1-0.葬儀・葬式

2023.05.25

キリスト教の葬儀の流れやマナーは?カトリックとプロテスタントの違いも解説

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こんにちは。

 

北海道全域対応、札幌市の葬儀会社「北のお葬式」の塩谷です。

 

お葬式の形は仏式だけとは限りません。

 

宗教が違えば「死」に対する考え方が異なり、葬儀の意味や内容、マナーも変わります。

今回はその中でもキリスト教の葬儀の内容や作法、マナーについて紹介します。

 

キリスト教の葬儀については、カトリックとプロテスタントで大きく異なります。キリスト教の葬儀に参列することになっても困らないように、しっかり確認しておきましょう。

カトリック葬儀

 

 

キリスト教の葬儀は主にカトリックとプロテスタントの2種類

キリスト教は仏教と異なり「死」は別れではなく、神の元での安らかな永遠の安息の始まりとして、祝福すべきことと考えられています。

 

キリスト教には多数の教派が存在しますが、日本でよく耳にするのは「カトリック」と「プロテスタント」です。この2派は、葬儀に対する考え方の違いから葬儀内容が異なります。

 

それぞれ確認していきましょう。

カトリックとは

日本でいう「カトリック」は、キリスト教最大の教派、ローマ・カトリック教会を指します。ローマ教皇を最高指導者としていて、聖職者を司祭または神父と呼ぶのも特徴です。

 

カトリックは歴史と伝統を重んじる教派のため、葬儀に対しても儀式や儀礼の形を重んじます。

 

カトリックの葬儀とは、故人の生前の罪に対して許しを乞い、神の元で永遠の命を授かるように祈る儀式です。原則としてカトリックの洗礼を受けた人の葬儀のみを、所属している教会で執り行います。

 プロテスタントとは

プロテスタント教会は、16世紀の宗教改革でカトリック教会に対抗する形で誕生した教会です。カトリックとは異なり、聖職者は牧師と呼ばれ、礼拝で歌うのは賛美歌です。

 

牧師は結婚が可能で、女性の牧師がいるのも特徴の一つです。

 

カトリックと違い、プロテスタントでの葬儀は遺族を慰めるための儀式となっています。人は死後、神の元で安らかになるため「死」そのものは不幸なことではありません。遺族の祈りは故人へ対してではなく、神へ対して感謝を捧げるための祈りとなります。

 

個人の信仰を重要視するために、形式にはあまりこだわらないのもプロテスタントの特徴です。そのため、プロテスタントではキリスト教を完全に信仰していない人の葬儀にも対応してくれるといった柔軟性が見られます。

カトリック・プロテスタントのキリスト教式葬儀の流れも確認

葬儀と人々

カトリックとプロテスタント、それぞれの葬儀の流れを簡単にご紹介します。

カトリックの葬儀の流れ

カトリックの場合、司祭または神父が儀式を執り行い、葬儀と告別式を別に行うのが一般的です。

葬儀(ミサ聖祭式)

 

  1. 入堂
    聖歌の演奏と共に十字架を先頭に司祭(神父)が入堂し、聖水と祈りを捧げて開式の辞を述べます。
    棺は祭壇に足を向ける方向に安置されます。
  2. 言葉の典礼
    司祭(神父)が聖書の朗読と説教を行い、参列者で故人の永遠の命を祈ります。
  3. 感謝の典礼
    遺族がパンと葡萄酒を捧げ、司祭(神父)から聖体(パン)を受け取る「聖体拝領」の儀式を行います。

 

告別式

  1. 聖歌斉唱
    参列者全員で聖歌斉唱を行い、司祭(神父)が告別式の開式を告げます。
  2. 弔辞、弔電紹介
    日本の告別式と同様、故人の略歴紹介、弔辞と弔電が紹介されます。
  3. 献花
    仏式葬儀の焼香にあたります。(教会によっては焼香を行う場合もあります)
    喪主、遺族、親族、参列者の順に行います。
  4. 遺族挨拶
    喪主が感謝の挨拶をし、全員での聖歌斉唱で告別式が終わります。

 

プロテスタントの葬儀の流れ

儀式を執り行うのは牧師で、葬儀と告別式は同時に行われます。

告別式(召天式・葬儀式)

  1. 入堂
    オルガン演奏と共に牧師、棺、喪主、遺族の順に入堂します。
  2. 聖書朗読、祈祷
    参列者の黙祷の中、牧師が聖書を朗読して祈りを捧げます。
    その後全員で賛美歌を斉唱します。
  3. 説教
    牧師による個人の略歴や信仰状況の紹介、信仰や神についての説教が行われます。
  4. 弔辞、弔電紹介
    弔辞や弔電が紹介されます。
  5. 祈祷、オルガン演奏
    オルガンの演奏の中全員で黙祷を捧げます。
  6. 告別の祈りと献花
    牧師が告別の祈りを捧げた後、全員で賛美歌を斉唱し献花を行います。
    献花の順はカトリックと同じで喪主、遺族、親族、参列者の順に行います。
  7. 遺族挨拶
    オルガン演奏と牧師の祈祷の中で喪主が挨拶を行い、葬儀が終わります。
    ※葬儀の流れは、教会の規模や牧師によって変わる可能性があります。

キリスト教の葬儀で通夜は行われる?

