝去で動揺していてもスムーズに連絡できるように、連絡者となる方は前もって菩提寺の連絡先を確認しておきましょう。

特にこれまで菩提寺とのお付合いを担当されていた方が亡くなると、その家族では勝手がわからず困惑することになりかねないので、事前にしっかり確認することが大切です。

菩提寺に連絡する際は故人のお名前、享年、逝去日時、連絡者の名前と連絡先などをお伝えしましょう。

菩提寺に連絡を入れるタイミングについて、書籍やインターネットで「安置が終わりしだい連絡する」という説明文をよく目にしますが、深夜の場合は控えて翌朝連絡しましょう。

菩提寺が遠くて葬儀に来てもらうのは難しいことが予想される場合も連絡は必ず入れて、菩提寺からお坊さんがお越しになるのか、近隣のお寺をご紹介いただけるのか確認することが大切です。

遠方だからと言って菩提寺に連絡せずに葬儀をしてしまうと、トラブルの原因となる場合があるので注意してください。

余談になりますが、稀に一日葬を不可とするお寺もあるため、一日葬を希望する場合、菩提寺がこれにあたらないかどうか事前に確認しておくと良いでしょう。

菩提寺がない方

菩提寺はないけれど仏式の葬儀を行いたいという場合、一般的には葬儀社にお寺を紹介してもらうか、インターネットでお坊さんを手配することになります。

その際には故人の宗派を確認しておく必要がありますが、日ごろお寺と関わっておらず宗派がわからないという方もいらっしゃると思います。その場合は、仏壇の本尊や戒名から宗派を調べることが可能です。

インターネット手配はお布施が抑えられる傾向にありますが、だからと言って菩提寺がある方が他のお寺のお坊さんに葬儀を依頼することは、納骨や法要についてトラブルとなる可能性が高いため控えましょう。

尚、菩提寺がないと思っていても、把握していなかっただけで実は菩提寺があったというケースもあります。ご自身の認識だけに頼らず、事前に本家などの親戚に確認しておくと良いでしょう。

お坊さんに渡すお布施の相場

お布施は仏教の「行」、すなわち悟りを開くための行いです。葬儀でお坊さんに渡すお布施は「財施」と言って、金銭などの財物を施すことを表します。

お布施は読経に対する支払いではないので価格が定められているわけではなく、精いっぱいの気持ちを表すものとされていますが、そのために「どのくらいが相場なのか予想がつかない」とお困りの方もいるのではないでしょうか。

また、一口にお布施と言っても地域や宗派によって金額に大きな差があります。

北のお葬式がサービスをご提供している北海道では、お布施の相場は30万円程度となっています。※自社調べ

お布施の相場についてはこちらもご覧ください。

参考:葬式のお布施、いくらが相場?渡す時のマナーはあるの?

お坊さんを呼ばないお葬式はあり?呼ばないケースとは

「お坊さんを呼ばないお葬式はありか、なしか?」 結論から言うと「あり」です。

お葬式ではお坊さんを必ず呼ばなければいけないと、決まっているわけではありません。

現代の葬儀では様々な理由から、お坊さんを呼ばないお葬式の形を選択される方も増えています。

葬儀にお坊さんを呼ばないケース

  • キリスト教や神道など仏教以外の宗教を信仰している
  • 宗教儀礼にこだわりがなく、無宗教葬を行いたい
  • 宗教儀礼を行わない火葬のみの「直葬」を行いたい
  • お寺にお渡しするお布施などのお金がない
  • お寺との付き合いがない

お坊さんは仏教の宗教儀礼ですので、キリスト教や神道など仏教以外の宗教を信仰している場合には呼ぶことはありません。

最近では仏教を信仰しているけれども、宗教儀礼にあまりこだわりを持たずに「あえてお坊さんを呼ばない無宗教形式で葬儀を行いたい」という方もいらっしゃいます。

無宗教葬については、こちらの記事でも詳しくご紹介していますのでぜひ読んでみてください。

参考:無宗教の葬式の特徴とは?無宗教葬の流れやマナーについて

お葬式でお坊さんを呼ぶ理由

そもそも葬儀でお坊さんを呼ぶ理由はとなんだと思いますか?

