北のお葬式ブログ

「エンバーミング」という言葉、聞きなれない人も多いのではないでしょうか。エンバーミングはエンバーマーと呼ばれる有資格者が、ご遺体の腐敗を防ぐことやご遺体を修復することを目的として行う処置です。
 
日本では今現在あまり一般的ではない処置ですが、90%以上のご遺体にエンバーミングを行う国もあり、孤独死が増えている日本でも注目されている技術です。
 
今回はエンバーミングの目的や施術内容、メリット・デメリットについてご説明します。
 
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目次
 
1.そもそもエンバーミングとは
2.エンバーミングが必要なケース
3.エンバーミングの費用
4.エンバーミングのメリット
5.エンバーミングのデメリット
6.エンバーミングを行う流れ
7.エンバーミングの普及率は?
8.まとめ
 

棺を覗き込む女性

そもそもエンバーミングとは

 

エンバーミングとは

エンバーミングは、エンバーマーと呼ばれる有資格者がご遺体に対して行う処置のことです。ご遺体の防腐や消毒、外見を整えることを目的として消毒液の噴霧、ご遺体の血液と防腐剤を入れ替える施術、体液の吸引、外傷の修復などを行います。
 
エンバーミングを行ったご遺体は消毒・殺菌・防腐されるため、ご遺体から感染症が伝染することを防ぎ、ご遺体の腐敗を遅らせます。また、外傷の修復や防腐剤の注入により、ご遺体を生前のお姿に近づけることが可能です。
 
死化粧やエンゼルケアとの違い

死化粧(しにげしょう)はエンゼルメイクと呼ばれることもあり、ファンデーションや口紅を塗る、髭を剃るなどして故人のお顔を整えます。死化粧は葬儀社に依頼することが一般的ですが、中には依頼せずに自分で行う人もいます。
エンゼルケアは医療器具を外したり清拭を行ったりといった、逝去直後のご遺体の処置を指します。病院で亡くなった場合、看護師や提携業者がエンゼルケアを行います。エンゼルケアの内容や料金は病院によって異なりますが、下記のような処置を行う場合が多いようです。
 
・医療器具を外す
・治療でできた傷があれば手当をする
・ご遺体の清拭
・着替え
・死化粧
 
以前は鼻、口、耳、肛門などに綿を詰めることが一般的でしたが、近年では行わない施設も多くなっています。
 
エンバーミングを行うことでご遺体は10日から2週間程度安全に保たれます。それにより、故人と遺族がお別れの時間を十分に設けられること、外傷の修復や防腐剤の注入によってご遺体を生前の姿に近づけられることが、エンゼルケアや死化粧との大きな違いと言えます。

エンバーミングが必要なケース

 

日本ではあまり一般的とは言えないエンバーミングですが、どのような時に必要となるのでしょうか。ここではエンバーミングが必要となるケースについて解説します。
 
亡くなってから葬儀(火葬)まで時間がかかる場合

人が亡くなってから遺体を火葬するまでの日数は2、3日が一般的ですが、首都圏などでは火葬場の予約が取れずに数日かかってしまうことも珍しく無いようです。また、ご遺族が海外に居住されていたり、旅行に出かけていたりして、故人と対面するまでに時間がかかることもあります。
そのような場合、ご遺体にドライアイスを当てたり気温の低い部屋に安置したりと言った対処法では、ご遺体の状態を保つことが難しくなるため、エンバーミングが必要となります。
 
生前の姿に近い状態でお別れの時間を過ごしたい場合

お亡くなりになる際、病気の影響で生前の面影が感じられない姿になってしまうことも珍しくありません。ですから、ご遺体を少しでも元気な頃の姿に近づけてお別れできるということが、本人や家族の気持ちを慰めてくれる可能性があります。また、亡くなった際に大きな怪我をしていて、そのまま対面するとかえって家族の悲しみが深くなってしまうような場合に、エンバーミングを行うことがあります。
 
ご遺体から病気が感染することを防ぎたい場合

すべてのご遺体に当てはまるわけではありませんが、故人が感染症にかかっていた場合、ご遺体に触れることで病気に感染してしまう可能性があります。エンバーミングを施しご遺体を除菌・殺菌することで、ご遺族や参列者への感染を防ぎます。
 