キリスト教式の葬儀には、もともと通夜の習慣はありません。しかし、日本で行われるキリスト教式の葬儀では日本の風習を取り入れて通夜も行われます。

 

カトリックでは「通夜の祈り」、プロテスタントでは「前夜祭」と言います。

キリスト教式の葬儀のマナーを確認!

葬儀の白いバラ

キリスト教式の葬儀は、一般的な仏式の葬儀とは異なる部分が多いため、チェックしておきましょう。

参列に適した服装

葬儀へ参列する服装は、一般的な仏式の葬儀に順ずるもので問題ありません。

喪主であれば正式喪服、親族や一般参列者は略式喪服を着用すると良いでしょう。

 

結婚指輪以外のアクセサリーなどは付けずにおくのが無難ですが、真珠のネックレスは問題ありません。

 

また、数珠を持参する必要はありません。カトリックでは、女性信者は黒いベール付きの帽子をかぶるのが正装となります。

献花のマナー

献花では白い菊やカーネーションが使用され、一般的には会場で用意されているものを捧げます。

献花の流れは以下の通りです。

  1. 右手を上に向けて花側を、左手は下を向けて茎側を持つように両手で花を受け取る
  2. 遺族に一礼をしてから献花台の前まで進む
  3. 茎側を祭壇にむけ、左手は右手の下の添えるようにしながら献花台の上に花を置く
  4. 一礼して黙祷した後、前を向いたまま2、3歩下がり、遺族に一礼して戻る

聖歌・讃美歌のマナー

葬儀の中で歌われる聖歌や讃美歌は、わからなければ歌わなくても問題ありません。

葬儀の前には歌詞カードが配られるので、可能であれば参加してみましょう。

 お悔やみの言葉について

キリスト教では、仏教などと違い死は不幸と考えられていません。人は死んでも復活し永遠の命を得て、神のそばへ行けるという考えがあるため、死を不幸と感じさせる言葉は避けましょう。

 

お伝えするとすれば「安らかな眠りをお祈りいたします」などといった言葉になります。

香典は献花料・その相場は?

キリスト教式の葬儀では、香典とは言わずに、献花料または御花料と言い、水引のついていない不祝儀袋を用意します。十字架や花模様のものが一般的ですが、白の無地封筒でも対応可能です。

 

表書きは、カトリックでは「御ミサ料」、プロテスタントは「弔慰料」としますが、「御花料」または「お花料」であればどちらの教派でも使えます。

 

金額の相場としては、通常の仏式の香典と同様と考えて良いでしょう。友人や知人であれば5,000円が一般的。

親族であれば、叔父・叔母の場合1〜3万円、兄弟なら3〜5万円、両親であれば5〜10万程度が相場です。

キリスト教ではカトリックやプロテスタントという区別以外にも、所属する教会によって作法やマナーが異なることがあります。

わからない場合には葬儀会社や、神父・牧師へ事前に相談してみましょう。

 

一般的な葬儀の流れやマナーについては、こちらのコラムでも紹介しています。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

葬儀の流れや時間を詳しく解説!所要時間や時間帯、マナーも知ろう

キリスト教の葬儀にかかる費用

キャンドル

キリスト教での葬儀を行う場合は、オルガン奏者への謝礼や、教会への献金、生花代など仏教式とは異なる費用が発生します。しかし、読経や戒名などの費用がかからないこともあり、低予算で済む場合もあります。

 

葬儀の費用は、地域や葬儀の規模によっても大きく変わるため、葬儀社へ予算や希望を伝え、葬儀内容を確認しましょう。

まとめ

キリスト教では「死」は不幸ではなく、永遠の安らぎの始まりとされ、祝福すべきこととされています。

日本の葬儀に多い仏教とは死生観が大きく異なるため、葬儀における考え方や内容、マナーも異なります。

さらに「カトリック」「プロテスタント」の2つの教派の違いでも葬儀の内容が異なります。

また、厳格なカトリックに対して、プロテスタントは他宗教信仰者にも寛容という面も。

葬儀ではお悔やみの言葉ではなく、「安らかな眠りをお祈りします」など、ネガティブな表現をさけて言葉をかけるようにしましょう。

日本ではほとんどが仏式の葬儀のため、キリスト教式の葬儀に慣れていなくても当然です。

 

わからないことがあれば何でもすぐに聞いてくださいね。

お葬式のご相談からお急ぎのご依頼まで「北のお葬式」にお任せください。

北海道全域、24時間365日いつでも対応いたします。

この記事を書いた人

葬祭ディレクター塩谷 未来

私は、『笑顔』で送る葬儀を心がけております。葬儀を、哀しい思い出として終わってほしくありません。大好きだった、大切だった人の最期は涙だけでなく、感謝の気持ちを伝え、『ありがとう、いってらっしゃい』という気持ちで送り出せる葬儀にしたいのです。
時には、私自身もご家族と同じように涙を流すこともあります。でも、その方と過ごしてきた日々には、明るく素敵な思い出も沢山あったのだと思います。その思い出を、最期こそ楽しくて笑いあった日々として思い出していただきたいのです。2日間という短い間ですが、最期のお別れを塩谷という担当者でよかったと思っていただける葬儀になるよう努めてまいります。

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