日本で行われる葬儀は、その大部分が仏式葬儀です。

仏式葬儀ではお坊さんに読経や焼香、戒名をいただくことで故人の供養と成仏を祈ります。

また、お坊さんの読経という宗教儀礼を通して、残された遺族が故人の死という深い悲しみを乗り越えるという側面もあります。

お坊さんを呼んで宗教儀礼を行うことは故人の供養や成仏のためであるのと同時に、残された人たちのためでもあるのです。

葬儀や法要で行われる「法話」や「説法」も、仏の教えを説くことでご遺族の悲しみや後悔を和らげてくれるでしょう。

お葬式でお坊さんを呼ばない場合のメリット

費用がおさえられる

葬儀にお坊さんをお呼びして読経等の宗教儀礼を行う場合、お坊さんにお布施をお渡しすることになります。

前述したとおり、2017年に発表された「日本消費者協会 葬儀についてのアンケート調査」によると、葬儀のお布施の全国平均金額は47万円となっています。

お布施の相場は地域によって大きく異なりますが、おおよそ30万円~60万円程度の出費がおさえられることはメリットと言えるでしょう。

自由な式次第の葬儀を行う事ができる

仏式に限らず、宗教者をお呼びして宗教儀礼を行う葬儀の場合、それぞれの宗教・宗派の式次第に則って葬儀が進められます。お坊さんを呼ばないお葬式では仏教の儀礼を行いませんので、式次第を自由に決めることが可能です。

無宗教の葬儀は、故人が好きだった音楽を流す「献奏(けんそう)」や、思い出の動画の上映、焼香の替わりに献花を行うなど、宗教者をお呼びする葬儀とは違った内容で執り行うことが可能です。

無宗教の葬儀を選択する場合、どんな式次第で葬儀を進め、どのようなお葬式にしたいのかというイメージを持ち、葬儀社に事前相談を行うなどしてある程度準備しておくことをおすすめします。

お葬式でお坊さんを呼ばない場合のデメリット

さまざまな理由でお坊さんを呼ばないお葬式を選択する方が増えています。

しかし、実家や家系では仏教を信仰しているのに、あえてお坊さんなしの葬儀を選ぶ場合には特に注意したい点があります。

菩提寺のお墓に納骨できない可能性がある

先祖代々お付き合いのあるお寺「菩提寺」があり、そのお寺にお墓がある場合、お坊さんを呼ばずに葬儀を行うとお寺のお墓に納骨ができない場合があります。

お寺の納骨堂やお墓に納骨する場合、そのお寺のお坊さんから戒名をいただく必要があるのです。

菩提寺があるが「お坊さんを呼ばない葬式」を行いたいという方は、少々難題ではありますが一度菩提寺へ相談することをおすすめします。

仏式葬儀における戒名の意味や、戒名と納骨の関係についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

参考:葬儀における戒名って何?意味や俗名とのちがい

家族や親族へ事前に説明をして理解を得ること

無宗教葬や家族葬、直葬などさまざまな葬儀のカタチがありますが「葬儀とはお坊さんにお経を読んでもらうものだ」という考えの方が多いのも事実。

お坊さんを呼ばず、読経も戒名もないとなれば「こんな葬式では成仏できない!故人がかわいそうだ!」と非難をされてしまう可能性があります。

お坊さんを呼ばないお葬式を行おうと考えている場合は、「故人の遺志」「遺族のみの家族葬で行うため」など事前に家族や親族に対し理由を説明し、理解を得ておきましょう。

まとめ

お葬式ではお坊さんを呼ばなくてはいけないと決まっているわけではありません。

葬儀でお坊さんを呼ぶのは、仏教の宗教儀礼として読経や焼香などを行って故人の供養と成仏を祈るためです。

また、残された遺族の気持ちを慰めるためでもあります。

キリスト教や神道など仏教以外の宗教を信仰している場合や、宗教儀礼にこだわらず無宗教形式の葬儀を行いたい場合、普段お寺との付き合いがない場合などはお坊さんを呼ばない葬儀が行われることがあります。

お坊さんを呼ばない葬儀が悪いとかダメということでは決してありません。

ただし、日本で行われている葬儀では、お坊さんを呼んで行う仏式葬儀が大多数を占めています。

「葬儀とはお坊さんを呼んで行うもの」と考える人も多いため、お坊さんを呼ばない葬式を行う場合は、家族や親族へ事前に説明をしておくことをおすすめします。

また、菩提寺がある場合、お坊さんからへ葬儀を依頼しない場合や戒名をもらっていないとお寺の納骨堂やお墓に納骨できない可能性があるので注意しましょう。

北のお坊さん

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この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

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