海外からご遺体を空輸する場合、又は、海外にご遺体を空輸する場合

旅行や出張などで海外に出かけている時に亡くなり、海外からご遺体の搬送を行う場合、ご遺体の保全のためにドライアイスを使うことはできません。そのような場合はエンバーミングを施してご遺体を空輸することになります。また、日本で亡くなった方を海外に空輸する場合も同様にエンバーミングを行う必要があります。

エンバーミングの費用

 

ご遺体の状態によってエンバーミングの費用は変わるため一概には言えませんが、15万円〜25万円ほどが平均的と言われています。この料金は日本遺体衛生保全協会(IFSA)が設定しているエンバーミングの基本料金を基準としているようです。エンバーミングの技術者であるエンバーマーは同協会が認定しています。
 
多くの人にとって気軽に支払える費用ではないかもしれませんが、元気な頃の面影を感じられることやお別れの時間にゆとりが生まれることを考えると、エンバーミングという選択肢によって、より満足度の高いお葬式を執り行うことが可能になると言えるでしょう。

エンバーミングのメリット

 

エンバーミングでは、ご遺体を切開する、血液を抜くなどの処置が行われるため、そのことに心を痛めてしまうご家族もいます。そのような処置を行うことで得られるメリットとは一体どのようなものなのでしょうか。
 
この項ではエンバーミングのメリットについて解説します。
 
ゆとりを持って故人とお別れすることができる

通常、逝去から2、3日後にご遺体を火葬することになるため、ご遺族は親戚などへの連絡や葬儀の打ち合わせに追われることが多く、余裕のあるお別れができないということも珍しくありませんが、エンバーミングを行うことでご遺体の長期保存が可能となるため、火葬までの時間に余裕を持たせることができます。ご自宅で故人とゆっくり過ごし、葬儀についてじっくり検討する時間を得られることは、エンバーミングの大きなメリットと言えるでしょう。
 
安心してご遺体に触れられる

エンバーミングではご遺体を殺菌・消毒します。そのため、もし故人が感染症にかかっていたとしても、ご遺体からの感染を防ぐことが可能となります。大切な方の体に触れられる時間が残り少なくなってしまった中で、心置きなくスキンシップができることはメリットの一つです。エンバーミングを行うことで、結核・インフルエンザ・B型肝炎・C型肝炎・HIV・MRSA・敗血症などの感染症を防ぐことができます。
 
元気な頃の姿を偲ぶことができる

現在では長い闘病の末に亡くなる方も多く、元気な頃の姿を懐かしく感じるご家族も珍しくありません。エンバーミングを行い、元気な頃の姿に近づいた故人と最後の時間を共に過ごすことで、闘病で傷ついたご家族の心が少しでも癒されるのであれば、それもメリットの一つと言えるでしょう。
 
また、エンバーミングで、怪我や火傷などで損傷してしまったご遺体を修復することも可能です。ご遺体の状態によりますが、修復することでご遺族の心が守られることや、ご遺体との対面が可能となる場合があることは大きなメリットであると言えるでしょう。

エンバーミングのデメリット

 

前項ではエンバーミングのメリットについてご説明しましたが、デメリットが無いかというとそうではありません。エンバーミングを検討している場合、どのようなデメリットがあるのか知っておくことが大切です。
 
高額な費用がかかる

エンバーミングを行う場合、通常はかからない費用が発生することになります。前述しましたが、ご遺体の状態に左右されるとは言え、エンバーミングには平均15万円から25万円の費用がかかると言われています。このように高額な費用が必要となることはエンバーミングのデメリットであると言えるでしょう。
 
処置に時間がかかる

エンバーミングを行う際、ご遺体の移動や処置に時間がかかることをデメリットと感じる人もいるでしょう。
 
エンバーミングは専用の施設で行われます。一般社団法人日本遺体衛生保全協会(IFSA)のホームページでは、全国70箇所の施設が紹介されていますが、中にはエンバーミング施設のない県もあります。ご遺体を処置するための時間が一般的に3時間から4時間程度かかり、その他に施設とご自宅の間を往復する時間がかかるため、近隣にエンバーミング施設がない場合、移動にも長い時間がかかってしまうことが考えられます。
 
エンバーミングに立ち会うことはできないため、処置や移動の時間はご遺体と離れなければならず、ご遺体と離れることに抵抗を感じる人にとってはデメリットとなります。

エンバーミングを行う流れ

 

エンバーミングを検討する中で気になることの一つに、処置の内容があげられるのではないでしょうか。エンバーミングの処置は日本遺体衛生保全協会(IFSA)の自主基準に則って実施されます。
 
ここでは、エンバーミングの手順に沿って処置の内容をご説明します。
 
1. エンバーミング依頼書(同意書)と死亡診断書(死体検案書)を提出します
 
2. 自宅などの安置場所からエンバーミング施設にご遺体を搬送します。
 
3. エンバーミングテーブルの上にご遺体を安置します。
 
4. ご遺体の着衣を取り、状態を確認します。死後硬直があれば解くためにマッサージを施します。消毒液を使って全身の洗浄と消毒、殺菌を行います。
 
5. 鼻腔や口腔も洗浄し、表情を整えます。目や口を閉じ、含み綿などを使って安らかな表情に仕上げます。
 
6. エンバーミング溶液の注入及び血液の排出のために、鎖骨上部や大腿部に1.5㎝から2㎝程度の切開を行います。
 
7. エンバーミング溶液の注入と血液の排出を行い、体内の血液とエンバーミング溶液を入れ替えます。エンバーミング溶液が全身をめぐり血液が排出されることで、ご遺体の腐敗を防ぎ清浄を保ちます。
 
8. 触診や目視によって全身にエンバーミング溶液が行き渡ったことを確認し、残った体液を吸引します。
 
9. 切開した部分を縫合、修復し、再度全身を洗浄します。
 
10.宗教に適した衣服やご遺族が希望する衣服をご遺体に着せ、頭髪を整えます。
 
11.ご親族の要望に応じて死化粧、納棺を行います。納棺はエンバーミング施設ではなく自宅などで行う場合もあります。
 
12.エンバーミング施設から自宅などの安置先へご遺体を搬送します。

エンバーミングの普及率は?

 

アメリカやカナダではご遺体の90%以上にエンバーミングが施されるというデータがあります。この他にイギリスやシンガポールでも70%のご遺体にエンバーミングが施されるなど、エンバーミングの普及率が高い国が存在しています。
 
日本では1974年に川崎医科大学で導入され、2000年に年間処置数が1万件を超えました。2017年には42,760体のご遺体にエンバーミング処置が施され、累計で446,034件に及んだことから、日本でもエンバーミングが普及してきていることがわかります。
 
エンバーミングの歴史は古く、古代エジプト時代のミイラを起源とする説があります。この頃、遺体をミイラにするために行われていた方法と現在のエンバーミングの処置はもちろん異なりますが、ミイラ作りにおいて遺体の洗浄や防腐処理が行われていたことから、現在のエンバーミングに通じる点があると言えるでしょう。
 
エンバーミングが広く行われるようになったタイミングは、アメリカの南北戦争です。戦死者の葬儀を故郷で行うためには長距離搬送が必要となる場合が多く、これをきっかけとしてエンバーミングが一般的になったと言われています。
 
日本ではあまり聞かれませんが、世界に目を向けると多くの著名人や有名人のご遺体にエンバーミングが施されています。一例をあげると、ホー・チ・ミン(ベトナム社会主義共和国)、蒋介石(台湾)、毛沢東(中華人民共和国)、蒋介石(朝鮮民主主義人民共和国)などの政治家の他、マリリン・モンローやマイケル・ジャクソンのご遺体にもエンバーミングが施されました。

まとめ

 

エンバーミングは、ご遺体の防腐や消毒、外見を整えることを目的として、エンバーマーと呼ばれる有資格者がご遺体に対して行う処置のことです。
 
日本では亡くなってから火葬までの期間が空く場合や、生前に近い姿でのお別れを望む場合、ご遺体から感染症がうつることを防ぎたい場合などに用いられるケースがあります。
 
エンバーミングにかかる費用は、一般的に15万円〜25万円ほどです。この料金は、エンバーミングの技術者であるエンバーマーを認定している、日本遺体衛生保全協会(IFSA)が設定している基本料金が基準となっているようです。
 
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